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発達障害の私が逮捕された話⑧

前回の記事では、弁護士との面会やその後の展開について詳しくお話ししました。今回は、取り調べの詳細、三人部屋での生活、そして二回目の裁判所での出来事についてお話しします。

警官との取り調べは身上調書も終わり、検察に提出する調書を取っていました。否認や黙秘をしなかったのでスムーズに進みました。ただ、弁護士から「警官の言う通りになんでも返事していると誘導される場合があるので気を付けてください」と言われていたので、それを意識していました。冷静に事実だけを答えるように心掛けました。弁護士に言われた通り、質問に対して短く正確に答えました。


その夜、もう一人若い男性が同じ部屋になり三人部屋になりました。


「なんか毎日弁護士来られてますよね?いいなーって思ってみてました」と若い男性が言いました。


毎日面会室に行く所を見られていたようです。他の収容者の弁護士は毎日来ず、さらに約束も守らない人が多い中、私の担当弁護士は毎日きてくださり本当に恵まれていると感じました。


弁護士の訪問は、私にとって大きな精神的な支えでした。彼の訪問がある度に、自分が孤立していないことを感じられました。弁護士が来る時間が近づくと、心の中に少しずつ安心感が広がり、また頑張ろうという気持ちが湧いてきました。彼との会話は、私にとって希望の光でした。


翌日か翌々日、調書が終わり検察に送ることを告げられました。


翌日、同部屋の三人同時に裁判所に向かいました。いくつかの警察署をまわり、裁判所に到着。いつもの牢屋の待合で他の警察署から来た収容者と会話しました。収容者同士が、意外なつながりを持っていることに驚かされました。彼らの会話は、まるで秘密のネットワークが存在するかのように感じさせられました。


そして検事に呼ばれました。いつもの厳格な雰囲気で、ここでは略式起訴及び罰金刑について話をされました。


「何か言いたいことはありますか?」と聞かれたので、今回多大な迷惑をいろんな方にかけたことを謝罪しました。


検事の部屋を後にし、裁判所の牢屋に戻りました。他の収容者も検事の取り調べが終わり、それぞれの警察署に戻っていきました。


夜に弁護士が来て、数日後にまた裁判所に行き、刑の言い渡しを行い釈放される流れになることを聞きました。


「釈放された場合、我々弁護士には各機関から連絡はこないので電話で連絡くださいね。そしてあなたは今回のことを非常に反省している。多くの人を見てきましたが、あなたは非常にまじめで真摯にこの事柄に向き合っている。立ち直ってこれからの人生頑張ってください。私たちと会う機会はないほうがいいですが、また何かあればよろしくお願いします。元気で」と激励をもらいました。


弁護士の言葉は、まるで背中を押されるような感じがしました。彼の言葉に支えられ、自分の未来に対する希望を再び持つことができました。


ありがとうございました。


私もこの闇の中で頼りになったことなどお礼を言い、面会室を後にしました。



次回、裁判所、そして釈放。

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