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「なぜ」や「もやもや」を解消しながら暗記する

ことばは覚えなければ使えないのは事実ですが、かといって丸暗記すればよいというわけでもありません。多くの場合、丸暗記しても、その知識を覚えたとおりに再生することはできません。これは単に忘れてしまうことが多いということもありますが、再生できない要因はほかにもあります。

たとえば、日本語を母語としている人が英語を学ぶ場合、頭に入ってきた英語の知識は無意識のうちに日本語の知識と対応づけようとします。訳すという作業は意識的に対応づけを行う作業であるといえます。このときに、日本語と英語が不適切に対応づけられてしまうと、英語の使い方が誤ったものになってしまいます。この状況を避けたり、あるいは一度不適切に対応づけられたものを修正するには、日本語と英語との比較対象を意識的に行うことが必要です。

これ以外にも、文法を学んでいるときに「なぜそうなるのか」と疑問を抱くことがありますし、「なんかわかったようなわからないような」といったもやもやが頭から離れないということもあります。これらの要因も、暗記した知識が再生できずに使いこなせなくなる要因になります。もちろん、疑問に思わなければそのまま覚えてしまって差し支えない知識もあります。しかし、ひとたび疑問に思ったことを「そんなこと考えずに覚えろ」と言われたって覚えられないものは覚えられないのです。このあたりの「つまずき」は個人差が大きいといえます。

こうしたことを考えると、媒介語(ここでは日本語)を排除した英語漬けの学習とは別に、母語である日本語を徹底的に活用した文法の学習を閉講して行うことが必要であるということになるわけです。

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