終の住処

今回は死について話したい。安楽死問題や生命倫理を議論する時、死を選ぶという議論になる。皆、ベッドで死にたい、安らかに眠りたいなどがオーソドックスな意見として散見される。しかし私はこれに疑問を持つようになった。明日交通事故に遭うかもしれないし、大型犬に噛まれるかもしれない、よって死を選ぶというのは贅沢すぎる意見なのだ。日本人はみんな病院のベッドで死ぬという錯覚を起こしている。これは大きな間違いである。死ぬということは誰にでも起きることで贅沢などできないのが真実なのである。だから安楽死は自分で生命を操れる、贅沢すぎる嗜好品みたいものである。しかも近年のドラマや映画の影響により病院のベッドで死ぬことが1番良いとされる風潮にも疑念を感じる。元来人間は家で生まれ家で死ぬのである。この原則に基づくと、やはり終の住処、自分の家で死ぬことが1番の贅沢な死に方と言えるだろう。

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