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赤ちゃんからの人格形成。プレママに知っておいて欲しい大切なこと。

Q:これから出産されるお母さんに向けてのメッセージをお願いします

これから出産されるお母さんに向けてのメッセージですね。
これから赤ちゃんが生まれることを、とっても楽しみにしてらっしゃると思いますけれど。

赤ちゃんっていうのは、本当に産まれて1年以上、とにかくお母さんの援助がないと生きていけないですね。
食べることから、おっぱいを飲んだり、体をきれいにしたり、睡眠をとるっていうことに対しても世話がかかる存在です。

でも、赤ちゃんでも1人の人格として独立した存在なんですね。

だからお母さんの意図するように子どもは動きません。
1人の人格ですから、赤ちゃんは赤ちゃんの主張をしますね。

そうすると、お母さんの「つもり」と食い違ったりすることが、たくさん出てくるんですけれども、お母さんが寄り添って赤ちゃんのその要求に応えていかないと順調に育たない、そういう存在なんです。

今までの生活の中では考えられないくらい自分のあり方を変えていかないと、赤ちゃんと暮らしていけなくなるんですね。赤ちゃんの要求に寄り添い、見守り、先を見通して応えていかなければならないのです。普段の生活では、人に対して「もうすぐおしっこが出るかな?」なんて考えないですね。それを毎日するわけですから、お母さんの関わり方は変わりますね。
そういう配慮は大変ですが、赤ちゃんが1人の人間として育っていくその姿を見る喜びは、ものすごく大きなものがあるので、そういうものが入り混じった生活に、これからなっていくかなって思います。

赤ちゃんの生まれたときのオギャーって泣く顔を見たらきっと感動すると思います。
新しい命が生まれるわけですから。そんなことは誰にでもできることじゃないので。
そういう素晴らしい体験を元にして、子育てを楽しんで欲しいなっていうふうに思います。

赤ちゃんは最初はなにもできないように見えますけれども、やっぱりお腹が空けば自分でお腹すいたって泣きますしね。泣いてサインを出しますし、それからお尻が汚れたっていえばむずかりますからね。
自分で自分の気持ちを泣くという方法しか最初はできませんけれども、そういう方法で訴えてきますので、それをやっぱりしっかりと受け止めて応えていく。

赤ちゃんとお母さんはいろんな場面を通してやり取りをして関わっていくうちに、「この人は私のことをちゃんと受け入れて大事にしてくれる」っていうのが赤ちゃんは身体でそれを感じるようになってきますね。

この人は信頼できる人、この人私のことを大事にしてくれる人、そういう人のところにみんないたくなりますよね。
赤ちゃんも、自分のことを大事にしてくれる、そういう人との関係で人に対する信頼感が生まれてくるんです。育ってくるんです。これを愛着関係と言います。
人への信頼は、赤ちゃんの時から育つんですよ。

ですから、そういう意味では、1人の人格としてお母さんが赤ちゃんの欲求に応えながら、赤ちゃんを愛しんでいくうちに、子どもは信頼してお母さんにピタッとくっついて、安心感や満足感を得るんですね。この安心して心が満たされることが、人への信頼感や自立を支え、人格の土台を形成していくのです。

そういう意味では、例えばおっぱいを飲ませているときも、ちゃんと赤ちゃんの目を見て
優しくいろんな言葉がけをしてほしいんです。
「ああ、ごっくんごっくん飲んでるね」とか「おっぱい美味しいかな」「もういいのかな」「もっとほしいかな」とか、いろんな言葉をそこでかけていくことによって、赤ちゃんはおっぱい飲みながらお母さんの顔をしっかり見ていますので、愛着関係が育つのです。

「まなかい(目交:目と目で対話すること)」って言うんですけどね、眼差しをちゃんと向け合いながらおっぱいを子どもに含ませるという。そういうことが大事なことですね。

よくスマホを見たり、本を読んだりしながらおっぱいあげたりね。それから全部カバーをかけちゃって、子どもの顔が見えないようなおっぱいの飲ませ方をしている方もいるけれども、人前でやる時には仕方がないんですけど、そういうふうなことをしないで、やっぱり赤ちゃんの顔をしっかり見て、そのときこそ赤ちゃんとお母さんが気持ちを伝え合える大事な時間ですので、そういうことを大切にしたいです。

