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会ったことないお父さんに会ってみようと思っています

僕にはお父さんがいません。

正確に言うと、もちろん生物学上お父さんは存在するのですが、その存在を認識したことがないです。
僕が0歳の時に両親は離婚をしたらしく、どうやらお母さんの方に引き取られ、僕はいわゆる母子家庭で育ちました。女手ひとつで!というよりは、お母さんは夜の仕事だったため一緒に住んでいるおばあちゃんと一緒にいる時間が長かったです。
どちらかというと貧しめな家庭ではありましたが、それをお父さんがいないからと嘆くことは1ミリもなく、生活に困窮するというレベルではなかったため「うちはもしかするとちょっとよそと違いそうだけど、そんなもんか〜」と子供の頃から感じていました。
むしろ、なぜか小さい頃からよく遊ぶ友達も母子家庭が多かったこともあり、友達のお父さんという存在を通じて「自分にお父さんがいないこと」を考えるタイミングも少なかったんだと思います。

お母さんも、僕にお父さんがいないことで気まずくさせないようにという計らいなのか「お父さんいないジョーク」をかましてくるくらいでした。(例:あんたは川で拾ってきた、あんたお父さんおらんの!?なんでなん!?)

そんなこんなで、特に「お父さんがいない」ことによる直接的なデメリットを感じることもなく、ましてそれによって思い悩むこともなく25歳になりました。

社会に出ても特にそれは変わらず、お父さんがいないことが僕にとっての当たり前であるため、「いない」ことを意識することはもちろん、会うか会わないかという選択肢が浮かぶこともありませんでした。

しかし、先日ふと、
お父さんに会ってみようかな、と思い立ったんです。

あ、ここで2つ言っておきたいことが、

・辛気臭い話をしたいわけではない(前提を話す必要があったので少々辛気臭くなりました!)
・特にこれ以降ドラマチックな展開があるわけではないです(なんと言ってもまだ思い立っただけなので、、)

ということで、この認識のもと、もう少しだけお付き合いください。

で、なんで突然お父さんに会ってみようかと思ったか、
あえて脚色をせずに端的に述べると、
面白そうだからです。

これはもしかすると表現が正しくなく、なんらかの複雑な事情を抱えている方が聞くと不快な気持ちにさせてしまうかもしれないので、少し噛み砕きます。

まず前提として、この「面白そう」には、何かエンタメのコンテンツにしたいだとか茶化したりだとか、そんなYouTuber的な意図は全くありません。
おそらくお父さんには別の家庭があり、そこで幸せを教授している可能性が高いため、僕と会うことが迷惑になってしまってはいけないです。

じゃあ一体何が「面白い」かと言うと、未知の体験によって自身の感情が揺れ動くことです。しかも、おそらくかなり大きい感情の揺れ動きがあることは容易に予想できます。

ここ1.2年、社会に出て自分の弱さを知ってから、たくさん人生や生きること、自分のことについて思考したり行動したりしてきました。
色々分かってきたことがありますが、本質的に大切なのは、「何か」に対して自分がどう感じたか、そこから何を考えるか、に尽きるなぁと感じています。その「何か」は、ネットの情報でも作品でも他人の言動でも、文字通り「何でも」そうで。その営みを通じて、自分の輪郭をはっきりさせていくのが人生なんだろうなぁと現時点では捉えているんです。

だから、人生において、自分の感情を動かす、それもできるだけ振れ幅を大きく動かす時間を増やしていきたい。それはハッピーなことだけでなく、むしろ大概は「苦しさ」や「虚しさ」みたいなものも含まれてくるけど、生きているという実感のためには必要なエッセンスなのだろう。(ちょっとクサい表現ですが)

話を戻すと、触れた記憶もなければ、顔も知らない(一度小さい時に「見た」記憶はあるが、顔そのものは覚えてない)、今どこで何をしているかも知らない「お父さん」という存在との遭遇は、自分のこれまでの人生の中で初めての感情と出会う体験になるのではないか、と思いついてしまったのです。

とはいえ、それでも「会ってみたい」であり「会いたい」ではない。
先にも述べた通り、これは今のところ完全に独りよがりな考えで相手であるお父さんの立場やもっと言うとお母さんの気持ちなどは全く考慮していないため、もし迷惑になるのであれば会うわけにはいかない。
ただ、社会人になる前後くらいでお母さんが「お父さんに会おうと思わんの?」的な話をしてきた覚えがあり、何やら今も連絡先は知っている的なことを言っていた気がします。(本当に記憶が曖昧)
この話を聞いたからこそ今になってふと思い立ったのかもしれません。
会おうと思えば会えるんだなぁ〜、じゃあ会ってみるか!てな具合で。
だから、もしかしたら今は事情が変わっているかもしれないけど、限りなく自分の心持ち次第で会ってみてもいいんだろうなと思っています。

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というのが、この話の現在地点です。

前置きしたように、思い立っただけでまだ何もコトは起きていないし、実現しない可能性もあります。

ただ、やっぱりいざお母さんに切り出すとなったら何て言っていいか分からないし、普通に緊張する。だから、一旦自分の中でも整理して、客観視してみようと思ってつらつらと文章を書いてみました。

家族関連の話って扱いが難しいし、全部は伝わらないと思うので、読んでくださっている方にはフィクションとして「そんな物語があるんだ〜」くらいに思って頂ければ幸いです。

もし同じような境遇で、実際に会ってみた人がいたらお話を聞いてみたいな〜。ただ聞くだけなので、もし良かったらこっそり教えてください。

今後、実際にお父さんに会ってみることがあれば、また何か書きたくなると思うのでお付き合いください。

お父さん、禿げてんのかな〜。


▽以前関連のことを収録で話してた▽






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