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「初めて作るレシピをアレンジすると失敗する」理由とリカバリー方法を説明します

色々なところで言われている事ですが、「初めて作るレシピをアレンジすると失敗する」(確率が高い)理由を説明します。

後半では、アレンジしやすいレシピの見分け方と、上手くいかなかった場合のリカバリー方法もご紹介します。

何度か作っていて、出来上がりの味のイメージが明確になっているのであれば多少のアレンジをしても失敗はしにくいと思います。

では、なぜ「初めて作るレシピ」だとアレンジすると失敗しやすいのでしょうか?

その理由を詳しくご説明します。


味のバランスが崩れる

レシピに書かれている調味料は、全てを分量通りに使う事で五味(塩味、甘味、酸味、苦味、うま味)、香り、こくなど、レシピ考案者にとってベストかそれに準ずるレベルで味のバランスが取れた状態になっています。

お料理を食べた時に感じる味は塩味だけでなく、甘味や酸味、こくや香りなどが整然と折り重なった状態だとイメージしてみて下さい。

そこに調味料を足したり減らしたり、レシピにない調味料を加えたりすることで、整然と折り重なった味のバランスが崩れてしまいます。

それによって自分好みの味になるのであれば「失敗」ではないので問題はありませんが、そうでなくなった場合、リカバリーの仕方まではレシピに書いていないので方向性を見失って迷宮入りすることになります。

これが失敗する原因の一つです。

レシピで「使っている調味料」を加減しただけなら、元々の配合に戻るように調整すれば味は濃くなりますがリカバリーは出来ます。

レシピに「使っていない調味料」を足して味がおかしくなってしまった場合は、正直お手上げではありますが、足したもののどの要素が味のバランスを崩しているのかがわかればリカバリー出来る場合もあります。

ここの見極めは難しいところですね。

例えば、醤油とみりんで甘辛く作るような煮物にアレンジで足した食材または調味料が酸味のあるもので、酸味が邪魔をしているとわかれば、酸味を和らげる調味料でリカバリーが出来ます。


味の割合が変わる

調味料や食材を増やしたり減らしたりする事で、味の割合(濃さ)が変わります。

良く言われる人が美味しく感じる「塩分濃度0.8〜1.2%」から逸脱してしまう事によって、レシピ考案者の意図した味が損なわれてしまう事があります。

食材を増やすことで煮る時の水分が増えているのに調味料の量がそのままだったり、食材は1.5倍量なのに調味料を倍量にしてしまったり、食材を増やしたからと言って、調味料は単純に等倍してはいけなかったりします。

では割合が変わった時に、塩を足したり、水で薄めれば良いかと言うとそれで済む場合もありますが、そうでない場合もあります。

足した食材が甘味のある食材だったり、苦味や辛味のある食材だと、ここでも食材から出る味のために割合が崩れてしまいます。

もちろん好みの味になれば万々歳ですが、そうでなかった場合、リカバリーの方法がわからないのでだいたい迷宮入りします。

◇◇◇

以上の2点が「アレンジすると失敗する」大きな理由です。

ただし、アレンジしてもあまり失敗しにくいレシピもあります。
それは完全に「家庭向け」にアレンジされることを前提にして作っているレシピです。

お店のレシピと家庭料理のレシピの違いは以前こちらにも書いています。

アレンジされる前提で作っているレシピは、補足説明におススメのアレンジ方法や追加して美味しくなる調味料や食材なども書かれていることが多いです。

アレンジしやすいレシピの見分け方

では、どんなレシピがアレンジしても失敗しにくいレシピかと言うと

・使う調味料が少ない

使う調味料が3つくらいまでなら、バランスが崩れても微調整してリカバリーしやすいです。

・特別な調味料を使っていない

味の構成要素が分かりにくい(普段あまり使わなない)調味料を使うレシピは計量を間違うなどすると失敗につながりやすいと思います。

・クセの強い食材を使っていない

ブルーチーズやクサヤのような香りの強い食材や、レバーやモツなどの独特な食感やうま味のある食材をメインに使うレシピは、いきなりアレンジしない方がいいと思います。

失敗した時のリカバリーの仕方

材料や調味料が揃わずアレンジせざるを得ない状況で、上手くいかなかった場合、どのようにリカバリーしたらいいのでしょうか?

・甘くなった場合

少し甘すぎたくらいなら塩や醤油など塩味を加える調味料を足せば事足りますが、甘過ぎた場合は少量のお酢やレモン果汁などで甘さをしめると落ち着く場合があります。

・塩っぱくなった場合

少し尖ったしょっぱさくらいなら、みりんや酒など、少量の甘味がありつつこくやうま味のあるものを足すと味が薄まり過ぎずリカバリー出来ることがあります。
計量の単位を間違えたなどの過度の塩っぱさは砂糖を足しても無駄なので出汁で薄めて、薄まった分のうま味を補って下さい。和食でない場合は水で薄めてから顆粒のコンソメや鶏がらスープの素を足すと簡単です。

・苦くなった場合

あまり無いかと思いますが、苦くなった場合はバターや牛乳、生クリーム、チーズなどの乳製品を足すことで苦味を包み込んでくれる場合があります。(お料理によっては使えないことも多いです)
乳製品が使えない場合は、油を多く使ったり、仕上げにオイルを回しかけるなどすると油分が苦味をカバーしてくれます。

・酸っぱくなった場合

酸っぱくなり過ぎた場合は、砂糖やはちみつ、メープルシロップなどで甘味を足すと酸味が丸く和らぎます。

・なんとなく物足りない

うま味が足りない場合が多いので、うま味の出る食材(肉類、魚類、貝類や、醤油、味噌、オイスターソース、ナンプラーなどうま味のある調味料や、顆粒のスープの素など)を足します。


また、レシピ通り作って美味しいと思うレシピを書いている料理家さんや料理人さんとは味の好みが合うので、複数知っているとアレンジの失敗も少なくなりますしお料理がより楽しめるようになると思います。

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