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尾瀬のミニ観察~第23回~

前回は、「カワラハンノキ:雌の赤い穂」を紹介しましたが、今回は「レンゲツツジ」についてご紹介します。

(23)「レンゲツツジ」
(花期 6~7月)

 初夏、レンゲツツジの赤い花が咲く。漏斗形の花冠は半ばから5枚に分かれ、正面を向いた裂片にはチョウの好む濃赤色の斑点がある。
だがチョウを誘っても、その体を覆う鱗粉には花粉が付きにくい。花はそれを克服するため、花粉をネックレースのように細い糸で綴っている(写真白枠内)。花粉の一部でもチョウに付着したら、他の花粉も一緒に運ばせてしまおうという戦略なのだ。どのようなチョウが来るのか、作業の合間にでもちょっと観察しよう。

筆者紹介
田中 肇(たなか はじめ)
フラワーエコロジスト
専門は花生態学
著書は「花と昆虫がつくる自然」(保育社 尾瀬の花の生態を多く取上げた)、「花の顔」(山と渓谷社)ほか多数

(2015年8月発行「はるかな尾瀬」より抜粋)

次回は、「ルイヨウボタン」についてご紹介します!