運、不運、奇から見る人生の生き方
トランプ前米大統領暗殺未遂から
トランプ前大統領が暗殺未遂にあい、一命をとりとめたとき、トランプさんに凄まじい幸運の風が流れているのを感じました。頭を傾けて、少しずれたため奇跡的に助かりました。その後、耳からの出血が見える中、こぶしを振り上げて「元気だ」と聴衆に呼びかける姿を見て、暗殺未遂の演出ではないかと疑われるほどの、インパクトある光景でした。写真の画像は完璧な構図で、これまた奇跡の写真でした。
強いアメリカに必要な強いトランプを最大限にアピールして、バイデン大統領の討論会での発言等の化劣化、弱々しさを際立たせ、大統領選挙はトランプさんの圧勝で決まりかにみえました。
幸運が不運に
ところが、民主党がバイデン大統領を候補から引きずり下ろし、混乱を経ずに、手際よく速やかに、ハリス副大統領を民主党候補に指名し、ハリス旋風をおこし、トランプさんを引き離す世論調査の結果も出ています。
本番の選挙まであと三か月たらずですが、その間、何が起こるかわかりませんので、アメリカ大統領選挙の行方は不明としか言えませんが、ハリス副大統領が当選すれば、暗殺未遂事件で一命をとりとめた幸運は、実はトランプさんの大統領運にとっては不運だったということになります。
競馬に興味
運不運からギャンブルを良く連想しますが、私はギャンブルは負けたときに尾を引くタイプなので、ほとんどしません。ラスベガスに観光旅行に行ったときもホテルの催しや店舗、レストラン、街の様子等を楽しむことで、カジノをしなくても十分、ラスベガスを楽しむことができました。
しかし、ギャンブルの象徴とされる競馬を見ることが好きで、クラシックレースや天皇賞、有馬記念といった重賞レースは時間が許せば、必ずテレビの競馬中継を見ています。
空前の人気馬、ハイセイコー
競馬に興味を持ったのは、ハイセイコーの出現が大きかったようです。ハイセイコーは1972年に地方競馬の大井競馬場でデビューし、いずれも7馬身以上の圧倒的な差をつけて連勝を続け、6連勝後、「地方競馬の怪物」と称され、中央競馬に移籍しました。その後も連勝をし、クラシック初戦の皐月賞を制覇しました。
世間では熱狂的なハイセイコーブームが起こっていました。私も大変注目し、ダービーの前哨戦のNHK杯をテレビ観戦しました。
ゴールまで200mで実況アナウンサーも「ハイセイコー負けるのか」と叫んでいましたが、その後の驚異的な追い上げで1着となりました。私もテレビ画面を見ていて、ハイセイコーの強さに驚嘆しました。
ところが、ダービー、菊花賞ともにタケホープに敗れ、クラシック三冠の内、最初の皐月賞の一冠のみに終わりました。それでもハイセイコーブームは続き、「東京都ハイセイコー様」の宛名だけでハイセイコーの厩舎にファンレターが届くほどの、誰もが知っている競走馬となりました。
1974年には京都競馬場でハイセイコーが出走すると聞き、会社の同僚7,8人とハイセイコーを見にいきました。パドックで、首を何度も振っていたので、興奮しているのか、調子が悪いのか、機嫌が悪いのか心配しましたが、競馬通の人曰く「いつもより落ち着いている」との見立て通り、その日は見事1着になり、ハイセイコーファンから祝福を受けていました。
ハイセイコーの不運、幸運
ハイセイコーはタケホープに重要な対戦で敗れ、運がないように見えますが、それぞれの子供たちを見てみると、ハイセイコーの産駒カツラノハイセイコが父がとれなかったダービーの優勝馬になるなど、重賞馬を複数輩出しているのに対し、タケホープの子供は重賞を制していません。
もちろん、馬は人間のように人気があるから喜んだり、子供が活躍するのを理解したりしているとは思えませんが、馬の一生の運不運を考えて見ると、一概にレースに勝ったから運があるとはいえない気がします。
徳川慶喜は幸運?
例えば、人間の場合でも、第15代将軍徳川慶喜は幸運だったのか不運だったのか、幸せだったのか、不幸だったのかも決められません。
15代続いた江戸幕府を自分の代で終わらせ、大政奉還で権力を渡し、さらには朝敵になったのはとても無念で、残念で、悔しかったでしょう。その思いは私たちには計り知れません。一方、権力をなくした徳川慶喜でしたが、徳川の15人の将軍の中で最も長生きしたのは慶喜で、76歳で亡くなりました。狩猟や鷹狩、絵画、釣りなど多趣味で自転車も乗っており、趣味の世界に没頭していたそうです。
とても幸せな人生だったかも知れません。なぜなら、前の将軍の家持や孝明天皇らは若くして急死し、慶喜との戦いで勝った、坂本龍馬や大久保利通らは暗殺され、西郷隆盛も非業の死を遂げているからです。
金メダルは幸運?
こういった例は数えればきりがありません。
オリンピックで金メダルをとった人やメダリストは成功者、運がいい人、ラッキーな人と見られますが、女子フィギアスケート選手で一番に名前があがるのが、銀メダリストの浅田真央選手、男子マラソンはオリンピック4位の瀬古利彦選手です。
浅田選手は金メダルを、瀬古選手はメダルをとれませんですが、彼らの知名度はそれぞれの競技でナンバー1です。
もちろん長命が幸せ、知名度が高いのが幸せとは言い切れませんが、計る尺度が異なると、ナンバー1も違ってきます。
何が運不運で、何が幸不幸、誰がナンバー1かを考えていくと、上記のような不思議な面白い現象に出会います。映画を、ドラマを、芝居を、小説を、物語を見るように見ていればいいですが、現実社会において、決めつけていくと苦しくなります。
事実は小説よりも奇なり
「事実は小説よりも奇なり」といいますが、アメリカ大統領選挙の現在の状況やハイセイコーが競走馬の中で飛びぬけた人気馬になったのも「奇」です。
ハイセイコーはクラシック三冠の一つをとったにすぎません。日本の競馬史上、皐月賞、ダービー、菊花賞のいずれも優勝したのはシンザンやディープインパクトなど7頭いますが、人気とともに、日本社会に最もインパクトを与えたのはハイセイコーです。
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私は現在74歳ですが、青臭いといわれます。個性だと思います、長所であり、短所です。この青臭さと、私だけが歩んできた73年の経験、体験をもと…
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