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M-1グランプリ2023予選動画感想 2023年8月16日1回戦TOP3

 M-1予選の時期になると、備忘録的な感じで感想を書き、書いたら書いたで勿体なくなってネットに載せるという癖が毎年蘇ります。そして、今年も蘇らせてしまいました。よろしくお願いいたします。

 今回はM-1グランプリ2023年の8月16日に開催された予選1回戦TPO3動画に登場した芸人の感想となります。手短ではございますが、よろしければどうぞご覧ください。


1.マイファザー

 東京NSC27期のコンビです。
 ボディービルの大会をラジオで聴くネタです。
 「音では伝わりきらないものを音だけで何とかする」という縛りを作って、そこからどう遊ぶか考えてゆく形となっています。ラジオですから音だけで勝負するはずなのに、ボケが顔芸でも笑いを取ろうとしているところがねじれていて興味深く感じました。意図的にやっているのだとしたら末恐ろしいコンビですけれども、ツッコミがそこに一切ふれていないため、実際どうなのかは判断できません。

2.ギンギラギンのギン

 SMAでしばしば見られる、コンビ歴は割と浅いけど芸歴は結構なベテランのコンビです。
 「大分」の「いた」の読み方を他の全ての「分」にも用いるなど、地名の独特な読み方をとことん誤用してゆくネタです。
 アイデアの勝利と言うべきネタです。このような独自ルールをベースに展開されるネタですと、それを観客に分かってもらわないと面白さが伝わりづらくなってしまうため、どうしてもルール説明に時間を割かざるを得なくなります。しかし、この組の場合は単なるルール説明にせず、敢えて変な事例ばかり持ってきたり、じわじわ揉めだしたりすることで、暗に説明しながらも笑いを誘う仕組みを構築しています。また、ツッコミがちゃんと考える時間を設けることでネタ中の会話に自然さを出すと共に、ややこしいルールを観客に理解してもらう時間を確保していますし、「地図で漢字覚えた?」「脳トレやってんの?」など奇妙な状況を端的に分かりやすい言葉で表すなど、観客を置いてけぼりにさせない工夫が随所に見られます。加えて、終盤では海外の地名に発展させているなど、単なる独自システムの紹介に留まらない点が評価されたのだと思われます。

3.グラム

 マセキ芸能社のコンビです。
 ジムを宗教の施設と勘違いするネタです。
 タブーとまではいかないまでも、割と避けることの多いテーマを非常にうまくまとめています。扱いづらいテーマをどう使うかについては、いくつもの方法があるとは思うんですけれども、この組の場合は表現の一つひとつにまで気を配り、「間違ってたら申し訳ないんですけど」の出だしでも分かる通り、マイルドにするべきところはしつつも、後半で時事ネタをキッチリ放り込むなど攻めても大丈夫そうなところではちゃんと攻めるなどの微妙な匙加減を駆使してウケを取っています。ボケのおっかなびっくりな喋り方も当然、微妙な匙加減の一環だと思われます。

 今回の感想は以上になります。ではまた。

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