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【第9回】ジュニア・ウェルズ・シカゴ・ブルース・バンド/フードゥー・マン・ブルース

私は比較的LPを(特にブルースの場合は)聴き込んでいくうちに好きになることが多いのだが、たまに最初に聴いた瞬間好きになるLPに出会うことがある。私はこれを一耳惚れ(ひとみぼれ)と呼んでいる。この「ジュニア・ウェルズ・シカゴ・ブルース・バンド/フードゥー・マン・ブルース」も一耳惚れしたLPの1つだ。
期間は短かったようだが、このジュニア・ウェルズという人もマディのバックでハープを吹いていたようだ。流石、マディ・ファミリーに外れなし。このLPはホントにカッコよくて、しばらくはかなりのヘビーローテーションで聴きまくっていた。
まずジュニア・ウェルズのボーカルが良い。感情剥き出しでクセが強く、たまにあげる奇声も実にカッコよろしい。クセをカッコよくブルースにノセてるという感じだ。まあ、このクセの強さは好き嫌い分かれるところかもしれないね。私はクセの強いボーカル大好きです。
それからバックの演奏。音数は少ないんだけどショボさは全く感じない。なんか無駄を削ぎ落としまくって必要な音だけを残しましたよって感じ。これが実に潔くてカッコよいのだ。バディ・ガイ(この人名義のLPもカッコいい!)のギターもキンキン鳴っててソリッドな感じ。下手な小細工なしに聴かせてくれる。
話の趣旨が変わってきてしまうのだけれどもこれも言っておきたい。最後の「ヤンダー・ウォール」という曲、ボーカルのクセが強すぎて「ぃやんのかっ!」って聴こえる。曲中結構頻繁に出てくるので、興味のある方は是非聴いてみてください。タモリ倶楽部の空耳アワーに応募したら手拭いくらいもらえないだろうか。
さて、最後に「チトゥリン・コン・カーン※」という曲について。この曲インストゥルメンタルなんだけど、曲名はどっかの国のソウル・フードのことらしい。どんな食べ物かは知らないけれど、ソウル・フードをインストゥルメンタルで表現するってなかなかにスゴいよね。私たちでいうとお味噌汁になるだろうか。お味噌汁についてインストゥルメンタルで表現できる人っているだろうか。
※ケニー・バレルという方の曲らしいです。

お味噌汁
すするブルース
歌はナス(なし)

季語はブルース。

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