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ご家庭でとろふわオムレツを作るコツを出来るだけ詳しく書いてみた

お昼ご飯にオムレツを作った動画をTwitterにあげたら、思いの外たくさんの方がご覧下さいました。ありがとうございます!

何人かの方から調理方法についてご質問頂きましたので、こちらにまとめておこうと思います。

まずは、動画をご覧頂いた前提で話を進めますね。
※ちなみに分量は目安です。この動画の時は計っていません。
 

【材料】(1人分)
・卵 … L 〜 L L玉2個
・牛乳 … 大さじ1.5〜2
・米油 … 大さじ1.5〜2
・バター … 10g
 

【道具】
・20cmの樹脂加工フライパン
・幅広のシリコンヘラ
・ボウル
・菜箸またはフォーク
  

【作り方】
1、ボウルに卵を割り入れ、牛乳を入れて菜箸やフォークなどで良く溶きほぐします。

2、フライパンに米油を入れて強めの中火にかけます。

3、フライパンの10〜15cm上に手をかざして熱く感じたら、米油の上にバターを乗せて溶かします。

4、バターが溶けて泡が大きくなったら1の卵液を全てキレイに入れます。

5、フライパンのふちの卵が固まり始めたら、シリコンヘラでぐるぐる大きくかき混ぜながら卵液に火を通します。

6、全体が半熟になって液体っぽさがなくなったらヘラで混ぜるのをやめて、フライパンを傾けて卵をまとめます。

7、まとまった卵をフライパンの柄と反対側に寄せて、フライパンのへりギリギリに寄せます。

8、ヘリに寄せた卵の下にそっとヘラを差し入れて、フライパンを軽くあおるようにして半分に折ります。

9、ヘラで全体の形を整えて、お皿に盛り付けます。(1からここまで約3分)

ここで、もう一度動画をご覧下さい。

4の卵液を入れてから9の出来上がりまで約1分です。上記の工程を読んでから動画をご覧頂くと「あぁ、確かにそうやってるな」とご理解頂きやすいかと思います。

さて、詳しくそれぞれの工程について解説していきます。

1、卵液を作る

卵はそれだけよりも副材料が入る方がとろりと柔らかい食感になります。ゆで卵はカツカツですが、プリンや茶碗蒸しはなめらかですよね。
でも副材料が多過ぎると柔らかくなり過ぎてまとめるのが大変です。だし巻き卵を巻くのが難しいのは出汁がたくさん入っていて柔らかいからですね。
しっかり溶きほぐしておかないと白と黄色のツートンカラーのオムレツになります。白身の固まりが残っていると火が通って固まった時にそこだけ白く残ってしまうので、丁寧に溶きましょう。
味を付けたい場合はここで塩ひとつまみ入れます。
我が家ではケチャップをかけたり、粉チーズやシュレッドチーズを入れることが多いので、ほとんど塩は入れていません。

2、フライパンを予熱する

樹脂加工をされたフライパンは空焚き出来ないので先に米油などの植物油を入れてからフライパンを火にかけます。火にかけて油の体積が増えた際に、フライパンの底面全体に油がまわる量が入っているようにして下さい。
フライパンは出来れば18〜20cmのものが1人分2個の卵で作る場合に最適です。もしお使いのフライパンが22cm以上でしたら卵を3〜4個使ってみて下さい。その分油もバターも増やして下さい。

3、バターを溶かす

予熱したフライパンに手をかざして「温かい」ではなく「熱い」と感じる温度(あくまで目安ですが)になったら、必ず油の上にバターを乗せて溶かします。
フライパンに直接バターが触れるとバターが焦げやすいので、油をクッション代わりに間に挟みます。
(『ミスター味っ子』にかぶれているので、オムレツは焦げてはいけないと言う教えを守っているためバターも焦がしません)
それでもバターが焦げるようなら火が強過ぎるので火力を調節して下さい。

もしバターが無ければ、油だけでもかまいませんが、バターを入れない分だけ油を増やして下さい。卵のとろふわに油はマストです。揚げ焼きに近い状態で油を巻き込みながら一気に加熱します。

