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今も昔もこれからも失敗はつきものです

 過去の自分は比べるのがとても難しいと思っています。大半の人が自分について詳細な記録を残していないにもかかわらず、「自分のことだから分かるはずだ」という先入観があるからです。

 例えば、何か失敗したとします。地味だけど普通だったら絶対にやらないような失敗。シャツを表裏どころか前後も同時に間違えて着るとか、玄関どころか全ての窓を開け放して外出しちゃったとか、そんなことをやらかすと多かれ少なかれ落ち込むわけです。そして、場合によってはこんなことを思ってしまいます。「昔はこんな失敗しなかったのに」。年齢を重ねれば重ねるほど、そう考えることが増えていきます。

 しかし、よく考えてみると、失敗なんてずっとしてきたわけです。ただ単に忘れていたり、うろ覚えなのをいいことに過去の失敗を実際より小さく記憶していたり、本当はド派手に失敗してるんだけど他の人のフォローで何とかなっていただけだったり、いろんな要素が過去の失敗を過小評価したり、場合によってはないものにしている。

 例えば私、カレーの材料を一通り買って来まして、材料も切り終えて鍋に入れしっかり煮込み、さてルーを入れようという段階になって初めてルーを買い忘れたと気づいたことがあります。それだけでも頭が悪いにも程があるんですが、子供のころには火曜日の次に水曜日が来ることを忘れて木曜日の支度をして学校へ行き、先生にしこたま怒られたことがあります。自動車学校に通っていた頃には受ける授業を間違えてしまったせいで免許を取れなくなりそうになったことがあります。最近だって大岡山駅に行こうとして上大岡駅で降りたり、北千住駅に行こうとして下北沢駅で降りたりとやりたい放題です。

 もちろん、「こんな失敗」が初めての場合もあるでしょうけれども、どんなにちゃんとしたところで時にものすごい失敗をするのが人間というものです。失敗に落ち込むのも結構ですが、こんなもんだろうと割り切るのも大切だと思います。

 この考えの欠点は、本当に身体の調子が悪くて起きた失敗だったとしても、「まあ、そういうこともあるよね」と思い込んで見逃しかねないというところです。そう考えると、ちょっとは落ち込んだ方がいいのかもしれない気もしますね。

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