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【第20回】ジミー・リード/アイム・ジミー・リード

私はあまり旅行はしないんだけど、行くなら観光地を周りまくる弾丸ツアーみたいなのは嫌だなあと思っている。あまりに人の多そうなところは嫌だし、のんびりと田舎で過ごすくらいな感覚で行きたいタイプだ。そして「ここの人たち、こんな何もないようなところでどうやって生活してるんだろう?」と思うような集落を散策するのが好きなのだ。
そんなのんびりとした旅のお供にしたいのが「ジミー・リード/アイム・ジミー・リード」。どんなLPかと言うと、アメリカの埃っぽい田舎の道を馬車でのんびり走っている風景がよく似合う感じの、ゆったりとしたブルースだ。
以前書かせていただいた「ロバート・JR・ロックウッド/ステディ・ローリン・マン」もゆったりとしたブルースだったけど、あっちは都会っぽい感じがする。こっちは田舎な感じ。埃っぽい感じがするんだよね。
まずジミー・リードの吹くハープが良い。他のブルースで聴くハープに比べるととても甲高く聴こえるのが印象的だ。そしてジミー・リードの歌声。いい意味で気合入ってないというか、鼻歌でも歌ってるかのような雰囲気。このあたりがうまく絡み合ってアメリカの田舎のイメージを醸し出しているのかなぁと思う。私はこの田舎っぽい雰囲気を味わいたくてこのLPをちょくちょく聴いている。旅した気分にまではなれないけれど、穏やかな気分くらいにはなれる。
そういえばまだ私が社会人になって最初の夏休みだったと思うのだが、横浜から静岡の浜名湖まで一人旅をしたことがある。別に浜名湖に行きたかったわけではない。鈍行列車で行けるところまで行って、一泊して帰ってこよう程度の軽い気持ちの一人旅だ。全くのノープランだったのは言うまでもない。やることがなくて暇だったんだよね。
そんな気楽な一人旅だったんだけれど、途中熱海やら掛川城やらを散策するも暑くてゆっくり観光する気にもならないし、宿がなかなか見つからなくて2時間くらいほっつき歩いたし(途中うみむしうじゃうじゃ道路があって超気持ち悪かった!)、晩ごはんはどこでも食える弁当しかなかったしで、面白くともなんともない一人旅になった。
このときはまだブルースに出会っていないので、ジミー・リードを聴きながら旅行に行けなかったのはつくづく残念だ。ご旅行は計画的に。

一人旅
ブルース片手に
地味(ジミー)旅行

季語はブルース。

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