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雨女、雨の中で踊る

今週、わたしは英語の名言を探していた。
自作のフォトアルバムに引用する言葉が欲しかったからだ。
その中ではじめて出会ったのが、シンガーソングライターのヴィヴィアン・グリーンさんの言葉だ。

“Life isn’t about waiting for the storm to pass, it’s about learning to dance in the rain.”
人生とは嵐が過ぎるのを待つことではなく、雨の中で踊ることを学ぶことだ。

Vivian Green(ヴィヴィアン・グリーン)

子どもの頃から、大事な日に限って雨が降る人生だった。
いわゆる雨女というものだ。

楽しみにしていた遠足やプールの日が雨になって落ち込むわたしに、両親は「雨がよく降るのは、龍神様に愛されているということだよ」と教えてくれた。
スピリチュアル的なことはよく分からないが、ネガティブな印象しかなかった雨女でも、なんとなく幸運なんだと思って生きてこられたことに感謝している。

夫も、子どもの頃から雨男な人生だったという。

家族旅行や帰省するたびに雨が降るものだから、夫の両親が何度も「〇〇(夫)は雨男だからそのせいだ」と言うのにはかなりモヤモヤしたものだ。

夫婦そろって雨に愛された我々の雨天率はそれはもう凄まじい。 

先述した自作のフォトアルバムというのも、結婚式を挙げなかった代わりに撮ったウエディング写真を形にしたものだ。
わたしたちはロケーション撮影と呼ばれる、開放感ある自然の中で撮るプランを選んだ。
子どもの頃以来の「手作りてるてる坊主」の笑顔も虚しく予想は的中し、当日は朝から雨が降った。

レンタルドレスは雨天着用不可で、外での撮影は自前のワンピースで臨むことになった。

森の中の開けた場所で撮影したのだが、時折、雲の隙間から顔を出した太陽によって、キラキラと光の粒のようになった雨が美しかった。

快晴の空の下で白いウエディングドレスを着て撮影できなかったのはとても残念だが、わたしたちらしい雰囲気の写真になったと思っている。

…なんてね、痩せ我慢です。
2週間前から色々な天気予報サイトを見漁っていたし、当初の予定日も雨で、延期した予備日も雨で絶望したよね。

天候のことはどうしようもないと分かっていても、SNSで友達の綺麗な前撮り写真とか見ると、うぅ…となる自分だっている。

だからこそ、今回いい言葉に出会えたと思える。
雨の中でどう踊るか、その状況をどう楽しむか。
悪い状況が過ぎ去るのを願いながら、体を縮こまらせ続けたとしても、ただ心がすり減るだけだ。自分の力で変えられる範囲は本当に少なくて、良くも悪くも流されながら生きていくしかない。

この言葉を頓服薬のように持ち歩いて、上手に使っていきたいと思う。

これからもきっと雨の記念日を多めに過ごすだろう人生で気をつけたいこと。
それは、天気予報で一喜一憂しないようにすること。
たとえば旅先で見た空が青くても灰色でも、行きたかった場所にいられる喜びを天候に左右されない人でいたい。

雨の中で踊ろう。

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