ガスマスクを装着して現れ、自ら外すパフォーマンスがONE OK ROCKそのものだった
9月15日、味の素スタジアムで行われたONE OK ROCK(以下ワンオク)のライブに参戦。日本公演を皮切りに世界をまわるライブツアー「PREMONITION WORLD TOUR 2024」、過去最大規模、開幕2日目。
今年の5月、ベルーナドームでのONE OK ROCKとWANIMAの対バン以来のライブだ。
今回のライブについては下記の通り、音楽ナタリーさんの記事でも拝見できる。
個人的「なんでこの曲カップリングなん選手権」ワン・ツーの「欠落オートメーション」(2012年8月『The Biginning』)や「カラス」(2007年7月『努努』)が同日に、この令和の時代に聞ける世界線があったんだと、さすがに頭抱える事案。
ライブが始まる前のお決まり対談「何の曲聴けたら嬉しいですか」では、いや〜、やっぱ「Re:make」きたら嬉しいけどな〜、どうかな〜。いや、そうよな、「じぶんROCK」も最高。好き。なんて話していたら、冒頭から全部畳み掛けてきた時にはさすがに、さすがすぎる。次も、その次も同行者とともに目を合わせてはガシっっと腕やら肩やら掴んで悲鳴を上げる。
この時の感動と興奮はこの場にいたからこその体験であり、唯一無二であり、一緒に参戦した同行者とはこの先の命ある限り何度も思い出しては同じことを言い続ける未来が見える。メシウマでしかなく、酒も進むしかない。
と、色々と書き始めると止まらないので割愛。余韻に浸り、興奮も落ち着き、自分の中で湧き出ていた言葉たちが醸成してきたので改めてここに書き残そうと至った。
ライブの開幕。
野外スタジアムの中で大歓声を受けて、Takaが姿を見せた時はガスマスクを装着していた。
それを剥ぎ取り、新曲「Delusion:All」での幕開け。
ガスマスク付けてる!グローブもしていて厨二感!
髪の毛グリーン!鮮やか!いや、鮮やかすぎん?
初っ端から新曲!キングダム!キターーーー!!!
と、X(旧Twitter)では当時の心境をポストする声が散見された。とにかく興奮×精神高揚の瞬間、私も同じように高まった。いや、Takaまった。
そして、タイトルにもある
「ガスマスクを装着して現れ、自ら外すパフォーマンスがONE OK ROCKそのものだった」件について。
ガスマスクを外すというパフォーマンスには
以下の3つの意味合いが今回特に強いだろう。
1.覚悟や決意の象徴
命の危険がある環境で着用を放棄する行為
限界状態で「もう逃げずに運命を受け入れる」
という意思表示とも解釈されている
2.自由や解放の象徴
ガスマスクは息苦しさを象徴
抑圧からの解放や自由への意志を示すことがある
3.自己犠牲と献身
自らガスマスクを外すことで
他人のために自分を犠牲にする意志を示す
そして、一曲目に披露した「Delusion:All」。
英詞には「democracy」という単語があり、「えっ、サビで民主主義について触れて歌っている?」とドキッとしたことを覚えている。
以下「Delusion:All」歌詞抜粋と、和訳。
※ここでは一旦、下記動画の内容を拝借しつつ、一部意訳して紹介。
They’ll conquer us if we divide
分裂すれば(=俺らが一つにならないと)アイツらの思うつぼだ
We gotta stand up and draw a line
It's time to fall back or shoot
退くか戦うか、決める時がきた
Why does it feel like they don’t feel anything?
I pray there's a future behind those walls
なぜこんなにも 彼らは何も感じないんだろう(=どうして何もしない?)
俺は苦しみの先に未来があることを信じている
※ここでの「they」は冒頭の「アイツら」だけでなく、自分自身も含むこの曲に触れて聴いた全ての人
Let's make a deal
Pretend this bastard democracy
Is just how we want it
And we’re not exhausted
賭けをしようじゃないか
民主主義のフリをしたこの腐った社会は
俺たちが望んでいたものか?
満足していないだろう?
But maybe we’re delusional
We’re all de-fucking-lusional
みんな幻想に囚われているのかもな
みんな気づいてなかったんだ
We’re all de-fucking-lusional
俺たちはみんなクソみたいな幻想を見ているんだ
ガスマスクを外す意味合いと、この曲にかける思いはほとんどニアイコールであり、もうただのAnswer is nearだった。
これから世界を駆け巡り、世の荒波の中へ彼らが先陣切って犠牲になろうとも、今の息苦しさに慣れるなと声をあげ続け、覚悟と決意を表明していくんだと。
ライブを通して、「俺たちが証明するから」「お前らも行動して変えていけよ」と、メッセージ性をより強く感じる。
いつだって伝えたいメッセージは一貫している。
ONE OK ROCKのライブに何度も参戦した人ならわかるだろう。
昔からブレずに、愚直に歌で、ライブで表現し続けていることを。
彼らは、Takaは、今の世界に対して呆れたり憂いたりはしていない。常に世の中に対して「渇き」を感じていて、少しでも潤していこうという使命感を持っていると思っている。
悩み、ぶつかりながらも、やりたいことがある、叶えたい夢がたくさんある、僕らの夢にゴールはないと、自身に対しても満たされない渇きを課している。
アサヒスーパードライ新CM(9月16日〜)でも、Takaが言っていた。
「最高の渇きに。それでも僕らは挑み続ける」
最後に、色々と歌の和訳を見ていて、これ!と一番しっくりときた意訳をされているお方のnoteも紹介させていただきたい。
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