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絵本「くまの子ウーフ」が教えてくれる心

我が家の子供達(中学のお兄さん以外ですが)は
「くまの子ウーフ」(作者 神沢利子)の児童書が大好きである。
絵本もシリーズで沢山出てるけど、うちは文字だけの本を読み聞かせし、子供達の想像を膨らませてあげる。

親視点では、一つ一つの話がコンパクトで、読み聞かせには丁度よい。
お話はウーフの素朴な疑問や好奇心から始まる。いろいろな冒険をし、最後はいつもお家に帰って、ママやパパが登場する。子供時代の日常を感じられ、私もほのぼのとしてしまう。

子供達が特に気に入っているお話は
「ちょうちょだけになぜなくの」
これを読むとゲラゲラ笑う。
要約すると、
ウーフがお部屋に入ってきた青い綺麗な蝶を見つける。それを捕まえようて試行錯誤しているうちに、窓に挟まって死んでしまう。涙が止まらないウーフ。外にお墓をつくり、土に埋めても泣きやまない。
お友達のミミちゃんが慰めてくれるが、もう1人のお友達のツネタがこう言う。
この前、トンボ捕まえて羽もげて死んだけど、お前泣かなかった、なぜ?
続けて、こないだおしりでてんとう虫潰したけど、ハハハって笑ってた、なぜ?と。
ウーフはひたすら「知らない」と言い返し、涙は止まらない。
最後、ミミちゃんがお墓に備えた飴玉に蟻がたくさんたかるんだけど、ウーフはそれを口に入れる。
口の中で、助けてくれー、戸をあけてくれーと小さな声がした気がして、涙の目をまるくする。
終わり

途中のツネタの鋭いツッコミに子供達は大ウケ。
私は何度も読まされる。
でも、この話、命というものの存在を考えさせてくれる絶妙なお話と思う。
皆、命への接し方、考え方はそれぞれで、ウーフは青い蝶には泣いたけど、同じ生き物のトンボやてんとう虫には泣かない、なんでだろう。それって、大人も考えさせられる。
自分の思い入れのあるものとの別れは悲しい。だけど全部の命を気にしていたら、生きてはいけない。
でも、命の重さはみな一緒ということ、そういう中で私達は生かされている、日々生きていられるのは、命をいただいてるからだ。

真面目な感想にはなってしまったが、
子供達はもちろん命のことなんて、まだ深くは考えれないし、それでいい。蝶だけに泣く、そんなウーフが大好きなのである。

いじょう!

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