『【歌ってみた】泡沫未来【covered by 山神カルタ】』感想
本記事は、にじさんじに所属するライバーで見習い烏天狗の「山神カルタ」さんが、自身の誕生日である8月11日に投稿した歌ってみた動画『【歌ってみた】泡沫未来【covered by 山神カルタ】』についての、感想を書く記事です。
本記事は、歌ってみた動画の内容、様々な要素の説明、個人的な解釈を含みます。
恐れ多くも読んでいただけるなら、その前に必ず、歌ってみた動画の視聴をお願いします。
(下記、歌ってみた動画リンク)
はじめに
この記事を書く際に、にじさんじwikiの山神カルタページ、配信アーカイブのタイムスタンプコメント、にじさんじコメント検索など、様々なサイトやコメントを参考にさせていただいています。
日々、wikiやWebページを編集・整備してくださっている方、配信アーカイブにタイムスタンプ付きコメントを残してくださっている方、本当にありがとうございます。
また、この記事に対する意見・苦情・批判・誤字脱字の指摘についてなど、何かありましたらコメントいただけますと幸いです。
さっくり感想
ポップな音色にピアノの音が聴こえて、思わず歩き出したくなるような4つ打ちのリズムが印象に残る楽曲でした。
サビではオケではホーンが鳴って気分を盛り上げてくれて、高音域の山神さんの歌声が聴いていて心地良かったです。
1番終わりの耳に残る仕掛けも面白みがあって、とにかく聴いていて心地よく楽しい楽曲だと思いました。
歌ってみた動画の制作に関わったクリエイターの方々
今回の歌ってみた動画に関わったクリエイターの方々について、書いていきたいと思います。
イラストを担当されたのは「犬のぬけがら」さんです。
(以下、skebページへのリンク、告知ツイート引用)
犬のぬけがらさんは、以前から山神さんのFAを描かれている方です。
定期企画である『ブレNightRADIO』のサムネに、犬のぬけがらさんが描かれたFAが使われているのを見てから、以前から勝手にフォローさせていただいていました。
目の形や頭身のバランスが個人的にめちゃくちゃ好みで、色づかいもかわいくて、素敵なイラストを描かれる方だなと思います。
Twitterのメディア欄を見ると、山神さん以外にも、ゲームのキャラクターや他のライバーのイラストも見ることができます。
今回の歌ってみた動画を視聴してイラストが気になった方、ぜひご覧になってみてはいかがでしょうか。
(以下、画像付きツイート引用)
映像を担当されたのは「しょうけい」さんです。
(以下、個人サイト・告知ツイートへのリンク)
しょうけいさんは、企業勢・個人勢にかかわらず、Vtuberの歌ってみた動画の映像の編集を数多く担当されている方です。
山神さんに関することで言うと、前回の歌ってみた動画『オノマトペ』でも、映像の制作を担当されています。
しょうけいさんの制作実績を紹介する文章は、前回の『オノマトペ』感想記事にも書きました。
そこからのコピペになってしまって恐縮ですが、今、記事を読んでくださっている方が前回の記事を読んでくださった方ばかりだとは限らないので、ここでも改めて記載しておきたいと思います。
~~~~~ ここからコピペ ~~~~~
個人HPに制作活動の経歴がずらっと並んでいますが、その中から、にじさんじライバーの歌ってみた動画に限って抜粋すると、
瀬戸美夜子の『ファンサ』
にじサガ(える、リゼ・ヘルエスタ、雪城眞尋、レヴィ・エリファ、相羽ういは、早瀬走)の『徒花ネクロマンシー』
元にじさんじゲーマーズ(叶、赤羽葉子、笹木咲、本間ひまわり、葛葉、魔界ノりりむ、椎名唯華、雪汝、闇夜乃モルル)の『Virtual to LIVE』
を、これまでに制作されているようです。
山神カルタに関わることだと、非公式のにじさんじ周年記念企画動画『【にじさんじ】3周年非公式ショートMV企画』にて、TVアニメ『氷菓』の二番目のOP『未完成ストライド』のメロディーに乗せて、最近コラボ名が決まった「みらるた」が、手を取り合って駆けているシーンの映像編集をご担当されています。
