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本当にある不思議な出版社名⑦「他の何かから」

 日本における出版社の数は年々減り続けているようですが、それでも3000近くの会社があるようです。ひとりで経営しているところもあれば、ビル1棟丸々出版社というところもございます。

 これだけたくさんあれば不思議な名前の出版社があるかなと思ったら、やっぱりありました。せっかくなのでジャンルごとに分けてまとめまして、こちらで紹介してみます。

 今回は主に「トーハン取引出版社名簿 2022年版」と「日本図書コード管理センター」の「登録出版社の照会」に乗っている出版社から、個人的に「ああこれは不思議だな」と思った出版社を選びまして、簡単な説明を添えました。

 なるべく現在でも出版活動を継続しているものを選びましたが、そうでない場合もございますのでご了承ください。

 今回は既に存在するものから名前をもらった出版社名の中でも特に特徴的なものを選んでみました。では、早速参ります。

トンカチ

 「トンカチ」はいわゆるハンマーですね。児童書を中心に出版されています。
所在地
東京都渋谷区
WEBサイト
https://tonkachi.co.jp/

髪書房

 髪の本ばかり出してそうな名前ですが実際そうでした。美容師関係の書籍を出版されています。
所在地
東京都港区
WEBサイト
https://www.kamishobo.co.jp/

希望

 「希望」はある物事の実現を願うことを指します。かなりあちらこちらで使われる言葉ですが、そっくりそのまま名前にしてしまうことはそこまで多くありません。中国の古典の解説書などを出版されています。
所在地
徳島県阿南市
WEBサイト
https://kiboinc.com/

レベル

 「レベル」はもともと「水準」や「段階」を意味する英語でしたが、ゲームなどの影響により「レベル」だけで何となく意味が通じるようになりました。ヨガや妖怪の書籍などを出版されています。
所在地
大阪府大阪市浪速区
WEBサイト
http://www.level-jp.com/

りんごの木

 リンゴの実をつける木を指しますね。講演録を出版されています。
所在地
神奈川県横浜市都筑区
WEBサイト
https://ringono-ki.org/top.htm

上ノ空

 「上の空」は他のことに意識が向いていて本来注意を向けるべき事柄に集中できていない状態を指します。心理学者の書籍などを出版されています。
所在地
東京都世田谷区
WEBサイト
http://uwanosora.co.jp/

メディア

 「メディア」はもともと「媒体」や「手段」を表す言葉です。「メディア〇〇」とか「〇〇メディア」という名前は多くございますが、メディアそのものを名前にするのは珍しいです。と言いつつ、出版社では前株のメディアと後株のメディアが確認できました。前株のほうは出版事業を継続されているのか確認できませんでしたので、ここでは後株のメディアのみ扱っています。歯科関連の書籍を出版されています。
所在地
東京都文京区
WEBサイト
https://www.media-inc.co.jp/

マガジン・マガジン

 「マガジン」はもともと「雑誌」を意味する言葉です。「〇〇マガジン」という名前は多くございますが、マガジンを2回繰り返しているのは珍しいです。パズル雑誌を出版されています。
所在地
東京都新宿区
WEBサイト
http://www.magaz.jp/
ウィキペディア
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9E%E3%82%AC%E3%82%B8%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%83%9E%E3%82%AC%E3%82%B8%E3%83%B3

これから出版

 「これから」はもちろん「今後」を意味する言葉でしょう。イベント会社「東雲座カンパニー」の出版事業部です。地元作家の書籍を出版されています。
所在地
愛知県豊橋市
WEBサイト
https://korekarabook.stores.jp/
ウィキペディア
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9D%B1%E9%9B%B2%E5%BA%A7%E3%82%AB%E3%83%B3%E3%83%91%E3%83%8B%E3%83%BC

でくのぼう出版

 山波言太郎総合文化財団の出版事業部です。「でくのぼう」は「木偶の坊」と書き、「木偶」は木彫りの人形を指しまして、「木彫りの人形みたいに役に立たない」という意味の悪口として使われていました。宮沢賢治の「雨ニモマケズ」にも出てきている単語であり、そこから名前をもらったようです。精神世界系の書籍を中心に出版されています。
所在地
神奈川県鎌倉市
WEBサイト
https://yamanami-zaidan.jp/dekunobou/

代わりに読む人

 誰の代わりなのかは軽く調べただけでは分かりませんでしたが、とにかく代わりに読む人です。文芸書などを出版されています。
所在地
東京都目黒区
WEBサイト
https://www.kawariniyomuhito.com/

なんとなく・クリティック

 田中康夫さんの作品「なんとなく、クリスタル」を意識しているのだと思われます。同名の書籍を出版されています。
所在地
東京都世田谷区
WEBサイト
https://twitter.com/nantonakucritic?lang=ja

グランまま社

 祖母を意味する「グランマ」から来ているのだとは思います。「ま」がひとつ多い理由は不明ですが、検索すると同名の店舗がたくさん出てきます。児童書を中心に出版されています。
所在地
東京都世田谷区
WEBサイト
http://www.cam.hi-ho.ne.jp/g-mama/

あいうえお館

 ア行が名前の大半を占めています。ウルトラマンや怪獣の絵本を出版されています。
所在地
東京都渋谷区
WEBサイト
http://www.aiueo-kan.co.jp/

おわりに

 いかがでしたでしょうか。既に存在するものから名前をもらうと言っても、何から名前をもらうかによって全然変わってくるわけです。今回取り上げた出版社名ですと、「そこからもらうんですか」とか「そんなもらいかたするんですか」とか、個人的にはいろんな驚きがあって大変興味深かったです。

 それでは、今回は以上となります。ここまで読んでくださり、ありがとうございました。

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