昔はですね、例えば明治時代は、お母さんのおっぱいが出ないとか、お母さんが病気で亡くなってしまうことが多かったんですね。母乳以外にミルクなどない時代で、重湯を飲ませるしかなかったので、お母さんの代わりに乳母を雇うわけです、おっぱいをあげる人を雇うんです。乳母を雇うときにも人柄のいい人、子どもを大事にしてくれる人、ちゃんと赤ちゃんの目を見ておっぱいあげられるような、そういう人を選んだものなんです。おっぱいくれる人は誰でもいいんじゃないんですよ。
おっぱいを含ませながら、赤ちゃんにおっぱいをあげる人の人柄が移っていく、伝わっていくという風に明治時代は考えたんです。

今は乳母を雇わなくても、母乳の代わりになるミルクがありますから、いい時代になりましたね。
でもミルクあげてるときにもちゃんと子どもの目を見ててくださいね。
ミルクを置く台に乗せて、子どもがそこから自分でただ吸ってるというのは、悲しすぎます。
本当に赤ちゃんの気持ちを大事にしながら、そういうところで人と人のつながりが生まれてくるということを大事にしてほしいなと思います。

それから、いろんな機会に言葉をいっぱいかけること。
おむつを替えている時でも、お風呂に入れている時でも、いろんな場面で言葉をかけて。
言葉っていうのは、お腹にいる時からお母さんの言葉を聞いていますからね。
だから、生まれてからもお母さんの声を聴かせるとピタッと泣き止むというくらい知っているんですね。
お母さんからいろんな言葉を、お父さんでも家族の方でもいいのですが、たくさん言葉をかけることによって子どもは1年以上かけて言葉を学んでいくのです。
言葉の抑揚とかリズムとか、そういうものも含めて言葉を学習していきますので、すごく言葉をかけるということが大事です。

そしてこの気持ちが通じ合うっていうね、そういうことがすごく大事なので、そんなことも生まれて間もなくから始まりますので、努力していかれるといいかなと思います。
自然にね、そんな風に赤ちゃんに言葉をかけていく。

人によってはすごく赤ちゃんの世話をきちんとなさって、清潔にして部屋も綺麗にして、本当に努力して育てていらっしゃる方もいるんだけど、全然声をかけなかったっていうお母さんがいらっしゃるんですよ。
ベビーベッドの中に静かに寝ているので、目を覚ましてもそこでじっとしているので、安心して隣の部屋にいるとかね。
そういうお母さんのお子さんが、2歳になっても、2歳半になっても言葉を喋らないということが出てきたりしますね。
それはそういう言葉がけをしなかったので、お子さんの言葉の学習ができていなかったからなのです。お母さん、そのことに気づいてなかったのね。

そんなこともありますので、言葉をかけて人と人とのふれあい、コミュニケーションの学びの最初だと思って、そんなことを努力したらいいかなと思います。

赤ちゃんの時代は、お子さんの世話をする、育児をすることで本当にお母さん大変です。
夜も起きなければいけないし、1日中子どもから離れることができないっていう大変な時期ですので、ぜひお父さんになった方は、お母さんの手を休めてホッとできる時間を作れるように、協力して助けてあげてくださいね。

お父さんも一緒に子育てをするっていうことが大事で、子どもに関わらなければ、子どもを理解することは難しいです。子どもにかかわって初めて子どものことが分かるし、子育ての喜びも知って、お母さんの気持ちや苦労も共有できるんです。

そういうお父さんが側にいると、きっとホッとして安心して気が休まって、お母さんもまた頑張ろうって気持ちになれると思うので、そんなお父さんとお母さんの関係が築けたら、素敵だなっていうふうに思います。

元気な赤ちゃんが無事に生まれますことを祈っています 。

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