(以下、動画・告知ツイートへのリンク)
~~~~~ ここまでコピペ ~~~~~
今回の歌ってみた動画のMIXを担当されたのは「よしけん」さんです。
(以下、ツイプロページ・YouTubeチャンネルへのリンク、告知ツイート引用)
Twitterのモーメントにて、よしけんさんが制作に関わった歌ってみた動画をまとめてくださっているのですが、Vtuberかどうかという活動形態に関わらず、そして、にじさんじの内外を問わず、関わった歌ってみた動画の数がとても多いと思いました。
その量と告知の頻度を見て、制作スピードの速さに驚かされました。
(以下、Twitterモーメントへのリンク)
Twitterにて「MIX (from:yoshi_kennn)」と検索してみたところ、にじさんじの中に限った話だと、2019年4月に「緑仙」との関わりあったのが初めてだったのかなと思いました。
(以下、告知ツイート引用)
一部にはなってしまいますが、現在に至るまでに、「相羽ういは」「le jouet(緑仙、夢追翔、加賀美ハヤト)」「くれっしぇんど(緑仙、シスター・クレア、ドーラ)」「町田ちま」「健屋花那」「森中花咲」「朝日南アカネ」「白雪巴」「JuvveL(月ノ美兎、竜胆尊、夕陽リリ、本間ひまわり、奈羅花)」などが歌う歌ってみた動画のMIXに関わっていらっしゃって、にじさんじライバーのことを広く追っているリスナーなら必ずよしけんさんがMIXされた楽曲を一曲は聴いているだろう、と思わせられるほどです。
にじさんじ外で言うと、ホロライブの「天音かなた」「星街すいせい」、最近バズって話題になった「酢酸かのん」、あにまーれの「宗谷いちか」の歌ってみた動画にも関わっていらっしゃいます。
個人的な好みの話になってしまって本筋からは大いに脱線してはしまいますが、よしけんさんのYouTubeチャンネルにて、UNISON SQUARE GARDENの『天国と地獄』の演奏動画が投稿されているのを見て、勝手に嬉しくなってしまいました。
(以下、動画へのリンク)
『泡沫未来』を制作したクリエイター
今回の歌ってみた動画で山神さんが歌った『泡沫未来』は、「加賀(ネギシャワーP)」さんが作詞曲し、2021年2月26日、YouTube及びニコニコ動画上にて発表・投稿された楽曲です。
(以下、YouTubeチャンネル・動画へのリンク)
また、この楽曲は、スマートフォンの音ゲー『プロジェクトセカイ カラフルステージ! feat.初音ミク』 (通称『プロセカ』)内でのキャンペーン、第3回 楽曲コンテストプロセカNEXT(募集テーマ「フリー」)において、多数の応募作品の中から見事採用された楽曲です。
(以下、公式からの告知ツイート引用)
『泡沫未来』がこのコンテストで見事選ばれ、採用された際の加賀(ネギシャワーP)さんの気持ち、ゲーム内に実装された際の感想、この曲の歌詞、コード進行、楽曲の制作当時を振り返った記事など、個人ブログページには、この楽曲に関する様々な思いが綴られています。
加賀(ネギシャワーP)さんが制作された他の楽曲についても、色々と語ってくださっている記事がたくさんあるブログページです。
興味がある方は、楽曲と併せてこちらのブログもご覧になってみてはいかがでしょうか。
(以下、個人ブログページへのリンク)
そして、今回の山神さんの歌ってみた動画にも、Twitter上で好意的な反応をしてくれていました。
(以下、ツイート引用)
原作者(原作曲者)から歌ってみた動画に対して好意的な反応がもらえるということが、歌ってみた動画や歌枠など楽曲を使わせてもらう側からすると、何よりも嬉しく喜ばしいことだろう、と想像されます。
山神カルタのリスナーとしても、原作者(原作曲者)がカバーを快く許諾してくれるおかげで今回の歌ってみた動画を聴けているわけで、リスナーの立場でこんなことを言う必要は全くないのかもしれませんが、本当にありがとうございます……!
