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大学受験:無駄な学習と効率的な学習

大学受験のための入試直前期の学習法としては、過去問演習が中心になりがちです。しかしここでの出題形式に特化しすぎた対策は逆効果になりかねません。アドミッションポリシーを改訂し、出題内容を短期間で変える大学が増えています。こうした状況においては、傾向と対策という従来型の受験勉強は、必ずしも効率的とはいえません。

多くの大学で出題されるのは読解力を問う問題で、設問形式が変わることがあっても読解力を身につけて損をすることは絶対にありません。読解力を問う問題に次いで出題されるのが表現力を問う問題です。これは増えることはあっても減ることはないでしょう。あとは聴解力を問う問題です。

読めて、書けて、聴き取れれば入試で得点を上げることができます。現状では個別試験でスピーキングテストを課す大学はごくわずかですが、実際の対策としては書記言語2技能に絞ることはできても、音声言語を含めた場合は3技能に絞るよりもスピーキングも含めた4技能で対策するほうが効果的でしょう。そうであるならば高校の授業は「普通に」やれば大学受験にも有効ということになります。過去問演習よりも学習指導要領に沿った授業のほうが入試への対応力が高まるということです。

話を直前期の対策に戻します。読めて書けるようになる勉強こそが入試対策では有効です。過去問に触れるのは、その大学で出題される文章のレベルを確認するためで、そのレベルの文章を確実に読めるようにするにはどうしたらよいのか考え、足りないところを補っていくことが大切です。

読解であれば、文の理解、文章の理解のどちらに問題があるのか、あるいは理解内容の記憶保持に問題があるのか、という自己評価が必要です。作文であれば、アイディアジェネレーションやアウトラインの作成といった、書く前のプロセスに問題を抱えているのか、文の表現や文章の表現といった、表現に関わる知識や技術に問題があるのかを把握します。その上で弱いところを補っていくような学習を進めていけばよいのです。

これが独習でよければそれでいいですし、冬期講習を追加で受講するほうがよいと思うのであれば、今から予備校に問い合わせて年明けの講座を受講するのもよいでしょう。逆に今から講座をキャンセルする必要がある人もいるかもしれません。実は学習量が膨大なものになると判明する人もいるかもしれませんが、それはやるしかありません。入試は満点でなくても合格できます。今学習を断念すれば不合格は確実な人でも、入試前日まで続けてそこで断念するのであれば可能性はあるかもしれません。もちろん、他に得意な科目があって、問題の難易度的に伸びしろがまだあるのであれば、英語で失う点数を補うことも可能です。

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