M-1グランプリ2023予選動画感想 準々決勝その6
M-1予選の時期になると、備忘録的な感じで感想を書き、書いたら書いたで勿体なくなってネットに載せるという癖が毎年蘇ります。そして、今年も蘇らせてしまいました。よろしくお願いいたします。
今回はM-1グランプリ2023年の準々決勝動画に登場した芸人の感想となります。五十音順に書いておりまして、なかなかのボリュームとなっておりますが、よろしければどうぞご覧ください。
1.豆鉄砲
東京に人が集まる理由を主張するネタです。
ボケが延々とトンデモ理論をぶち上げまして、相方が脇からツッコんでいくも主張が止まらない形となっています。奇妙な主張のおかしさに重点が置かれておりまして、他は添え物のような位置づけになっています。
2.ミカボ
〇×クイズをやってみるネタです。
特定の人間をうまくいじるような出題ばかりする形となっています。冒頭のクイズが非常に強烈なインパクトを誇っており、一旦は止めるも相方が禁断症状に陥っており、いじりを欲する流れに必然性を持たせています。
3.ミキ
両親の結婚記念日にあげるプレゼントを考えるネタです。
温泉の素をプレゼントしようとしたら、相方は温泉旅行をプレゼントしようとしていた、というテーマをベースに、ふたりの関係性を別のものに例えつつ小競り合いをしていく形となっています。早口で喋り合うため、非常に手数が多い特徴がございます。
4.めっちゃ最高ズ
授業参観に行ってみるネタです。
ボケが明るくて声が大きく動きも多い暴走型で、ツッコミは最初振り回され、後半は暴走型となりボケに対抗していく流れとなっています。コントの場面自体は同じですが演じる人物が変わることで展開を変化させており、何気に珍しい特徴となっています。
5.モシモシ
来世になると占い師に言われた教頭先生をやってみるネタです。
「こんな来世で幸せになれるわけがない」を前フリにして、幸せな来世にする形となっています。占い師に言われた来世の特徴を伏線として回収しながらハッピーエンドに向かって話が進んでいきます。
6.モンスーン
付き合うならどっちがいいのか勝負するネタです。
互いに自分の方がいいと主張するわけですが、ボケの主張が世間からズレにズレており、ツッコミがそれを指摘する形となっています。そういう意味ではオーソドックス寄りと言えます。
7.やわら
歌詞は同じだけどメロディーが全部違う歌をうたうネタです。
「何を歌ってもメロディーが全とっかえになる」というシステムをもとにいろんな歌をうたい、最終的にはその性質を逆手にとってクイズを始める形となっています。「何の歌をうたっているのか」がオチとなる流れを繰り返しているとも言えます。
8.ヤングタウン
中学の生徒会長選挙における応援演説をやってみるネタです。
応援演説が田中角栄そのものであり、中学の生徒会長選挙でも田中角栄っぽいことをやる形になっています。後半では根回しに暗躍するすることで展開に変化をつけています。
9.ゆにばーす
なぜオナラを疑われたのか考えるネタです。
「見た目でオナラをしたと思われた」という、ご時世的なギリギリを狙ったテーマを選んでおります。そうかと思いきや、相方を気遣ってみたり、実際にオナラをしていた流れにしたりと、際どいテーマとのバランスを取っています。
10.ヨネダ2000
声が急にアヒルっぽくなるネタです。
9割以上何言ってるのか分からないという形になっております。ネタの大半が何を言っているか分からないという形自体は非常に少数ながら存在しており、身振り手振りが情報伝達のメインに躍り出るため、意味が分からないなりに言い方で感情を伝えられるという差はあるものの、「サイレントネタ」すなわち何も言わず動きだけで笑わせるネタに近い性質を持つこととなります。そこから元に戻す方法を模索し、糸口を掴んでいくところにこの組の独自性がございまして、異常な状態からパッと正常な状態に戻るギャップで笑わせることに成功しています。
11.らぶらいken
新幹線におけるB席の不便さを再現するネタです。
「両脇が変な人」という、基本に立ち返ったかのような形となっています。中盤以降は両脇の位置と役割が入れ替わることで変化をつけ、2人や3人でボケるなど表現の幅を広げています。
12.隣人
修学旅行でスカイダイビングをやってみるネタです。
ダイブする直前でタバコが見つかり、空中で荷物検査をする形となっています。漫才ということで身ひとつなんですが、特殊な状況を表現しているにも関わらず、セリフがうまいのか動き方がうまいのか両方なのか、さほど激しく動いているわけでもなければ説明に終始しているわけでもないのに何が起こっているのか分かるようになっています。
13.Let Me Show You THE まごころ
互いに言ったワードをもとにリズムを取るネタです。
同じくだりを繰り返したと思ったら、そこで用いたワードを使ってリズムを取り始めるという、独特な形となっています。ストーリーはほとんど存在せず、システムとセリフの面白さでウケを狙うスタイルだと思われます。
14.忘れる。
旅行中に何を考えていたのか言っていくネタです。
「何を考えていたのか、いちいち相方に言っていく」というシステムをひたすら繰り返しつつ、内容をちょっとずつ変化させていく形となっています。最初は駅弁回りをウロウロしていたのが、米の辺りから弁当以外に触れていき、混沌としすぎて終いには訳が分からなくなる流れです。
15.わらふぢなるお
相方の紹介をするネタです。
「ツッコんでる最中にもかかわらず相方がボケようとしてくる」という特徴はもちろんですけれども、ツッコミはツッコミでだいぶ前に言ったボケも思い出したように拾ってくる行為を多用している点が特徴的です。行為自体は能力のある芸人を中心によく見られるんですけれども、ここまで多用してくる組はまずいらっしゃいません。
今回の感想は以上となります。ではまた。
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