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2024.04.13. ドイツ議会「自己決定法案」可決、性別変更が簡易化
ドイツ議会で12日(金)、法的性別とファーストネームの変更手続きを簡易化する「自己決定法案」(Selbstbestimmungsgesetz)が可決。
新法案の下では、トランスジェンダー、インターセックス、ノンバイナリーの18歳以上の人々が、これまで必要であった専門家の診断書や裁判所の決定などを提示することなく、戸籍役場での申告のみで法的性別と名前を変更できる。
14歳までの未成年者については、保護者が変更申告書を提出しなければならない。14歳からは、未成年者自身が変更を申請できるが、保護者の同意が必要となる。保護者がこれに反対する場合は、家庭裁判所が決定する。
この法律は、オラフ・ショルツ首相の連立政権(社会民主党(SPD)、自由民主党(FDP)、緑の党(GRÜNE))と左派党(DIE LINKE)の支持を受け、最終的に賛成374、反対251、棄権11で可決された。
これに伴い、1980年より施行されたいわゆる「トランスセクシュアル法(Transsexuellengesetz)」は廃止される。
新法案へ賛成派の意見と、懸念を示す反対派の意見をそれぞれ一部紹介します。
【賛成派の意見】
トランスジェンダーの人々は、自分自身でいるためだけに「トランスセクシュアル法」のような非人道的なハードルに耐えなくてはなりませんでした。… この法案によって我々は自己決定的な社会への大きな第一歩を踏み出しました(GRÜNE, Nyke Slawik)
この法案は誰かから何かを奪うようなものではなく、不当を取り除くものです。… 子供たちや若者も、大人と同じように自由に自己を表現する権利があり、その中には、ジェンダーアイデンティティも含まれます。そのため我々は未成年者を意図的に法案に入れました。… 社会は、個々人の最も個人的な決定を非難するのではなく、すべての人を受け入れる必要があります。(Anke Hennig, SPD)
【反対派の意見】
トランスジェンダーの人々が性別変更をする方法を簡素化する必要があることには同意します。しかし、この法案では、動機を問わずに誰もが性別を無条件で変更できるようになってしまいます。… 最も重大なのは、児童・青少年に対する国家の保護機能が軽視されることです。未成年者が適切な助言を受けずに性急に選択し、後々後悔するリスクを看過することになります。(Mareike Lotte Wulf, CDU/CSU)
この法案はもし子供や青少年への具体的な危険がなければ、単に茶化すべきものでしょう。現在のトランス人気は、トランス過激派が抱かせる「思春期の課題や様々な問題を性別変更で解決できる」という印象に起因しています。その結果、子供たちは絶望的な状況に追い込まれています。… すでにドイツでは、2007年から2021年にかけて、15歳から25歳での性別適合手術件数が17倍に増加しており、この法案はさらにその傾向を無責任に後押しすることになります。これは、連立政権による青少年への危険行為そのものです。様々な個人的危機に直面する若者を支援するには、単に性同一性障害と判断して書類を変更するのではなく、真摯な支援を提供する必要があります。(Martin Reichardt, AfD)
情報源および参考資料:
https://www.tagesschau.de/multimedia/sendung/tagesschau_20_uhr
https://www.jase.faje.or.jp/jigyo/journal/seikyoiku_journal_201906.pdf
https://www.bundestag.de/dokumente/textarchiv/2024/kw15-de-geschlechtseintrag-997406
https://www.dw.com/en/gender-identity-law-passes-in-german-parliament/a-68800054
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