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「爆笑問題のススメ」から「さらばのこの本ダレが書いとんねん!」へ

 「爆笑問題のススメ」という番組があったんです。放送期間は2002年から2006年で、爆笑問題のふたりがゲストで作家やそれに近い人を呼んでトークをする番組でした。

 もうだいぶ昔の番組のせいか、ゲストの一覧を見つけるのにも若干の手間が必要でした。ちゃんとした作家からゴリゴリの色物まで、なかなかバラエティに富んでいたと記憶しております。

 爆笑問題と言えば、暴れ回る太田さんとそれをたしなめる田中さん、というイメージであり、もうちょっと詳しい人だと太田さんはヤバいけど田中さんはもっとヤバいという認識だと思います。ただ、作家は自分の世界を世間に伝えるお仕事のためか、爆笑問題に負けず劣らずヤバめな人が多く、たびたび爆笑問題をたじろがせるなど印象深い場面もたくさんありました。

 田原総一朗さんの場合はお笑い界の大御所の名をいくつかあげ、「何でまだあの人らをのさばらせてるの?追い出しちゃえ、追い出しちゃえ、追い出しちゃえ」のようなことを言って爆笑問題を苦笑させていましたし、リリー・フランキーさんの場合は女性にキラキラした夢を語る中年男性に対して「こいつどんな顔してク〇ニしてんだか」みたいなことを平気で言ったりしてました。

 中でも、亡くなる直前の中島らもさんが出演されていたのはよく覚えています。いわゆる「放送禁止用語」というものに疑問を抱いていた中島さんはその時も言っちゃいけないことを敢えて言い、それから放送できない言葉を並べつつもポジティブに仕上げた「いいんだよ」という歌を披露して、「今日は歌もうたったんでギャラを300万ください」と言ってのけたりしていました。ネットで調べると歌詞がちょっと異なる「いいんだぜ」というものも出回っているようです。

 深夜番組ではありましたが、毎週のように見てた記憶があります。どうして、これを思い出したのかと申しますと、さらば青春の光のふたりがYouTubeのチャンネル「さらば青春のテレビ大阪チャンネル」で変わった本を紹介する企画「さらばのこの本ダレが書いとんねん!」を見たからです。

 変わったことしてる人を呼んで、いじったりいじられたりするのが面白いのはあんまり時代を問わず、普遍的なのでしょう。だから、時代が変わってもこうやって番組の企画になる。さらば青春の光はおふたりとも爆笑問題の太田さんのように下ネタを放り込むのが得意なためか、軽い既視感を覚えます。

 ただし、太田さんは学生時代から文学に親しむ読書家で、早くから時事漫才を披露し、政治や社会問題に対する発言をしていたため、「爆笑問題のススメ」はどちらかというとアカデミックや社会派な側面がチラホラ見受けられました。さらば青春の光のおふたりの読書遍歴は存じ上げませんが、時事ネタをゴリゴリやるイメージはなく、そのためか「さらばのこの本ダレが書いとんねん!」ではカジュアルな感じで書籍を取り上げ、著者とお話をしています。そういう意味では、別路線と言えます。

 お笑いも好きだし、本も読むよという方は「さらばのこの本ダレが書いとんねん!」を楽しめると思います。

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