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発達障害の私が逮捕された話⑦

前回の記事では、弁護士との面会やその後の展開について詳しくお話ししました。今回は、弁護士がどのように示談交渉を進め、その結果がどのように私の運命を左右したのかを詳しくお伝えします。


週明け、また警官の取り調べが始まりました。ただ本日からは身上調書と呼ばれる私の出自及び過去の内容になり非常に長くなるため、別の記事にしますのでここでは省略します。


取り調べは一日中行われました。


その夜も、弁護士が面会に来てくれました。


「被害者と連絡がとれました。ただ、直接会って話すのは自身の判断ではできかねます、と仰っていたので後日私に連絡があるようです」とY弁護士が言いました。


一瞬、頭に予感がよぎりました。おそらく弁護士と私は同じことを考えていたのだと思います。


この日の面会はすぐに終了しました。ただ、弁護士は「留置所内で本何読んでる?」などと日常会話を混ぜてくれ、それが本当に気を使ってくれているのだと感じて気持ちが楽になりました。


翌日も取り調べが一日中行われました。夜になると弁護士が再び訪れました。


「被害者から連絡がありました。この日時でこの場所で会う約束ができました。ただ…」


次の言葉は予想できました。被害者がある条件を提示してきたのです。


「なぜその条件を出してきたかわかりますか?」


おそらくこうだろうという予想はつきました。臨機応変な対応が苦手な私は、常に先を読んで行動する癖がついていました。そのせいか、人の行動が予測できることが多かった。直感や予感とも言えるかもしれません。弁護士に予想を伝えました。


「ふむ、わかりました。とりあえず被害者と会ってきますね。」


あとは弁護士の方に任せるしかありません。お願いします、と言いその日は終わりました。


数日後、弁護士が面会に来ました。


「示談交渉決裂しました。」


恐らくそうなるだろうと思っていたので動揺はありませんでした。


「でもすごいね、言った通りのことを言ってきたよ。」


私の予想通り、この人はこう言うだろう、こんなことを言ってくるだろう。ほぼ当たっていたようです。

「またお母さんとも会ってきました。あなたがここで踏ん張っているので、お母さんも頑張ってくださいと声をかけました。そして、できれば面会に行ってあげてくださいと。」


本当に優しい人だと思いました。



面会室を後にし、留置所に戻りました。


「どうだった?」


昨夜あたりから二人で一部屋の同部屋になりました。同部屋は年配の男性です。


無理だったと伝えました。


「そうか。」


相部屋になったことで気持ちは幾分マシでした。また、年配の男性はいびきがすごかった。ただ、そのいびきが日常に戻されつつあることを感じ、なんだか嬉しかった。



次回は二人から三人の相部屋、二回目の裁判所のことを書こうと思います。

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