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マグロの生ハムを手探りで再現してみた話

3年くらい前、食い道楽の友達が誘ってくれて外苑前のオリーブオイル専門店(現在は閉店)のターブル・ユニーク(普段は販売のみのショップの一角を、予約があった時だけ1組限定でオリーブオイルに合う料理とお酒を出してくれる)に行った時に、コースの一品としてマグロの生ハム(ブレザオーラ)が出てきました。見た目や固さはサラミみたいです。

イタリアの一部地域で作られているそうなのですが、詳しくは失念してしまいました。

マグロで生ハムが作れるなんて知らなかったですし、しかもそれが衝撃の美味しさで!!
お酒にも、もちろんオリーブオイルにも、ものすごく合うんですよ。こんな美味しいものを今まで知らずにいたなんて!と人生を悔い改めたくなるレベルでした…

かなり固いので、薄く削って、オリーブオイルと黒胡椒、チーズをかけて頂きます。
この時、一緒に食事をしていた食に貪欲な友人(褒めてる)と、どうやったらこんな美味しいものが出来るのか、という話題で盛り上がり、こんなに美味しいものが好きなだけ食べられたら最高だね、と言うことになり2人で試作してみることになりました。(普通はならない…)

お世話になっている築地(当時、今は豊洲に移転)のマグロ仲卸さんにお願いして、生ハム作りに向きそうな部位をなるべく太さが同じようにサクにしてもらい、2人で別々の方法で仕込み始めました。

色々調べた結果、「マグロの生ハム」と名のつく料理や商品はいくつか見つかったのですが、どれもカルパッチョのようなただのお刺身で、私達の食べたそれとは異なっていたので、自己流でやってみることになりました。

マグロに限らず、生ハムのざっくりした作り方としては、

①塩漬け
②塩抜き
③乾燥

の3STEPなのですが、そもそもレシピも何もない手探り状態でしたので、①塩漬けについても、単純な塩漬けなのか、ソミュール液などの塩水漬けなのか、また、マグロにはそれらのどちらが適しているのか、全く分からなかったし、この後の工程は特に差がつくような方法が無さそうだったので、友人が塩のみで塩漬け、私がソミュール液風の塩水漬けで、仕込むことになりました。

確か塩分濃度を5%にして1週間くらい漬け込んで、塩水漬けにしたので塩抜き工程は省略して、水分をしっかりキッチンペーパーで拭き取り、網付きバットに乗せて冷蔵庫乾燥させることにしました。

友人は直接塩をする方法だったので、塩漬けして水分が出切った頃合いを見て塩抜きしてからの乾燥に入るとの事で、都度連絡とお互いの状況を報告し合っていました。

またこの中間報告し合いながら同じものを目指して別々に作業をすると言うのが、楽しくて楽しくて仕方がなかったですね。あーでもない、こーでもない、のやり取りが。

そして、約2ヶ月後にそれぞれのやり方で手探りで始めたマグロの生ハムが、一応完成したので、2人で完成試食会をしました。

ちょうど桜の季節になっていたので「お花見だー!」と勢いづいて、ミニボトルのカクテルやブッラータを買い込んで公園に向かいお花見試食会と相成りました。

下の明らかにしっかり水分が抜けているのが友人作。上の普通のお刺身っぽく水分が多いのが私作です。

友人作の生ハムを、ブッラータに乗せてオリーブオイルをかけたら、もうえも言われぬ美味しさ!!

目指すゴールにより近付いていたのは友人の方だったので、残りをもっとしっかり乾燥させて、「マグロ仲卸さんに報告に行こう!」と言うことになりました。
後日、報告を兼ねて2人でまた築地のマグロ仲卸さんを訪ねて試食をしてもらい、「これは美味しい」とお褒めの言葉を頂きました。

これにて、マグロの生ハム作りは幕を引き、機会があればまた作りたいなと思いました。(そして、実際翌年のお正月のご馳走として仕込んでおいて、実家で親戚に振る舞いました。)

あぁ、楽しかった!

今、冷凍庫にメカジキのサクがあるから、今度はメカジキの生ハムを作ってみようと思います!

試作のための食材費や、子供達が使いやすい調理器具の購入に使わせて頂きます!