M-1グランプリ2023予選動画感想 準々決勝その5
M-1予選の時期になると、備忘録的な感じで感想を書き、書いたら書いたで勿体なくなってネットに載せるという癖が毎年蘇ります。そして、今年も蘇らせてしまいました。よろしくお願いいたします。
今回はM-1グランプリ2023年の準々決勝動画に登場した芸人の感想となります。五十音順に書いておりまして、なかなかのボリュームとなっておりますが、よろしければどうぞご覧ください。
1.トンツカタン
挨拶を起点として、過去や未来にタイムスリップするネタです。
「〇分後」「〇分前」と宣言してタイムスリップするシステムを使い倒す形となっています。特殊な形ですが、単なる繰り返しにならないよう、タイムスリップのパターンを変えたり伏線として使ったりしています。
2.ナユタ
マジカルバナナの練習をするネタです。
マジカルバナナは前の人が言った単語から連想されることを言うゲームでございまして、当然ながら間違った連想をすることで笑わせる形となっています。見せ方は基本的に共通していますが、ボケとツッコミのやり取り自体がかなり強いという特徴があります。特に際どい表現をしなくても普通に何とかできるほどです。
3.人間横丁
「しんにょう」を逆に書いたほうがいいと主張するネタです。
相方の主張を理解しようとするんだけどできない形を、天真爛漫なボケに対してツッコミが振り回され嘆くスタイルでやっていきます。テーマの独特さとツッコミのワードで笑わせるパターンが多いのが特徴です。
4.パーフェクトパワーズ
刑事ドラマをやってみるネタです。
オーソドックスなテーマをベースに、自分たちのキャラクターを活かし、一貫してTBSのスポーツバラエティ番組に関する「あるあるネタ」をやっていく形となっています。
5.ハイツ友の会
X(旧ツイッター)が上手じゃない人をいじっていくネタです。
Xの「あるある」をひたすら言っていく形となっています。特定の個人をいじらない、言い過ぎない、思いもよらない方角からいく、予防線を張っておく、でも核心は突く、などなど、笑えるいじりにするための条件を満たしているところが特徴で、特に予想もつかない発言が特筆すべき点です。
6.ハスキーポーズ
レンタルお母さんをやってみるネタです。
レンタルお母さんがレンタル旦那を雇って仕事に来たため、レンタル夫婦みたいな状態になっているという独特な形となっています。その特殊な形を活かし、ちょっといい場面から修羅場に陥るなどして、人を惹きつけるストーリーに仕上げています。
7.春組織
果物が食べ頃になると色が赤くなるように、人が恥ずかしくて顔を赤くなった時が食べ頃だということで、恥ずかしくなって人食いモンスターに食べられようとするネタです。
「恥ずかしいことをして顔を赤くして人食いモンスターに食べられる」という形になっているわけですが、前段階として果物云々の理屈が存在しており、複雑な設定となっています。ただ、対照的に本編でやっていることは単純で「顔を赤らめたら食べられる」を基本形にして、繰り返すごとに変化させて見せています。
8.バンビーノ
しゃがみ鬼というオリジナルの遊びを作ってみるネタです。
テンポのいいゲームを実践し、新しいルールを少しずつ追加して変化させていく流れとなっています。ふたりがノリノリになる部分も見せることで笑わせています。
9.パンプキンポテトフライ
ハメ撮りした話をするネタです。
際どいテーマかと思ったらそうじゃないと思わせておいてやっぱり際どいテーマでやっていく形となっています。直接的な言動はなるべく防ぎつつも何をしているのか分かるよう調整されており、更にツッコミの喋り方によって生々しさを軽減させ、カラッとした下ネタに仕上がっている印象です。
10.ビスケットブラザーズ
貸した2000円を返さなくていい代わりにお願いをするネタです。
「お願いと聞いて何を勘違いしてか服を脱ぎ始める」をベースに話が進んでいく形となっています。絶妙に笑える演技をしているために、ちゃんと馬鹿馬鹿しくなっています。着直すところも、そのままでも妙に笑える上、次の脱ぐ場面へのフリに近い役割を果しており、意外と無駄な場面がないネタでもあります。
11.ひつじねいり
カラオケについて両者のこだわりをぶつけ合うネタです。
点数と理論を重視する極端にクールなボケと情熱と感情を重視する熱血タイプのツッコミが真正面から意見をぶつける形となっています。両者の性質を極端にすることで大きなギャップが生まれ、笑えるようになっております。終盤ではクールなボケが情熱的な動きをする意外性で大きな笑いを得ています。
12.フランスピアノ
友達にビデオレターを送ってみるネタです。
友人の家へビデオレターを直接持って行くという、出オチともとらえられかねない特殊なスタートから、徐々にボケの奇妙な行動の理由が明らかになっていくと共に、冒頭の奇妙な行動に必然性が増してゆく、ミステリー小説のような力の入った構成となっています。ラストにもう一発どんでん返しをかますところなどもミステリーを彷彿とさせます。かなり力の入ったストーリーです。
13.紅しょうが
大をしているのに小をしたかのような顔で出てくる練習をするネタです。
出てきた時の表情や格好を見てツッコむ形を繰り返しつつ、ちょっとずつ変化をつけていく構成です。出てきた時の顔と、その際にツッコむ言葉をメインに、トイレでの行動でもウケを狙っています。
14.ボニーボニー
公園で見た老夫婦をやってみるネタです。
老夫婦のやりとりが漫才っぽくなってしまい、ツッコミが戸惑いつつもその状況を解説していく形となっています。後半では登場人物がひとり増やすことで話を変化させていますが、「老夫婦の言動がかなり芸人っぽい」というところは全くズレておりません。
15.盆と正月
マッチングアプリで会った女の子とデートするネタです。
ボケとツッコミの言動が組み合わさって初めて笑える形式を丹念に積み重ねていく形となっています。ツッコミは最初にパンチライン的な言葉でバシッとツッコんだ後、補足をいくつかくっつける形式を多用しており、最初の一撃の形が比較的決まっているという特徴がございます。
16.マチルダ
嫌な上司に対応してみるネタです。
「叱る上司の言動を真似する」に終始しながら、少しずつ展開を変化させていく形となっています。一句詠んだり、イップスになったりと、ただ喋りを真似するだけですが意外と多彩な変化をさせています。
今回の感想は以上となります。ではまた。
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