幽霊に塩

 対幽霊のアイテムとしてよくあげられるもののひとつに塩があります。お清めみたいなイメージがあるからでしょうか。怖い話でも塩はしばしば登場しますし、ネットを軽く検索すると「除霊のための塩は食塩でもいいのか」という質問から「実は塩は逆効果」なんて逆張りさんまでいて、幽霊に効くかどうかはともかく、幽霊を語る人たちは塩に関してもよく語っているようです。

 ただ、ふと思ったんです。仮に幽霊が塩を苦手としていたとして、人体にも塩分が普通にあるのはどうなんだと。塩分が苦手なんだとしたら、人の塩分だって幽霊は「うっ!」となるはずなんです。汗とか飛んで来たらのけぞりでもしないとおかしい。

 そこで考えました。人の体液と同じ塩分濃度である生理食塩水は1リットルの水に9グラムの塩を溶かした液体とされています。これは盛り塩と同列に扱ってはいけない。我々だって生理食塩水を飲むように盛り塩を口に中に突っ込んだら、むせるだけでは済まされません。

 ということは、幽霊にも苦手な塩分濃度があるということでしょう。ここまでの感じでは、薄いよりは濃いのがダメそうです。

 いや、それは別に幽霊に限った話ではなく、大概の生物がそうなんじゃないでしょうか。実際、塩分がものすごく濃い湖として「死海」というものが存在し、塩に強い一部の微生物を除けば生物らしい生物が存在していません。濃すぎる塩分は大半の生物にとって毒であり、盛り塩ならばなおさらです。

 じゃあ幽霊も生き物と一緒じゃん、というよく分からない結論に辿り着きました。誰か助けてください。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?