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光の物語

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中近世ヨーロッパの架空の国が舞台。隣国リーヴェニアから嫁いできた王女・アルメリーアと、王子ディアルの物語。政略結婚の相手として出会った二人は、互いの立場を自覚しつつも芽生えた恋を…
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小説「光の物語」 目次

小説「光の物語」の目次と、各話の一言あらすじです。 💕があるものはラブいシーンあり😍 先読…

おやつ庵
2年前
3

小説「光の物語」第122話 〜王都 8 〜

「ブルゲンフェルトの姉に手紙を送ってみたけれど、まだ返事は来ないようね・・・」 自室で侍…

おやつ庵
1か月前
2

小説「光の物語」第121話 〜王都 7 〜

夜会の翌日、ナターリエは修道院の居間でテレーザと話し込んでいた。 前日にマティアスから言…

おやつ庵
1か月前

小説「光の物語」第120話 〜王都 6 〜 

ディアルはダンスフロアの中央をゆっくりと横切り、ナターリエと踊る若者の肩を軽く叩いた。 …

おやつ庵
1か月前
1

小説「光の物語」第119話 〜王都 5 〜

「彼女をどう思います?」 ダンスの開始と共に人々はなんとなく散り散りになり、マティアスは…

おやつ庵
1か月前
1

小説「光の物語」第118話 〜王都 4 〜

その夜は夜会が開かれ、宴のはじめにはマティアスの功績を讃える場が設けられた。 マティアス…

おやつ庵
1か月前

小説「光の物語」第117話 〜王都 3 〜

「マティアス様・・・」 久しぶりに会うナターリエは、マティアスの記憶にあった目立たない少女とはまるで違っていた。 以前の彼女はいつも暗い色のドレスを着て、髪形も飾りもどちらかといえば地味だった。 だが今は装うことを楽しんでいるようで、その効果は絶大だ。 白に近いクリーム色のドレスは彼女のきれいに結った黒髪をひきたたせ、その肌を飾る宝石とともに上品な色香を放っている。 なにより彼女の表情には再会の喜びが溢れ、その事実は彼の心を芯からなごませた。 「・・・お元気そうですね。それ

小説「光の物語」第116話 〜王都 2 〜

「流行病の対応、実によくやってくれた、マティアス」 「陛下からのお褒めのお言葉、光栄の至…

おやつ庵
1か月前
4

小説「光の物語」第115話 〜王都 1 〜

「一時は危なかったのですが、なんとか持ち直してくれました・・・」 春めいてきたある日、久…

おやつ庵
1か月前
1

小説「光の物語」第114話 〜手紙 12 〜

部屋に戻ったマティアスはひとり苦笑した。 まさかあの子供たちが自分とナターリエをくっつけ…

おやつ庵
2か月前

小説「光の物語」第113話 〜手紙 11 〜

「臨時の診療所はもう閉鎖できそうだな」 マティアスはシエーヌ各地から届いた報告書に目を通…

おやつ庵
2か月前

小説「光の物語」第112話 〜手紙 10 〜

「少し具合が悪いと言って、母上は部屋に戻ったんだ。それきり二度と会えなかった」 ディアル…

おやつ庵
2か月前
2

小説「光の物語」第111話 〜手紙 9 〜

国王とディアルは各地方からの報告書に目を通していた。 この冬の流行病は下火になりつつある…

おやつ庵
2か月前

小説「光の物語」第110話 〜手紙 8 〜

ナターリエは修道院附属の慈善病院を手伝っていた。 流行病の患者が多く、看護人だけでは手が回らなくなっていたからだ。 とはいえ、女伯爵である彼女が病をもらうようなことがあってはならない。 そのため彼女は修道院内にとどまり、日々運ばれてくる患者たちの記録を整理していた。 「一時期に比べると少しは落ち着いてきたかしら」 修道院の一室で書類を整理するナターリエはほっと息をつく。 「ええ、そのようですわね。新しい記録が減ってきましたもの」 彼女を手伝うテレーザも安堵の表情を浮かべた。