『泡沫未来』の感想・個人的な解釈
『泡沫未来』の感想と個人的な解釈を書いていきたいと思います。
誠に勝手ではありますが、説明を少しでもわかりやすくするために、原曲MVのスクリーンショットを文章内に掲載し、引用させていただきたいと思います。
何か問題があれば対応いたします。
MVの構成はシンプルです。
水草のようにも見える緑色と青色の色づかいを中心とした風景写真(イラスト?)の一枚絵の背景があり、そこに大きく楽曲タイトル「泡沫未来」の文字と、音楽に合わせて動く円形のオーディオスペクトラムが映し出されながら、曲の展開と共に変わっていく色鮮やかなライティングが印象的で、おしゃれなMVだと思いました。
一番終わり・二番が始まる前の一瞬音が途切れる部分は、音に合わせて映像を切り替えていたりして面白いと思いました。
映像の情報で多くを語らない代わりに、歌詞で語られる一つ一つの言葉により惹きつけられるようなMVだと思いました。
歌詞の中で描かれているストーリー、表現されていることについて、個人的な解釈を交えつつ、書いていきたいと思います。
歌詞の中に出てくる言葉として、個人的に特に印象に残ったのが以下の言葉たちです。
「何千回もcast the dice」
「廻れspeedy cat」
「Disaster! 赤い扉 開いたその先へ」
「賭けてみない?」
「今宵、勝ち取ってゆく」
「盤石なstory そんなものはごめんさ」
「金貨一つで塗り替わるような世界を!」
「dice」は単語の意味そのままで丁半博打のサイコロ、「廻れspeedy cat」は回転する盤の上を球が駆けていくルーレットのイメージ、「赤い扉」はホールへ続くカジノの扉のことを表していると思います。
「赤い扉」「開いたその先」が「Disaster!」(災難・災厄)と言っているのも、勝つか負けるかが否応なしにはっきりする賭け事・勝負の世界の厳しさを表しているようで、個人的に好きな表現です。
「賭けてみない?」「盤石なstory そんなものはごめんさ」「金貨一つで塗り替わるような世界を!」と言っているように、歌詞の中の物語の主体は、不確定で不確実な結果が決まっていない「泡沫」の「未来」へと自ら望んで突っ込んでいくような存在として描かれていると思いました。
良く言うと「積極的」「野心家」「挑戦的」、悪く言うと「向こう見ず」「希望的観測」「ギャンブラー」の性質を表現した存在なのかな、と思うところです。
また、歌詞の中には他にも、
「愛さえも霞むくらい咲かせて」
「擬態したその唇 乾杯は当分お預けね」
「攫ってしまいたい」
とあるように、恋愛や情愛を想起させるようなロマンチックな言葉も並んでいて、ウェットな雰囲気も感じさせてくれると思いました。
「擬態したその唇」の「乾杯」という表現、趣深いな……と思いました。
歌詞全体を通してみると、不確定で不確実な結果が決まっていない「泡沫」の「未来」について、ポジティブなメッセージを発信してくれていると思いました。
「今宵、勝ち取ってゆく 泡沫未来」
「『描いた未来のその先の先へ』」
「戯けて転んで ああ、傷だらけ!」
「そう、未完成のsunshine 全て抱いて さあ、踊ろう!」
「『ねえ、君は一体どこまで行くんだい?』」
「笑い飛ばして 駆け抜けてく未来」
歌詞の中のポジティブなメッセージは、4つ打ち・ピアノ・ブラス・跳ねるようなリズムなどの楽曲の持つ音楽的な要素とマッチしていて、楽曲を聴いて歌詞の意味を読み解いた後に爽快な読後感を与えてくれるものになっている、と個人的には思いました。
原曲リスペクト要素・山神カルタのカバーならではのオリジナル要素・個人的な解釈など
ここからは、章タイトルの通り、
・原曲へのリスペクト要素(原曲と共通する要素)
・山神カルタのカバーならではのオリジナル要素(原曲との相違点)
・個人的な解釈(山神カルタと相対するオレンジ髪の女性は一体何か)
について、書いていこうと思います。
誠に勝手ではありますが、説明を少しでもわかりやすくするために、歌ってみた動画のスクリーンショットを文章内に掲載し、引用させていただきたいと思います。
何か問題があれば対応いたします。
