見出し画像

たのしみに待つということ

朝、目が覚めて外を見たら晴れ。
もう一度寝てもいいけど、せっかくなので、散歩に出かけてみました。

小鳥の声。
耳を澄ますと木々の葉っぱが擦れる音も聞こえてきます。
この街は、わたしの他はまだ誰も起きていないみたいです。


それにしても夏の緑はなんと鮮やかなんでしょうか。
見る度に生命力が溢れてくるみたいです。
手を空にグーっと伸ばして、靴の裏から伝わる地面の凸凹を感じながら歩いていると、川辺に見慣れない木と出会いました。



何の花だと思いますか?




ナツメのお花です。
小粒なお花は、緑色の小粒な実をつけ始めていました。
8月の終わりごろには実はもう少し大きく赤くなって食べられるんだそうです。

へえ、これが。
中華食材のお店でビニール袋にギュウギュウに詰められた乾燥ナツメ。
養命酒のサイトによると葛根湯や薬膳に使われている人間との付き合いが長い植物でした。

ふと、昔食べたおにぎりのことを思い出しました。
一見、うっすら塩をまぶした普通の小ぶりな俵形のおにぎり。
でも、不思議なおにぎりなんです。


わたしは大学院を卒業した後、京都でしばらく友達と作品制作していました。
アトリエのお隣さんは、ご夫婦で営まれている小さな家庭料理のお店。
おかみさんは、夜お店を閉めた後、たまに残ったご飯でおにぎりを作って持ってきてくれました。
俵形のおにぎりをひとり2こずつ。
もらっておきながら失礼なんですが、これだけか足りないなぁという量でした。

でも、本当に不思議なのが、食べてみると、たった2こで満腹になるんです。
心が満たされるというか、他のものがいらなくなる。
それで、食事って体の栄養の他にも心の栄養ってあるんだなと知りました。



青リンゴのような味がするといわれるナツメの実。
名前を呼ぶと、食べたことないのに、なぜか暖かく懐かしい気持ちがしてきます。
この小さな実は、昔からたくさんの人間に食べられてきたことを思うと、心の栄養という言葉が浮かびます。


では、またね。


いつも読んでくれて、ありがとうございます。
ごきげんよう。





この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?