窮地を救ってくれた看護師さんの言葉
※過去記事のリポストです。
こんにちは、おかゆです。
生まれて初めての妊娠が流産に終わった時、流産後に何とか立ち直って挑んだ3回目の移植が陰性だった時、そして、これまでの数々の検査の結果を経て万全な状態で挑んだ4回目の移植がかすりもせず陰性に終わった時、この時は本当にメンタルが崩壊寸前でした。
何とかクリニックの待合室では泣かないように心がけていましたが、ふと油断すると自分で「悲しい」と認識する前に、涙が溢れてしまう、そんな状態でした。
どの時だったか、旦那さんも付き添いしてもらって先生と3人での診察室での話が終わって、待合室に歩いていく細い通路の途中で、旦那さんの後を歩いていた私が、涙を堪えきれず、声を出さずに大泣きしてしまったことがありました。
その状況を後ろから看護師さんが発見してくれて、肩をそっと叩いて、速やかに別室の個室に案内してくれました。
そして「ここでなら周りを気にせず、泣けます。辛い時は、涙を出した方がいいです。後でご主人呼んできますね。」と声をかけて下さいました。
人の優しさに触れると、さらに涙が溢れてきて、もう感情もぐちゃぐちゃになり、気の済むまで泣きました。
救われました。
これまで29年間生きてきて、もちろん良い人にも沢山出会えましたが、中には人として信頼できなかったり、理解が難しい人もいて、私の中での性善説は崩れていました。
心のどこかで「どうせ他人は他人」と、自分が信頼する人以外の他人を簡単に信じることへの怖さを感じていました。
でも、この時の看護師さんの言葉は、赤の他人の私に対して向けられている、人が持つ、本当の温もりのような気がして、凍っていた心が溶かされるような気持ちにもなりました。
私の通っているクリニックには、本当に心優しい、良い意味で人間味のある、看護師さんや、先生が沢山います。
生殖医療関係者だからこそ、毎日精神的に患者さんを支えなければならない分、本当に大変な仕事だとは思いますが、事務的にではなく、いち人間として、仕事されている方が多いような気がして。
それが私が転院せずに、最後の治療ももう一度ここで頑張ってみよう、と思った理由なのかもしれません。
もちろん考え方によっては、4回移植して結果が出ていない時点で、転院することなく、まだ治療することはナンセンスなのかもしれません。少し前の私ならそう考えたかもしれないです。
でも、不妊治療を続けるうちに、不妊治療には論理的に説明できない部分が沢山あることに気付きました。
治療に臨むモチベーションもそうです。モチベーションには感情が大きく関わるからこそ、それと対極にある論理的思考が通用しないのだろうなと、そんな風に思います。
シンプルに今は、この病院で私たちを支えてくれた先生、看護師さんに「クリニック卒業」という形で恩返しがしたい、と、夫婦2人とも思っています。そしてそのためにも、治療をもう少し頑張ろう、と思えるのです。
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