まず、歌ってみた動画のサムネイルと、動画内の楽曲タイトルが現れるシーンに着目したいと思います。
サムネイルには、ピンボケの加工がされたイラストの上に四角い枠線と楽曲タイトルが、
動画内では、黒背景をバックに四角く切り取られた海辺で打ち上がる花火のイラストの上に楽曲タイトルが、映し出されます。
既に原曲MVをご覧になっている方ならわかると思いますが、比較してみると一目瞭然です。
明らかに原曲MVを意識した画面作りで、サムネイル・動画の序盤から既に、本家に倣うリスペクトに富んだ映像になっていることがしっかり感じられると思いました。
1番が終わって2番に差しかかる際の音が一瞬途切れる部分についても、山神さんの方でも画面がぐにゃりと歪む演出になっていて、こちらも同じく本家リスペクトを感じる部分でした。
伴奏を聴き比べるとこちらも一目(耳?)瞭然ですが、山神さんの歌ってみた動画は原曲よりもキーが低いです。
原曲は「E major」で始まって、歌ってみた動画は「C# major」で始まるので、今回のカバーではキーが「-3」されているのがわかります。
前々回の歌ってみた動画『花を唄う』の感想記事にて、山神さんが歌の活動を通じて満足に発することができる最高音の上限が更新されて、歌唱力の向上・自身の成長を実感できている、という話を書きました。
ちなみに今回の歌ってみたでの最高音は「hiF」で、『花を唄う』の時は最高音が「hiF#」。半音違うとはいえこの二つの音はとても近いところにある音で、中々高い音域だと個人的には思います。
原曲キーですと最高音は「hiG#」と更に高く、流石ボカロ楽曲だなというところではありますが、自身の歌いやすさ、満足のいくクオリティが出せる歌唱ができることなど、様々なことを天秤にかけながら、山神さんが楽曲制作の最中に自分が最適な音域で歌えるように工夫していることが伺えるようです。
(なにぶん音楽的なことは素人なもので、間違いがあれば、ぜひコメントにてご指摘いただきたいです。)
ピントが合わずにぼやけている加工がされていますが、サムネイルのイラストをよく見ると、様々な種類の花火が打ち上がっているのがわかって、光の色も花火の形も鮮やかで綺麗だと思いました。
(打ち上げ花火とその種類について、以下「日本煙火協会」HP内の記事へのリンク)
そもそも「花」火と書くように、花火の形は実際に生える花や植物の形に由来するのものが多く、歌ってみた動画の中に花のモチーフ(景物)を多用する山神さんであれば、ここにも何か意味を込めたりしているのかな……?と思うところです。
打ち上げ花火によるサビでの光の演出にも注目したいです。
前章で原曲MVの感想を書いた際に「曲の展開と共に変わっていく色鮮やかなライティングが印象的でおしゃれなMVだ」と書いたのですが、山神さんの歌ってみた動画の方では、原曲の色鮮やかなライティングの演出を「次々に打ち上がる花火の光」によって見事に再現している、と思いました。
これを意図してやったかどうかは直接聞いてみないとわからないことではありますが、意図されたものだとしたら、原曲の「色鮮やかなライティングの演出」から「花火」を連想する発想力の豊かさに感嘆するところです。
さて、山神さんの歌ってみた動画の中で一番のオリジナル要素であり、視聴した方によって解釈が分かれるであろう「オレンジ髪の女性(以下、女性A)」について、個人的な解釈を交えつつ書いていきたいと思います。
私がこの女性Aの姿を最初に確認したのは、山神さんのチャンネルのヘッダー画像が変更されていることに気づいたときでした。
パブサをしたところ、8月に入ってからヘッダー画像が変わっていたことに気づいて呟いていた人がちらほら見受けられたので、7月にはまだ変わっていなかったのかな、と想像されます。
歌ってみた動画内の要素に戻っていきたいと思います。
女性Aは瞳が青く、暗い紺色(ほぼ黒?)のワンピースを着ていて、オレンジ色の毛先だけが黒い髪をしていて、その髪を編み込んで青いリボンで留めています。
動画全体を通して、イラストの構図は3種類あるように見受けられました。
①:イントロ~1番サビ
②:2番Aメロ
③:2番サビからアウトロ