4、卵液を入れる

バターが溶けて泡が大きくなったら、バターを入れて一度下がったフライパンの温度が上がって来た目安です。このタイミングで卵液を出来るだけ手早く全て入れます。
菜箸を使わずにシリコンヘラを使うのは、この時ボウルに残った卵液を残らずフライパンに入れるのに適しているからです。

5、大きく混ぜる

フライパンのふちの卵が固まり始めたら、シリコンヘラを使って大きくぐるぐる混ぜながら卵液に火を通します。途中からフライパンをゆすっていますが、卵液に均等に火が通るようゆすって分散させています。この混ぜる工程でも菜箸よりもシリコンヘラを使う方が幅が広いため素早く混ぜられて効率が良いです。ここではゴムベラではなくシリコンヘラを使って下さい。ゴムベラは耐熱温度によっては溶ける可能性があります。

6、卵をまとめる

全体に半熟状に火が通ったらシリコンヘラで混ぜるのをやめて、フライパンを傾けて卵をフライパンのへりに沿わせるように回してまとめます。この時、火が通ったのに混ぜ続けるとオムレツに穴が開いてしまいますので、汁っぽさが無くなったら混ぜないようにしましょう。多少の穴なら、フライパンを傾けてまとめる間にリカバリーも出来ますが、オムレツの形に仕上げた時にデコボコになってしまうので、穴が開かないようにしましょう。

7、まとまった卵をへりに寄せる

ひとまとまりになった卵をフライパンの柄と反対側のへりギリギリに寄せます。
へりのカーブを利用して半分に折るためです。ギリギリまで寄せる事で1/4程度折れた状態になります。こうしておくことで、柔らかいとろふわなオムレツでも返しやすくなります。

8、へりに寄せた卵を折るように返す

フライパンのへりギリギリまで寄せた卵の下にそっとシリコンヘラを差し込んで、フライパンをあおるように勢いをつけて、半分におります。良くテレビでシェフがフライパンを持った手首をトントン叩いて少しずつ返していますが、ご家庭でやる必要はありません。
7までの工程が出来ていれば、半分に折るだけで充分半月になります。

9、形を整えて盛り付ける

8で半分に折った際に、勢いがつき過ぎて少し崩れてしまうこともあるので、それを寄せて形を整えます。動画で再度ご確認頂けると思います。形を整えたら、そっとフライパンを傾けてお皿に盛り付けて出来上がりです。

しつこいようですが、ここでもう一度動画をご覧下さい。

いかがでしょうか?
もう出来そうですね、出来ちゃいますでしょ?
 

とは言え、最後に1番大切なことを言いますね。
 

フライパン、生きてますか?

コレ、Twitterで頂いたご質問の回答には書かなかったんですよ。説明に文字数必要なので、すみません。

以前コチラにも書いたのですが、樹脂加工のフライパンは消耗品です。

樹脂加工のフライパンは、目に見えて剥がれたり傷が付いていなくても、加工の効果が無くなっている場合があります。

その目安は、油を引いても目玉焼きがくっついてしまうこと。

油を引いて、しっかり予熱したフライパンで目玉焼きを焼くと、スルスルとフライパンの上を滑りますよね?
(お買い求めになられた時はそうでしたよね?)

ギリギリ滑らなくても、くっついていなければ大丈夫です。
ターナーなどでガリガリとはがさなければお皿に盛り付けられないようでしたら、それは加工が死んでいますので、上記の工程をどれだけ忠実に再現しても失敗する可能性が高いです。

(正直、オムレツが上手く出来ない人の8割はフライパンが原因と言っても過言ではないかと思っています。大きな声では言えませんが。)

なので、このnoteをご覧下さってこれからオムレツを作ろうと思われている方、申し訳ないのですが、オムレツの前に目玉焼きを焼いてみて下さい。

目玉焼きを焼いてみて、フライパンの状態を確認した上で、是非、上記の工程でオムレツを焼いてみて下さい。

絶対上手く焼けると思います。
是非お試し下さい。


ちなみに「雑に」と書いているのは、プロのシェフの作るオムレツはシルクのようになめらかで美しい肌のオムレツだからです。

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