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新たな姓名判断の確立現場

 占いは当たるとか外れるとかその両方とか、いろいろ言われていますけれども本当のところはどうなんでしょう。そう思ってはいても、何も占えない私には予言ひとつできません。ただ、調査ができれば、少なくとも占いの精度が何となく判断できるのではないかと考えたんです。

 そこで、歴史に名を刻んでいる偉人とも呼ばれる方々のプロフィールを占いサイトへ片っ端からぶち込んでみることにしたんです。歴史上の人物は人生が完結しておりますし、何しろ歴史に名を刻めるほど偉大な方々ですから、人生が事細かに調べられている。彼らの身に何が起きたのか、ネットで簡単に出てくるんです。つまり、占いが言い当てたかどうか分かりやすい。更に、歴史上の人物は、授業で学生たちを悩ませる程度には数がいます。調査の数も充分に多いわけです。

 結果としては、占い通りの人生だった人もいれば、そうでない人もいました。桁違いの功績があるのに誕生日で占ったら「何も達成できない」となっていた人、今では悪者の典型みたいな扱いなのに姓名判断では「向かうところ敵なし」だった人も普通にいました。当たってた人もたくさんいました。つまり「当たるも八卦、当たらぬも八卦」そのまんまでございました。

 もちろん、個人がやっている調査なので、反論の余地はたくさんあると思います。歴史上の偉人だって人生の全てが判明しているわけではありませんから、一見すると占いが外れているように見えて実は当たっているパターンも考えられます。しかし、それは逆に当たってるようで実は外れていたパターンもあることを示しています。

 また、サイトの占い程度で判断するからそんな結果になるわけで、占い師にじっくりやってもらったら違う結果が出る可能性もあります。ただ、何も占えない私には偉人をじっくり占うスキルがありませんし、わざわざ占い師のところまで出向いて「徳川家康の運勢を占ってください」と言うには勇気が要ります。

 結局、占い調査の結果は「分からないことが分かった」わけですけれども、その過程で興味深いことを知れました。

 名前の画数から運勢を診断する占い「姓名判断」ですけれども、この占いは人によって診断さえできない場合があるというのです。生命診断は文字通り姓と名で診断するわけですから、フルネームが名字+名前の人しか診断できない。つまり、ミドルネームのある人は占えないことになります。他にも世界には様々な形の名前が存在し、例えばミャンマーに住む人の多くは名字が存在しないようなのです。つまり、最初から最後まで全部名前となっている。こうなってくると、そもそも占えない。

 今は日本にもいろんな国の人がやってきますから、「ちょっと占ってもらおうか」という人が増えてくるかもしれない。せっかく「名前で占うものもあるのか。じゃあやってみようか」となったのに、「名字がないから無理です」と断るのは申し訳ないと思う占い師はきっといらっしゃるに違いない。つまり、どんな名前にも対応できる姓名判断の構築が急務なんです。というか、私が思いつくような話ですから、きっと占い業界では今、名うての占い師が集まって新たな姓名判断を構築しているに違いありません。

 占いについてはよく分かりませんけれども、その状況が熱いのは分かります。何も分からないなりに、新しい国際的な姓名判断を構築していく現場は覗き見たい。姓名判断の大御所たちが画数の概念で白熱の議論を繰り広げる様子を目撃したい。そう思った次第です。

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