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映画のメイキング映像

人は違和感を無意識に感じ取り、しかもそこに注目する。

例えば、印刷された図表の枠線。A4 の紙の端と平行じゃない気がして、気になる。測ってみるとやっぱりズレていて、一度気になるともやもやしてくる。 例えば、フィギュアスケート。ジャンプが成功していたとしても、少しバランスを崩したのを見ると、観客は不安になる。そして、ドキドキして純粋に表現としてのフィギュアスケートを楽しめなくなる。

違和感を見つけると、製作者の意図したことを純粋に受け取ることができなくなってしまう。


 ドラマや映画は、架空の世界である。実話に基づいていたとしても、その登場人物は役者であり、その街並みは巨大なセットだ。至る所にCGが使われているし、ありえないところがセットだったりもする。

これらのことは、映画を見ている最中に悟られてはいけない。だって、そしたら映画の内容に集中できなくなってしまうから。私たちの「のめりこむ」感覚は、違和感の排除という、制作陣の綿密な計画により作られている。

映画の裏側を知ったきっかけは、友人のショートムービーの制作に携わったことだった。カメラの向こう側を体験してから、映画のメイキングムービーに興味を持つようになった。前から映画は大好きだったけど、制作過程を想像することはあまりなかった。

メイキングムービーは、今流行りのサブスクリプションのサービスではあまり見られないと思う。DVDの特典映像として収録されていることが多い。

メイキングムービーを観ると、「お金と時間と人手がかかりすぎてる!!!なんて規模は豪快で、仕事は繊細なんだ!!!」と衝撃を受ける。架空の人物やその細かい人格、そしてそれに伴った言動や部屋の置物、その時代の政情に合った街並み、思想………すべてが制作陣の丁寧な仕事により作られる。「え!?これがCG!?」「え!?あれが本物の水!?」「え!?この内装全部作ったの!?」「え!?これ演技!?」(笑)とか、本当に驚くことばかり。

映画の内容を組み立て、かつ絶対に違和感を持たせない、そんな技術がすごい。そして、そんなすごい技術を、言葉で表現して伝える技術が私にはまだ無い。

ふぅ。ともかく、ぜひメイキングムービーを観ていただきたい。最近あまりにも衝撃的だったので、熱が入ってしまった。

 

 何か作品を作っている人。人を感動させられるものを作れる人。ほんとにすごい。違和感を持たずに聞ける、見られるだけでも相当な技術がいるのに。ましてや、人の心を動かせるなんて……

クリエイターは、”現在物理的には存在していないけれど、頭の中あること”を具現化する。いろんな方法を使って表現して他人に伝えちゃう。他人を動かしちゃう。すごい。

そして、これからも、どんどん私の違和感を操ってほしい。名作映画とか、マジシャンとか。「のめりこむ」感覚を作ってほしい。音楽とか、小説とか。また、爆笑させてね、お笑い芸人さん。感動させてね、エドゥアールマネ(1832-1883)。


敬意と、感謝を添えて。



余談(以下、読まなくてよい)

写真のようにリアルな絵で、「すごいでしょ!!」て作品。すごいけど、それなら写真でいいのでは?と思ってしまう。

どうせなら、写真のようにリアルな絵で、現実にはあり得ない奇妙なことを描いてほしい。どうせなら、その作品に表現が乗っかっていたほうが好き。

あ、でも、写真のようにリアルな絵は、「え!?絵なの!?すごい!」って思ってほしいんだろうから、それでいいのか。写真だったら、「あ、写真。だよね、分かってた。」てなるもんね。「エェ!?絵!?」て短い洒落を言わせたいもんね。激しく同意。写真のようにリアルな絵は、写真じゃ意味なしでした。失敬しっけい。


以上。


#映画メイキングムービー #メイキングムービー #映画 #違和感 #無意識 #クリエイターはすごい



カバー画像 映画『インターステラー』オフィシャル公式サイト http://html5.warnerbros.com/jp/interstellar/gallery.html# (アクセス日:2020/4/29 最終更新日時2016/11/10)

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