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尾瀬のミニ観察~第11回~

 前回は、「ツルニンジン」を紹介しましたが、今回は「花びらって何?」についてご紹介します。

(11)「花びらって何?」

今回はちょっと安心する話題です。
「ニリンソウの白い花びらは」などと説明しているとき「白いのは花びらではなく萼片だ」と訂正された経験はありませんか。花びら=花弁 と思い込まれていますが「花びら」とは、花の目立つ部分をさし示す一般に使われる言葉です。植物学的に定義された学術用語ではないので、文部省の「学術用語集」には載っていません。
 ですから、ゴマナの舌状花冠、ニリンソウの萼片、コオニユリの花被片、トモエソウの花弁、みな花びらでいいのです。

ゴマナの舌状花冠
ニリンソウの萼片
コオニユリの花被片
トモエソウの花弁

筆者紹介
田中 肇(たなか はじめ)
フラワーエコロジスト
専門は花生態学
著書は「花と昆虫がつくる自然」(保育社 尾瀬の花の生態を多く取上げた)、「花の顔」(山と渓谷社)ほか多数

(2011年1月発行「はるかな尾瀬」より抜粋)

次回は、「ミズバショウの花」についてご紹介します!