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「いつだって味方はいる」ー不登校体験記(3)

こんにちは、MASAYAです!

学校が自分に合わない、学校のルールはおかしいんじゃないか…?

そんなことを感じたことはありませんか?

今回は中学1年生の時に不登校になり、現在は石川県内の定時制高校に通われている男子高校生のTさんにお話を伺いました。

この記事ではTさんの「①不登校になったきっかけ」から「②不登校の時の過ごし方と変化のきっかけ」、そして「③現在の思い」という内容についてまとめさせていただきました。

Tさん、ご協力本当にありがとうございました!

それでは、ぜひ最後までご覧ください!

①Tさんが不登校になったきっかけ

Tさんが不登校になったきっかけは、中学1年生のとき学校と合わないと感じたことだったそうです。

中学に入学してすぐに勉強量が増え、真面目な性格のTさんは、毎日出される宿題やテスト勉強に追われ、自由な自分の時間が無くなっていくことを苦しく感じるようになります。

Tさんの中学校には「合同反省会」と称されるテスト勉強の宿題が終わらなかった生徒を対象とした補習授業があり、ある日宿題が終わらなかったTさんはそれに参加することになりました。

ただでさえ勉強が苦痛で学校に長時間いるのがつらいのに、それに加えて補習にまで参加させられることは、当時のTさんにとってかなりの負担となりました。

さらに、Tさんには小学生のころからいじめの問題がありました。

中学に入ってもいじめは同じように続き、「合同反省会」に参加することで周りにいじられることもつらかったと話してくれました。

また、Tさんは髪型や眉毛の規定などといった学校の校則にも違和感がありました。

特に制服の衣替えがTさんにとってはつらかったそうです。

体質的に他の生徒とは服装を変えるタイミングが合っておらず、夏服から冬服に移行する期間は、暑くて過ごしづらかったそうです。

こうした体質とマッチしていない学校の校則に従わなければならないことも、当時のTさんにとっては苦しいことだったと思います。

このように色々な理由が積み重なり、学校を早退する日が増え、中学1年生の10月ごろからTさんは学校に通わなくなったそうです。

Tさんはこの時期について、

「一つ一つは致命傷になるほどの出来事ではなかったけど、すべてが重なり学校と合わないと感じるようになってからは、本当につらかった」

と語ります。

②不登校の時の過ごし方と変化のきっかけ

Tさんは不登校になってから家でYoutubeを見たりゲームをして過ごす日々を送っていました。

両親や弟妹のいない家で、日中に一人で過ごす時間はとても孤独でつらかったと語ります。

学校に行っていない自分の将来への不安や、人との関わりがない生活がつらくて落ち込んでいきました。

しかしそんな日々の中でも、妹や弟と一緒に遊んで過ごす時間は救いだったそうです。

ご両親も、いきなり不登校になったTさんの気持ちが分からない時期はありましたが、すぐに理解してくれて何も言わずに見守っていてくれたそうです。

ご家族についてTさんは、
「不登校になって精神的につらかった時、前と同じように普通に接してくれたことが本当に嬉しかった。家族だけはずっと味方だと感じられた。」
と話してくれました。

そのようにして家族と家で過ごす日々が続いていたTさんですが、中学2年生の9月頃に転機が訪れます。塾と、フリースクールに通い始めたのです。

Tさんはまず、ご両親からの提案で塾に通い始めました。

ご両親からの提案に初めは乗り気ではなかったTさんでしたが、家で過ごすことにも飽きてきており、人との関わりが欲しかったことから通うことを決意したそうです。

長い期間勉強から離れていたTさんは、勉強に対して苦手意識がありました。

しかしTさんが通っていた塾は、宿題を強制しないことや、生徒の進捗に合わせてカリキュラムを組むシステムがありました。

そのような自由な雰囲気が自分に合っていると感じて、Tさんは塾に通い続けることができたそうです。

またその後しばらくして、塾に併設されていたフリースクールにもTさんは通い始めました。

夕方からだった塾と違い、フリースクールには午前中から通うことができたことで、しだいに生活リズムも整えることもできました。

フリースクールではスタッフの方や友達とボードゲームをして遊んだり、勉強をしたりして毎日を過ごしていました。

そうして塾とフリースクールに通い続け、中学3年生になった時、Tさんは進路について考えるようになりました。

それから自分が将来つきたい仕事であった自動車関係の事を学べる工業高校を目標に、塾とフリースクールで受験勉強を始めました。

いきなり5教科すべてを勉強することは難しかったので、スタッフの方と相談して、自分に合ったペースでコツコツ学習を続けていきました。

残念ながら志望校に合格することはできませんでしたが、受験勉強をきっかけに気持ちが前向きになり、県内の定時制高校に進学することができました。

③現在の思い

Tさんは現在、4年制の定時制高校の3年生です。

定時制高校について振り返ってもらうと、Tさんは、

「定時制高校には中学校で持っていた不満がひとつもないです。

髪色や化粧なども自由で制服もありません。校則の厳しさは自分に直接関係しているかどうかというより、自由であるという感覚が重要だと思っています。

また、宿題がないことも快適に過ごせている要因だと思います。

勉強量を自分で決めることができるので、自由に自分の時間を過ごせてとても楽です。

高校に3年間通っていていまだに無遅刻無欠席です。

中学校には行けなかったのに、今は通えている。

自分に合った環境を見つけることが重要だと考えています。」

と話してくれました。

また3年生ということで卒業後の進路についても聞いてみたところ

「現在は、勉強をして大学に行くよりも、卒業後は就職をしたいという気持ちが強いです。自動車関連の分野で、トラックやバスの運転手、フォークリフトの免許を取って倉庫の仕事をすることなどを考えています。

自分にできる範囲の事をしていって、その道につければ嬉しいです。

今は好きなことができていて充実しているし、将来への心配をすることも少ないです。」

そうTさんは答えてくれました。

最後にーTさんのお話を聞いて

私はTさんのお話を聞いていて、Tさんは、確かな自分を持っている方だと感じました。

そのために、学校のなぜあるのかわからないルールに悩まされ、つらくなってしまったのではないでしょうか。

私はTさんにとって重要だったのは、どんなに辛い時期にも家族という絶対的な味方がいてくれたことだと思います。

家族でなくても、友達や猫、植物でも、とにかく安心できる相手がいることは、精神的に辛い時期を乗り越えるためにとっても大切なことなのだと思います。

最後までお読みいただきありがとうございます。

そして記事にご協力いただいたTさん、本当にありがとうございました。

来週は大学のテストのためお休みしますが、次回は中学1年生で不登校になり、現在はフリースクールに通っている女の子Aさんの記事をまとめさせていただこうと思います。

不登校についてのご質問等ありましたら、お気軽にお問い合わせフォームよりご連絡ください。

記事についてのご意見、ご感想などもお待ちしております。

それでは、これからもよろしくお願いします!


著者紹介
MASAYA
石川県野々市市を拠点として活動するフリースクール「BASE」のアルバイトスタッフ。小学校5年生のときに不登校になり引きこもりやうつ症状などを経験した。中学生のころにフリースクールを利用しながら社会復帰をした。通信制高校を卒業後、現在は大学で心理学を学んでおり教育の道を志している。

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