魔物に追われる

僕は自分で言うのもあれだが真面目だと周りに思われることが多い。

実際には正義感が強いとかそういうものじゃない。とにかく人に怒られたくないビビりなだけなのだ。勉強しかり、スポーツしかりなんでも手を抜くことはほとんどなかった。結果が出せないと怒られると心のどこかで思っているからだ。

僕の兄二人はスポーツ一本と言った感じでスポーツ推薦に高校に入っていた。だから僕は運動の代わりに勉強を伸ばすことにした。しかし、いい点を取れなかったとき自分の中で口惜しさと母親に怒られるんじゃないかとずっとひやひやしていたのを覚えている。だから中学でも高校でも成績が悪いことはなかった。

学生時代になるといい成績をとっても親に褒められることは記憶になかった。

大学を決める時も兄二人よりもひいては親父よりもいい大学に入ったがあまり褒められずなんなら
「なんか言うことあるんじゃないの。」
と言われ、育ててくれた感謝を言わされた時はやっぱやべえこいつ!!ってなってた。


大学生になりほとんど遊んでなかった時代に比べて外に遊びに行く機会がとても増えた。でも夕方になると心のどこかでもやもやして「速く帰らないと」と思って友達と遊んでいた。しかも心のどこかで「また何も勉強していない」、「何もしていない一日だったな」と後悔をすることが多かった。

既に家族からは「最近ふらついてんな」だの「遊びすぎじゃねえか」だの言われていたのもあるがずっとモヤモヤしていた。そこで母親に俺はどのくらい遊んでもいいのか、夜中に帰ってきても大丈夫なのか聞いてみると。夜中に遅く帰ってもちょっと冗談でいうくらいだし止めないと言っていた。


え、じゃあ俺は誰に怯えていたんだ。


母親に怒られないために今までもがいてきたのにあれは結局何だったんだ。

高校で俺は遊んでても怒られなかったのか。
結局これを書いている今も朝バイトして昼寝してこれを書いているから今日もなにかに追われている。 

                          2021.2.24

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