これらを見ると、一緒に映っている山神さんとは対称的な動きをしているように見えますが、ポーズには多少の違いがあり、全ての動きが鏡写しというわけではないようです。
これらのイラストを細部まで注意深く見てみると、色々なことが分かると思います。
女性Aと山神さんの容姿について、二人の服装は非常に似通っています。
それぞれ着ているワンピースは女性Aが紺色で山神さんが白色、それぞれ身に着けているリボンは女性Aが青色で山神さんが白色、瞳の色は女性Aが青色で山神さんがオレンジ色といったように、鏡合わせのような二人の位置取りと同じく、色づかいも対称的であるように見えます。
また、曲が進んでいくにつれて、構図が変わっていく毎に、イラストにも徐々に変化があることがわかります。
女性Aの髪の先の黒色が占める面積が段々大きくなっているように見えたり、着ているワンピースの背中が空くようになったり、最終的には、二人とも肩出しのワンピースに衣装が変わっているのがわかると思います。
(髪色の変化については深読みで、輝く花火に面して立っている女性Aの構図における陰影の問題かもしれません。)
更に個人的に注目したいのは、二人の位置関係です。
構図が①から②に変わる時、また、②から③に変わる際に、二人の位置が空間的に入れ替わっているように見えます。
また、全ての構図において、二人はそれぞれが触れ合うほどの距離に片方の手を置いていて、つかず離れずの状態になっています。
楽曲の歌詞に「全て抱いて さあ、踊ろう!」とあるように、空間的な立ち位置の変化、つかず離れず重なり合うかどうかの手・横に伸びる手の形を見ていると、まるで、輝く花火をバックに女性Aと山神さんの二人が手を取り合いながら踊っているような、そんなイメージが想起させられる、と思いました。
ここまでは表現されている事実の説明で、ここからは勝手に想像を広げた考察()と呼ばれてしまうような、個人的な解釈を書きます。
他人との解釈違いが受け入れられなかったり、私の解釈が自分の中のタブーに触れそうだという気配を察した方は、ブラウザバックするなどして自衛をお願いします。
(この先を見ないで自衛・ブラウザバックできるように、行を空けておきます)
ゴリゴリのメタになりますが、私は女性Aのことを「山神カルタ」の一番近くで「山神カルタ」に訪れる運命と未来を共にする「誰か」だと思いました。
日々ライバー活動に励み、コンテンツを発信し、自分も楽しみながらリスナーのことを楽しませようと工夫し奮闘する、今現在もリアルタイムに「山神カルタ」を形作っている「誰か」です。
女性Aは山神さんと色づかいが対称的で、よく似た容姿・格好・鏡合わせのような動きをしています。
二人は、パソコンやスマートフォンの画面を挟んでリアルの世界とバーチャルの世界が対称的な動きをしているかのようで、まるで運命を共にするように呼吸を合わせながら、手を取り合って踊っているように見えます。
女性Aは、最初こそ露出の少ないワンピースを着ていましたが、曲が進んでイラストの構図が変わるごとに、あたかも羽が生やしても支障がないかのように背中の生地が無くなり、心に纏っていたものがなくなっていくように肩さえも露出し、どんどんオープンな格好になっていきます。
原曲の感想・個人的な解釈を書いた章でも述べましたが、歌詞の中で描かれている主体の特性は、不確定で不確実な未来に「挑戦」する「ギャンブラー」で、曲全体で発信されているメッセージは、結果が決まっていない「泡沫」の「未来」についてのポジティブなメッセージだと思います。
自身の誕生日に投稿された歌ってみた動画を視聴して、動画全体を通じて様々な要素を注意深く見ていったことで、
「山神カルタ」と山神カルタをその一番近くで形作る「誰か」が、「描いた未来のその先の先へ」、手を取り合いながら踊りながら、それが不確定な不確実な「泡沫」の「未来」であっても希望を持って進んでいく
というような、ライバー活動についてのポジティブなメッセージを受け取ったような感じがしました。
この歌ってみた動画は「山神カルタ」のカバー作品として発表されてはいますが、同時に「山神カルタをリアルタイムに形作る誰か」の存在が前面に出たカバー作品でもある、とも考えましたが、そこまで断定して言ってしまうとさすがに妄想が過ぎているかもしれない、と思うところです。
