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653.キミの心

保育園が始まって、まずは慣らし保育。

月曜日は2時間。

初めての保育園に不安そうにしたり、泣くこともなく、キミはコップ一杯のミルクをクイッと飲み干して、普通に遊んでいたみたいで。

こんなものかと思った。

周りの子の多くが泣いていても、一緒に泣くこともなくマイペース。

そんなキミの様子に、大物かよと笑ったんだ。


火曜日は4時間。

前日の様子から昼食を終えるまでいても大丈夫そうだということになった。

案の定、キミは泣くでもなく普通に遊んで、普通に食事をしていたそうだ。

だけど迎えに来たママの顔をみて、初めて泣いたんだ。

それを聞いた時に「ああ、なんて自分はバカなんだ」って思ったよ。

不安だったんだろうなぁって。まだ一歳だし、いきなり知らないところに長時間いたら、気持ちが驚いちゃうよなぁ。

大物だなんて都合のいい解釈して笑って、本当にごめんな。

そう思った。


水曜日は6時間。

ママが迎えに来るまで泣かなかったのなら、お昼寝してしまえば6時間くらいいけるんじゃないか、という判断なのか。

少し短縮されたスケジュールでの慣らし保育のため、キミの負担を思うと申し訳ない気持ちでいっぱいだった。

予想通りというか、朝にキミを保育園まで連れていくと、早々に先生方にバイバイをして帰ろうとしていた。

このまま置いていかれると、暫くは保育園で過ごすってことを、ちゃんと理解しているんだろう。

だから嫌がって当たり前だったけど、キミは少しだけ嫌がった後に、思いのほかあっさりと受け入れてくれた。

その後に泣いたのかなと思ったけど、キミは泣かなかったんだ。

いつも通りに遊んで、お昼ご飯を食べて、オヤツを食べて、けどお昼寝は出来なくて。

そして迎えに来たママの顔を見てから、また泣いたんだ。

でもすぐに泣き止んで、笑いながら帰路についた。


木曜日は9時間。

たった4日目にして、慣らし保育ではなくなった。

朝も特に嫌がることなく、キミは保育園に残ってくれた。

連絡帳で様子を確認する限り、キミはちゃんと遊んで、ご飯を食べて、お昼寝は出来ずにいるけど、泣くことはないみたいだった。

だけどママが迎えに行くと、キミはすぐに表情をクシャッとさせて泣いてしまうけど、すぐに泣き止んで、また笑って帰路につくんだそうだ。

その小さな体の奥、まだ小さなキミの心に、一体どれだけの寂しさを与えてしまっているんだろう。

後付けの理由はいくらでも出てくるし、キミのためでもあるなんて言葉もたくさん頭の中を巡るけど、それが寂しさの埋め合わせになるわけじゃない。

だから最近、パパは毎日思うんだ。

キミも一緒に日々を頑張ってくれてるんだなって。


金曜日も9時間。

それでも朝になって保育園に連れていっても、キミは嫌がる様子をあまりみせなかった。

保育園自体が嫌なわけじゃないんだろう。

先生も良い人そうだし、同じ年頃の子がいっぱいいるし、美味しいご飯だって出てくるんだから。

ただ、寂しかったり不安だったりするんだろう。

生まれて初めて、自分が個であることを何となくでも感じたら、やっぱり誰でも不安になるし怖くもなる。

でもだからこそ、寂しさを知ることができて、それが糧にもなるんだろう。

何ていえば、やっぱり親のエゴのようで嫌だけど。

この日も迎えに来たママの顔をみて、キミは泣いた。


土曜日は24時間。

ママが仕事ということで、今日はパパが24時間キミをみようと思う。

とにかく我が儘をきいたり、キミのやりたいようにやらせたり、一緒に遊んだり、笑ったり、出掛けたり、泥だらけになったり。

そんなことをしてきた。

いまキミはようやくお昼寝といったところで、隣でスースーと寝息を立てている。何とも可愛い。

できれば書き終えるまで起きないでくれたらなぁ、と思う。

思うけど、願ったりはしない。

今週頑張ったキミへのご褒美には、まだまだ足りてないと思うから。

どうかキミの心が、今日と明日のうちに幸せで満たされてくれればと願う。

それで来週の寂しさを吹き飛ばしてくれるなら、公園で走り回るキミに合わせてベビーカー片手に走らされたって、何十回と繰り返し滑り台をせがまれたって、そんなこと苦にもならない。

そんな風に心から思うよ。


と、キミの保育園が始まった時は、こんな具合だったんだよ。

パパもママも同じように、怒濤のようだし、悩むことも沢山あるし、物凄く大変だったりするけど、キミの成長に幸せを感じてるよ。

大変だけど、最高に幸せな2022年4月の話でした。

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