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夜の新宿バルト9シアター9で


『THE DEAD DON'T DIE』を観た。

さあ電車で、新宿へ向かおう。最寄り駅に着いた時点で19時13分。上映は19時50分。急げ。改札の表示で次の電車は19時13分。乗れないかもな。小走りでホームへと向かったら電車が1分遅延しており、無事新宿へと向かうことができてラッキー。新宿駅に着いて、バルト9へ。久しぶりに新宿へ来たので最短ルートを忘れてしまった。19時43分、マルイの1階へ到着。暑い。梅雨はどこへいったのよ。発券機でQRコードをかざす。事前に買っておいてよかった。ありがとう昼間の私。急いでシアター9へ向かう。売店で何か買いたかったけど、レジ前の列を見て諦めた。

ジム・ジャームッシュ、ジムジャームッシュ、ジムジャ〜ムッシュ
なんとも響きが良くて、映画のこと、全然知らないのに口に出したくなる名前だ。ちょっと知ったかぶりをして、彼の名前を言いたい。
彼の作品との出会いは2015年に観た『コーヒー&シガレッツ』これは長くなるので割愛。

さて、本題の『THE DEAD DON'T DIE』について。所謂ゾンビ映画として告知されており、ジム・ジャームッシュが、ゾンビ映画…?と予告編を初めて観た時、わたしは思った。そして、観るかどうかも迷った。何故ならホラー映画が苦手だから。なぜ2時間も怖い思いをしなきゃならんのだ…映画を観たその日の夢はハッピーだと保証してくれるのか?と個人的には思っている。そんなことはどうでも良くて、何せこの『THE DEAD DON'T DIE』が私の人生初ゾンビ映画なのだ。ゾンビ、ゾンビ?ゾンビって何?世間のゾンビの共通認識を知らない。噛まれるとゾンビになることくらいは知っているけど。
まあとにかく、私は観たわけです。新宿へ行き、この映画を観たわけです。

「人生薔薇色未来は真っ暗」

この映画の超主観的感想。私は批評なんてそんな大そうな事は出来ないので自分の思ったことしか言いません。なので間違っているかもしれません。だけど良いんです。映画を観た私の感想だから。ジム・ジャームッシュ、あらまあ悲観的ね、とエンドロールで私は思ったよ。でもさ、あの3人のキッズを殺さなかったのは、これからの未来への希望なんでしょ?私はそう思ってるよ。超面白いわけではないけど、嫌いじゃない。憎いね、ジム・ジャームッシュ。

映画が終わって、新宿の街へ出る。映画館はさ、超日常を体験させてくれるアトラクションなのよ。どこへでも行ける。アトラクションに乗った後は、日常が輝く。最高の場所だよね。良い映画を観た後の、街へ出る瞬間が1番好きだ。その中でも新宿シネマカリテの階段を登る瞬間が良い。あれを知ってしまうともう、ダメだ。ゾンビ映画を観てしまった、コロナでいつもより人の少ない新宿、金曜日。少し退廃的な道を通ると先ほど見た映画を思い出す。歩いて帰ろう。Apple Musicで"the dead don't die"と検索する。ゾンビの手が写ったアートワークが出てきたので、タップして聴く。ビル・マーレイとアダム・ドライバー(大好き)の声と共に歩く。途中のファミマでアイスコーヒーMサイズを買ってこの文章を書きながらとぼとぼと帰る。今夜は絶対にハッピーな夢を見たい。



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