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自分らしく生きる

「歌って踊れる看護師になりたいです」
これは私が看護学校の卒業文集の
「どんな看護師になりたいか」
という質問に対して実際に書いた答えです。

中学3年生の時に私は不登校でした。
両親は離婚するしないで
毎日のように暴力的な喧嘩をしていて、
精神的にも肉体的にも辛かった矢先に
腎臓を悪くして長期入院生活を
送ることになってしまいました。

将来の事も考えられず、進学?就職?
私には現実的に物事を見て
考えることも難しい状況でした。
入院と同時に病院の学校に
転校することになりました。

命に関わる病気の人、
一生治ることのない病気の人、
後遺症や障がいを持っている人、
みんな私と同じ位の
年齢の子ばかりでした。

親から離れ、病気と向き合い、
それでも将来のことを考え
明るく前を向いている姿をみて、
自分にもこんな力が
あるのかも知れないと
気づいた瞬間でした。
この時、私は将来看護師に
なろうと思ったのです。

夢に胸膨らまして看護学校に入学し、
念願叶って看護師として
働き始めました。

働いて1日目で私は看護師として
働くことの厳しさ、難しさ、
上下関係などを感じ取り、
心は萎縮して「歌って踊れる看護師」
というフレーズは何処かに
行ってしまいました。

あれから今日まで30年が過ぎて
ようやく思い出すことができたのです。

「歌って踊れる看護師」とは、
看護師という職業に対する社会の概念、
多くの人が思うイメージに縛られたくない、
自分らしい看護師になりたい、
そんな気持ちから思いついた
言葉だったように思います。

30年前の私に「あの時の気持ち、
本当に大切だね、今は歌って踊れる人生、
私らしい人生を目指しているよ」
そう伝えたいです。

生きていくことは、大変なことも
実際にたくさんありますが、
それと同じくらいに
喜びも感じることができます。
大変とか辛いとか、悲しいと思う経験は、
「親の時間」で聞いてもらうことで
人生の障害にはならないから、
また次に進んでいける。

誰かにどう思われるか悩むよりも、
自分がどう生きていきたいかと
考える方が遥かに幸せに生きられる。

あの時に感じた、自分の感覚を取り戻し
自分の人生を自分らしく生きたいです。

としみ

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