マガジンのカバー画像

short storys

12
this is your story
運営しているクリエイター

記事一覧

羊のいる学校【ショートショート】

「のんびりとほがらかに」 正門にかかった横断幕は、そっくりそのまま、わたしの通う小学校を…

紬糸
4年前
189

【創作小説】GIFT 4話

ご飯をちっとも食べてくれない人に、どうやって食べてもらったらいいのだろう。 野菜も、魚も…

紬糸
4年前
11

【創作小説】GIFT 3話

リビングのソファー。背の低い二人掛け。 一人で眠る凜子さんは、窮屈そうに膝を抱えて、床に…

紬糸
4年前
13

【創作小説】G I F T 2話

夜になると、バーGIFTに凛子さんを迎えにいく。 凛子さんはたいてい酔っ払っていて、何をどれ…

紬糸
4年前
12

【創作小説】GIFT 1話

「君はさ、人が何でお酒を飲むんだと思う?」  凜子さんは、今日もひどく酔っている。濃いア…

紬糸
4年前
15

メロンパンとチョコボール【ショートショート】

少年には好きな人がいた。 駅前の、あのしゃんとしたスーツを来た大人の人たちが、にこにこし…

紬糸
4年前
19

【短編小説】次の駅で③

 「まだ電車も動いてないですけれど……。喜んでご一緒させていただきます」  「え、ええ……。突拍子もないことを言ってしまったみたいです」  残りのオレンジ色が紺色に染められていく車窓に、彼女のほっとした顔がぼやけて見えた。忘れていたのだと思う。いくらページをめくっても、味わえない感情があるのだということを。  「さっきの話……。平戸さんはどんな本を読むんですか?こういうことは、あまりずけずけと聞いてはならない気もしたのですが。まだ時間がかかりそうなので」  「好きなの

【短編小説】次の駅で②

 鈴木弓子は取り出しかけていた文庫本をバッグに押し戻すと、扉の向こうで、まだ驚きを隠せな…

紬糸
4年前
20

【短編小説】次の駅で①

「今日はお話を聞いてくれてありがとうございます。良ければ、来週の金曜日にディナーをご一緒…

紬糸
4年前
21

【短編小説】水曜日の忘れ物 下

「素敵な梟ですね」  本当に可愛らしい、それでいて存在感のある。10センチに見たない梟の置…

紬糸
4年前
13

【短編小説】水曜日の忘れ物 中

 水曜日になると梟がやってくる。  「こんにちは。またやってきたのかな?」  日に何百の…

紬糸
4年前
11

【短編小説】水曜日の忘れ物 上

   アイロンをかける。それは私の至福の時間だ。  肌を容赦なく焦がしてしまうほど熱され…

紬糸
4年前
12