女性Aと山神さんの共通点と変化、曲の発信しているメッセージ性を総合して考えると、今の段階で私が辿り着いた結論は、このようになりました。
「今の段階で」と書いたのにも理由があります。
今回の歌ってみた動画の概要欄の最後には、意味深な文字列が書かれています。
こちらは見たままの意味で、非常にわかりやすいと思います。
この文字列から読み取れるのは、今回の歌ってみた動画は章立て(chapter)されたコンテンツの一部であって、複数の作品が一つにまとまって繋がったシリーズ物として楽しまれる・読まれることがおそらく想定されている、ということです。
章立てされたコンテンツのその最初、「起(first)」が今回の『泡沫未来』だ、ということを伝えてくれる山神さんからのメッセージだと思いました。
「解釈の余地を広げる」「コンテンツの受け手に解釈を委ねる」という点においては、今回の『泡沫未来』も今後発表される作品もそれ単体で解釈が成り立つ作りになっているだろうし、個人の解釈の仕方によってはどうにでもなるとは思います。
ですが、いざ章立てされた創作物全体を通して見た際には、以前の感想・解釈に変化が出ることも十分あり得るかと思います。
だからこそ「今の段階で」の解釈だと書きました。
私は何度も感想記事に書いていますが、山神さんは配信内でたびたび、「歌ってみた動画の制作・発表を通じて自分自身、『山神カルタ』を表現したい」というようなことを述べています。
今までの歌ってみた動画においても、曲の力を借りてカバーすることで、様々な要素を盛り込んで山神カルタのオリジナリティを表現しながら、山神カルタのパーソナリティや個性、様々なメッセージが発信されてきたと思います。
今までの山神さんの歌ってみた動画の発表の仕方や制作スタイルを鑑みると、これからのコンテンツの発信は「山神カルタ」にとっての新たな試みになることはほぼ間違いないと言って良さそうで、結果として出来上がるコンテンツも今までとは何か違ったものになりそうな気がして、非常に楽しみです。
最後に
山神さんが自身の誕生日をお祝いする(お祝いしてもらう)配信内でも、今回の歌ってみた動画のことを振り返ってくれました。
(以下、配信アーカイブへのリンク)
誕生日おめでとうございましたー!🎉🎂🎊
話を聞いてみると、楽曲制作の中で協力してくれるクリエイターの方々への連絡・イメージ共有のために使われる、「お願いしますペーパー」なる、絵コンテのような、仕様書のようなものがあるらしいのです。
あ~~~~~~、めっっっっちゃ見たい…………………………!!
蛇足になりますが、私がこういった感想記事を書くときに考えることに近いことが話されている「岡田斗司夫」さんの切り抜き動画があったので、紹介だけさせてください。
(以下、切り抜き動画へのリンク)
ここで言われていることはまさにテクスト論であり、「作者の伝えたい本当の意図」と「解釈」や「考察」は一致しなくてもよい、作品(テクスト)は一度発表されて世に出たら作者の手を離れる、という考え方を基にした研究手法です。
この動画内でも言われているように、基本的には大学以降の文学研究でよく用いられる手法ですが、私はこれを歌ってみた動画の感想を書く際に用いて、自分の感想をまとまった文章で形にすることで、コンテンツを供給して楽しませてくれた人へ最大限のリアクションを返したい、と思っています。
ただ、Vtuberは存在自体がコンテンツとして扱われている場面がかなり多いので、リスナーの解釈や言葉をそのままぶつけてしまうと双方にとって良くない場合も多々あって、ここには十分な注意と配慮が必要だと思います。
どこまでが妄想の押し付けで、どこからが素晴らしい解釈なのか、ラインは人それぞれ違っていると思うので、私のこの記事が気に食わない人も絶対にいると思います。
そういう方はぜひとも自分の考えを文章に認めたり録音・録画したりして、「私はこう思っているんだ」「私はこのコンテンツをこう楽しんでいるんだ」と、自分の意見・感想を発信してみてほしいと思います。
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