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カワハギをさばいて食べ尽くす会をやった話

一昨年の夏頃から、SNSがきっかけで知りあった料理好きの友達と「猫が悔しがるレベルで魚を食べ尽くす会」(以下、略して「猫会」)と言う、旬の美味しいお魚を料理して食べる会を開催しています。
しかも、この会には専属ソムリエもいて、毎度お魚とお料理に合ったお酒をセレクトしてくれるのです。ありがたや…

少し前に書いたこの記事も、猫会がきっかけで開催したものです。

元々の猫会は、私が師匠から鱧の捌き方を習ったのがきっかけで、普段あまりスーパーでは売っていない美味しいお魚を師匠のお店で仕入れて皆で堪能する、と言う趣旨の会を一昨年の夏に初めて開催しました。
それが大変好評だったので、「他の魚でも同じように食べ尽くしたいね!」と、他の魚の会も開催することになった次第です。

一昨年は夏の鱧だけでしたが、昨年は夏の鱧、秋の鮭と2回開催出来たので、今年は季節ごとに4回開催を目標に、まずは第一弾の冬の魚で「冬の陣」と言う訳です。

毎回魚種は一種で、いかにその魚を無駄なく食べ尽くすか?をメンバー皆で随時決めながら調理します。このメニューを決める時間もとても楽しくて、ネットで色々調べながら、「鮭の肝パテ」のようなヒットレシピが爆誕するのです。

今回は冬の魚と言う事で、候補はあんこう、鱈、カワハギ、の三択でカワハギに決まりました。

メニューは、事前に決めていたものもありますが以下の通り。

・お造り3種(細造り、薄造り、昆布締め)
・肝和え
・肝醤油
・肝刺し
・唐揚げ
・煮付け3種(姿、兜、真子)
・しゃぶしゃぶ
・カワハギ飯

全12品。今回は5人で食べ尽くしました!

今までは、一尾だったり捌くのに時間がかかり過ぎたりで、ほぼ私が捌いて、皆で調理、と言う形式でしたが、カワハギは面白いので一人一尾ずつ皆で捌くことにしました。大きさも手頃ですしね。

と言うことは、一人一尾分食べられるということです。一人一肝!なんと贅沢な!

今回は肝を食べたかったので、師匠にその旨を伝えて、長崎産をご用意頂きました。
活魚を受取に行く直前に締めて下さったのでまだ死後硬直が始まっておらず、ぷにぷにした感触で、皮は鮫皮のようなザラザラした手触りです。

まずは、おちょぼ口のくちびるを落として、名前の由来でもある皮を剥ぎます。

面白いようにベリベリ剥けます。
いや、実際めっちゃ面白いです。
この面白さを知らないなんて人生損してるのでは?ってレベルです。

皮を剥いたら、お腹を開いて一番大切な肝を傷付けないように取り出します。

胸ビレの後ろからお尻にかけて開くと、プリップリの肝が「こんにちはー!」とばかりに顔を出します。肝の周りを覆っている腹膜を慎重に剥がしつつ、肝を外します。

どうですか!このプリプリ感!
間違いない!!

肝を外すと、他のワタも一緒に取れるので、苦玉(胆のう)を潰さないようにワタを取り分けます。

今回食べたワタは、肝と真子(卵巣)でした。
ワタを取り出したらお腹を掃除して頭を落として、3枚におろします。
(カワハギは身が平べったいので、5枚におろす場合もあります。)
煮付け用は頭を落とさずにワタを出したらお腹を掃除します。

3枚におろしたら、作るお料理に合わせて身を切ります。唐揚げ用はブツ切り、肝和えは細造り、しゃぶしゃぶ用と昆布締め、そのまま食べるお造りは薄造りにします。

落とした頭は、強塩をしてしばらく置いてからグリルで焼きます。出汁を引く予定でしたが、ほほ肉などかなり身が付いていたので身の部分は皆でむしって食べました(笑)
顔見知りだけなので出来るお楽しみです。

カワハギはやっぱり焼いても美味しい!!
残った骨は水から煮出して出汁を引きます。
引いた出汁と細くなってしまったお造りを少々と醤油で味付けしてストウブで炊きます。
お米は、メンバーお気に入りの青森県産「青天の霹靂」。粒が大きくて、甘味のあるお米です。

ご覧下さい、この炊き上がり!
粒が立って、カニ穴も開いています。

これだけでもテンション上がります!
さらに、底からすくって混ぜると…

「ナイスお焦げー!」の歓声が!!

何のかけ声なのかと思いますが、それ以外の言葉が浮かびません…!天才か!

そんなこんなで、捌き終わるとお料理がどんどん出来上がってテーブルに並びます。

お造り、唐揚げ

肝刺し

煮付け(姿、兜、真子)

アラ汁

唐揚げ

カワハギをみそ味にするのは贅沢かもしれませんが、とても良い出汁が出ていました。

そんなこんなで、全景はこちら。

いやー、全部が完璧に美味しかった!

カワハギ飯なんて初めて食べましたが本当に美味しい!メンバーの従兄さんおススメのカワハギ飯のTKGは地鶏有精卵で。

さらに、各自肝刺しを載せたり、お造りを乗せてみたりワサビを乗せたり、全員がどの順番にトッピングを乗せるか、醤油をどのタイミングでかけるかなど、ものすごい悩んでいました。こんなに楽しい悩みはそうそうありません!

今回も楽しい会となりました。
やはり私的ベストオブ魚の肝はカワハギです!

師匠、いつも素晴らしいお魚をありがとうございます!

カワハギを食べ尽くしてみてわかったことは、
・肝が最高に美味しい
・適度な大きさで扱いやすい
・肝が最高に美味しい
・皮を剥ぐのが面白い
・肝が最高に美味しい
・ウロコが散らからないのが良い
・肝が最高に美味しい
です。

次回の猫会は「春の陣」です。
どうぞお楽しみに!

試作のための食材費や、子供達が使いやすい調理器具の購入に使わせて頂きます!