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大田市場見学ツアー付きイワシの手開きレッスンを開催しました

昨年から何度かイベントをやらせて頂いているシェアスペース「うなぎのねどこ(以下うなどこ)」と共同企画のイベントがありました。

大田市場を見学してから旬のイワシを買い付けて、うなどこで調理、実食と言う流れのイベントです。
当日の様子などは教室のブログに掲載しているので、よろしければそちらも併せてご覧下さい。

今回見学した大田市場は、平成元年に青果の旧神田市場と五反田の荏原市場を統合し開設、後に平和島にあった鮮魚の大森市場と築地市場の一部も統合した水産部、さらに翌年、城南地域に点在していた9つの民営花卉(かき)市場を統合した東京都中央卸売市場の1つです。

東京都の中央卸売市場は全部で11箇所ありますが、青果、水産、花卉の3部門が全て揃うのは大田市場のみで、水産は豊洲に及ばないものの、青果と花卉については全国一の取扱高で大田市場での価格決定が日本全国の地方市場の指標となっています。

普段は教室から近い築地市場(現在は豊洲)の仲卸さんから仕入れていたので、なかなか大田市場まで足を運ぶことが無かったのですが、うなどこオーナーからお声かけ頂き、ご一緒させて頂いたところ「多くのメンバーさんに楽しんでもらえるに違いない!」と共同企画することになりました。

もちろん市場見学とお買物だけでも大人の社会科見学として充分楽しめるのですが、買った後の食べ方や調理に不安があるのでは?との気付きから、比較的手が届きやすく、特別な道具を使わずに調理出来る旬のイワシを題材にセレクトしました。

お魚を捌くには、出刃包丁は無くても良いのですが、きちんと切れる包丁があった方が良いので、そう言う点でもイワシは入門編に最適でした。

魚に弱と書いて「鰯(イワシ)」と、字からもわかるようにイワシはアシが早く(傷みやすく)身が柔らかいので、切れない包丁でギュウギュウ力を入れてしまうと身が崩れてしまうので、包丁を使わず手で捌く「手開き」と言う方法で処理が出来るのです。

今回は見学と買い物だけでなく、その手開きのレクチャーも含めたイベントにしたのでした。

実際にやってみると意外と簡単に出来ますし、レッスンメニューのつみれや蒲焼き、オイルサーディンで召し上がって頂けば、少しくらい身が崩れてしまっても、全く問題なく美味しく召し上がれることをご実感頂けました。

ご参加の皆さん、手開きは全員初めてとの事でしたが、出来上がったイワシ料理はとても美味しいと大好評でした。

教室での三枚おろしレッスンでも大抵お1人3尾は捌いて頂くようにしています。
1尾だけでは帰宅してから再現出来るほど習熟するのが難しいのと、間を開けず繰り返すことで手順を体が覚えて、後日復習する際にも思い出しやすいですし、魚の骨やワタ(内臓)がどうなっているのか構造が理解しやすいからなんです。

イワシはお値段的にも手頃な場合が多く、アジやサバならおろしてもらえても、イワシは断られるお店も時々あり、大好きなのに手が出せなかった、とおっしゃっていた方もいらしたので、手開きが出来ることで日々の食生活が豊かになるお手伝いが出来てとても嬉しく思っています。

以前こちらの記事にも書きましたが、お魚が捌けなくてもお魚屋さんと上手くお付き合い出来れば美味しくお魚を召し上がって頂くことは出来るのですが、自分で捌けると「調理を頼めない」場合でも諦めずに済むので、一度習ってみるのも良いと思います。

野菜や肉と違って、養殖していない魚介類は自然の産物なので店頭でピカピカ光る美味しそうなその一尾にまたいつ出会えるとも限らないんです。

そう、魚との出会いは一期一会

「また今度でいいや」と思っても、その魚に出会える「また」は二度と来ないのです。

次の機会には、前回ほど新鮮じゃないかもしれませんし、鮮度は申し分なくても脂乗りやお値段が希望に沿うものとは限りません。
工業生産品ではないので毎日値段がほぼ違います。(スーパーではこの限りではありませんが)

また、調理だけでなく教室を出て市場見学なども行うのは、食材と料理の方法だけでなく、食材がどのように食卓に届くのかといった流通の仕組みにも目を向けて欲しいと思っているからなんです。

もともと子供とその保護者向けの教室なので、子供向けにも見学ツアーは開催しているのですが、小学校高学年の社会で産業の単元を習うまでは、畑や海でとれた食材がどのように食卓に上るのか、なかなかイメージがしにくいと言う背景もあり、大人向けにも開催する運びとなりました。もちろん夏休みの自由研究のテーマにお選び頂いてご参加下さるお子さんも多くいらっしゃいます。

ここが私が教室名を「食育教室」としている理由なのです。
料理と食べる事だけでなく、食に関わる仕事や環境などにも興味を持って目を向けて欲しい、そんな想いでレッスンやイベントを運営しています。

見学ツアーやお魚さばきレッスンは、ご要望があれば随時開催可能です。
ご興味のある方はメールにてお問い合わせ下さい。

oyako.kitchen@gmail.com

試作のための食材費や、子供達が使いやすい調理器具の購入に使わせて頂きます!