『たこせんと蜻蛉玉(とんぼだま)』6月21日に光文社より発売!
『たこせんと蜻蛉玉(とんぼだま)』光文社より6月21日頃から店頭に並びはじめます。
すごく素敵な装丁になったので、早くお知らせしたかったー!
コバヤシタクさん@ruri_boshiがこだわり抜いてくださったというだけあり、グラデーションの色合いも、凛とした少女の面影も、この物語の世界観を表してくれています。
コバヤシタクさんは物語に出てくる様々な場面の情景を重ねて、過去と現在を行き来してこの絵を仕上げてくださったようです。
さて、
今回の舞台は、42歳の主人公が息子と生きるスカイツリーが見える向島。
隅田川を眺め、言問橋を自転車で駆け抜けて、毎日綱渡りのように生きている宇多津早織はシングルマザー。
息子の柊は、小学5年だが不登校中で、ひもすがな部屋の狭いベランダをまるで居室のようにして過ごしつつ、イマジナリーフレンドとお喋りしたり、スカイツリーの上空に集まるというUFOを探したりしている。
早織には忘れられない恋がある。
元彼である沢井文也のSNSをこっそりフォローしているのは、弔えない恋を引きずる想いと、今の自分の日々からの逃避。
そんなある日、かつての恋敵だった雨谷尚美と思わぬところで再会する。
そしてようやく早織は、かつての恋と向き合うことになるのだが…。
早織の高校時代と現在を行き来しながら物語は進んでいきます。
回想の舞台は、早織と文也と雨谷が過ごした淡路島。
私が中学生の時、少し通学していたところであり、思い出深い場所です。
まだ明石大橋が開通していない、フェリーと船だけしか外の世界に繋がれなかった90年代後半の、あの頃。
海も空も透き通るほどに冴え冴えとし、太陽はあまりに大きかった。
光が強いほどに、影が濃くなる。
10代の頃に聴いた音楽が一生忘れられないものになるように、若き日々の胸を満たした愛しさと狂おしい痛みも、忘れがたいものになる。
身体の奥底に秘めたノスタルジーを抱えている人の心に届く物語となっているはず。
ぜひこの夏に、手に取っていただきたいです。
今月のエッセイでは、私自身の淡路島での日々と新刊について絡めて書いています。
無料で読めますので、こちらもぜひ。
http://www.boiledeggs.com/yudekagen/202206ozaki.html
Amazonにて予約受付中!
『たこせんと蜻蛉玉』尾崎英子
『ホテルメドゥーサ』KADOKAWA より好評発売中
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?