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2024年大予測座談会② - 一億総プロの時代へ

経済から組織のあり方に話が広がった前回の座談会
今回は、Web3.0の時代から、組織がどう変わるのか。
そこで働く私たちも変わるのか?変わらないのか?(いや当然変わるよね?え…っ⁉)
真面目に考えてみました。(座談会メンバー紹介は、本文最後にあります)


1.Web3.0の時代

たま:私が注目しているのは、Web3.0です。メタバースやNFTなど技術が進歩したというのが大きいのですが、これからは、ますます個人と個人のやり取りになる。そこに企業や組織は介入しない時代が来る。そうなると、個人の信頼性や、「あなたはどんな人」というところが、これまで以上に求められるのかなと思いました。
あずき:どんな人というのは、所属企業や役職じゃなくて、どんな価値観を持っていて、どんなことをしたい人なのか?っていうことですよね?
たま:はい。お役立ち道ねっとを運営していて、SNSでフォローしたり、されたりする時に、その人のプロフィールを必ず見て、ああ、こういう人たちが、お役立ち道ねっとに共感してくださるのだなと思っています。逆に、相手も同じように、私たちが「どんな人か」を見てくださっているのだと思います。
ゆーりママ:本当にその通りで、僕も注目してるところなんですよね。NFTの場合だと、取引履歴がしっかりと共有できる。ということは、この人はこんな風に物を買っているんだ、こんな風に経済を進めようとしてるんだというのが、はっきりと履歴として残るので、それを見せていくというのが、1つのセールスポイントにもなると思うんですね。「私はこんな風に行いますよ。こんな風に物事を動かしますよ」という自己紹介にもつながっていくので、これをしっかりと見せるべきだなと思います。

2.ヒエラルキーからフラットな組織へ

たま:さらに言うと、DAO型組織、分散型自律組織って言うんですけど、今までは組織のヒエラルキーがあって、つまり、社長がいて、部長がいて、課長がいて…というのが当たり前だったのが、これからはフラットになって、個人として役割責任をどう果たすのかというところが求められる。そうすると、個人のあり方というのがすごく重要なのかなと。個人が、より良い社会づくりを見据えて、目的をはき違えずに自律的に成果を追い続ければ、生産性も上がるだろうし、上だけを見て取り繕うというか不正とか変な犯罪だとか、そんなものも無くなっていくんじゃないかと考えています。
ゆーりママ:4~5年前ぐらい前に、『ティール組織』(『ティール組織―マネジメントの常識を覆す次世代型組織の出現』,フレデリック・ラルー (著), 嘉村賢州 (その他), 鈴木立哉 (翻訳), 英治出版, 2018)という本が流行って、ああいった組織が、今ようやく馴染んできたのかなっていう印象もあるんですよ。
あずき:ティール組織は、DAO型組織のなかの一つの形態ですよね?
ゆーりママ:そうですね。海外では、色々な企業が実践し始めてて、有名どころで言うと、Amazonに買収されたザッポスが成功例と言われていますよね。

3.フラットな組織は「役職」ではなく「役割」で仕事をする

ゆーりママ:役職ではなく、役割で仕事をする。例えば、リーダーが偉いわけじゃなくて、「リーダー」という仕事上の分担として機能して、それぞれがちゃんと自分の仕事をする。プロ意識の高さが求められるんですよ。日本も、そろそろなってもいい頃だと思いますね。働き方改革、合理化にもつながっていくと思うんですね。
たま:本当にそうですよね。
ゆーりママ:例えば、映画の撮影現場なども、海外、特にアメリカでは、役割による分業がきちんとできているんですよ。プロデューサーがトップとしているだけで、監督も助監督も全員1人のプロとしてやっているので、ヒエラルキーがない、「俺、監督だから偉いんだ」がないんですよ。プロデューサーでさえ、予算を管理する役割の人でしかない。食事を手配する人もプロ意識を持っていてプライドが高いんですね。助監督や撮影助手も、日本みたいに監督や撮影の見習いではなく、「助監督」「撮影助手」という役割をプロ意識を持ってやっている。分業すぎる弊害もなかにはあるでしょうが、とにかく、一人ひとりがその仕事に誇りを持って全うしている。日本の撮影現場でも、働き方改革やハラスメントが問題になってきたというのもあって、その考え方がようやく浸透しつつありますよね。今年は、もっと進化していくと思うんですね。
あずき:例えば、映画作ろうでもそうですし、企業だったらこういう成果をあげたいという目標に対して、一人ひとりが自分の役割をちゃんと分かっていて、自分が自律的に関わって成果を出していくというイメージですよね。
ゆーりママ:プロとしての「お役立ちイメージ」をしっかりと持ってもらうのが、僕らの課題でもありますね。これまで、お役立ち道ねっとのコンテンツにも、そういうことは結構言ってきてましたし、お役立ち道が言ってる方向性は、これから変わろうとする企業や組織、働く人が目指すところに今年はますますなっていくと思います。もう時代は変わってますから。一億総プロの時代ですからね。

(つづく)

<まとめ>本日の大予測(?)ポイント

  1. 「あなたはどんな人?」が問われる

  2. 個人の「お役立ちイメージ」や「パーパス」がより重視される


<付録>押さえておきたいワード

Web3.0

『ブロックチェーン上で、暗号資産等のトークンを媒体として「価値の共創・保有・交換」を行う経済』(トークン経済) (経済産業省「Web3.0」 2024.1.19閲覧)

NFT

NFT(Non-Fungible Token、非代替性トークン)とは、ブロックチェーンを基盤にして作成された代替不可能なデジタルデータのことである。その形は様々で、デジタルアートやデジタルファッション、ゲームのアイテムなど、有形・無形さまざまなものがNFT化されている。(CRYPTO INSIGHT「NFTとは?仕組みや始め方、購入方法・稼ぎ方をわかりやすく解説!」, ダイヤモンド・ザイ, 2023年7月4日投稿・同10月25日更新)

DAO型組織(分散型自律組織)

DAO型組織は、組織のビジョンに共感した個人が地理的制約を超えて集まり貢献するコミュニティであり、誰でも貢献の度合いに応じたトークン報酬を受け取る契約が結べるもの。この特徴が、多様な職能をもつ主体的なプロジェクト参加者を増やし、プロジェクトの成長を容易にする可能性がある。(経済産業省大臣官房 Web3.0政策推進室「Web3.0事業環境整備の考え方 ー今後のトークン経済の成熟から、Society5.0への貢献可能性までー」,2022年12月16日発表)

ティール組織

進化型(ティール)……変化の激しい時代における生命体型組織の時代へ。自主経営(セルフ・マネジメント)、全体性(ホールネス)、存在目的を重視する独自の慣行をもつ。(amazon.co.jp 『ティール組織』購入サイト内 書籍紹介欄より 2024年1月9日閲覧)

お役立ちイメージ

「自分らしい役立ち方」をあらわしたもの(お役立ち道ねっと「お役立ちイメージ作成ガイド【第1話】」, 2022年5月31日投稿)

パーパス

組織や個人の「存在意義」を表したもの。日本における「パーパス経営」を理解したいなら、名和高志さんの『パーパス経営:30年先の視点から現在を捉える』(2021, 東洋経済新報社)がお勧めです。

座談会メンバー紹介-お役立ちイメージを添えて

以下のサイトから、動画(短縮版)で見ることができます。
お役立ち道ねっと「2024年大予測座談会!(前編)/ 組織のあり方が根本から変わる!?」

文字起こし & 編集 あずき