【第90回_JWD?⑧】オスカー・ピーターソン/プリーズ・リクエスト
ジャズって1曲で10分を超える長さの曲がザラにあるのだけれど、私のような初心者には結構それがハードルだったりする。まあ、案ずるより産むが易しで、聴いてみると結構普通に聴けちゃったりするのではあるけれど。ただ今までロックやポップスに馴染んできた私にはやっぱり10分以上ある曲だと、「あれ、これ今何曲目だっけ?」と見失ってしまうことが多々ある。
そんな私にうってつけなLPが、今回聴いた「オスカー・ピーターソン/プリーズ・リクエスト」である。このLPは2〜3分、長くて5分を少し超える程度と実に馴染みやすい長さだ。それにLP名の「リクエストをどうぞ」からして、なんか間口を広げてくれている感じがする。LP名だけではない。曲名にも「酒とバラの日々」や「ジョーンズ孃に会ったかい?」、「イパネマの娘」といったなんかとっつきやすい感じのものが多い(まあこれはただ単に邦題になっているからってだけなんだろうけどね)。まさに初心者さんいらっしゃいという雰囲気プンプンだ。
そして結構以前からサイトとかで初心者向けとしてオススメされていたりして、存在は知ってはいたのだけれどなかなか手が出なかったLPでもある。その理由は簡単で、ジャケットに魅力を感じなかったからだ。魅力的なジャケットの多いジャズLPの中で(特に「マイルス・デイビス」のLPのジャケットはカッコいいものが多い)、このLPは絶妙に惹かれないジャケットをしている。今でこそ、初心者に寄り添う感じを醸し出しているジャケットなのだなと思えるのだが、聴く前はなかなか手を出す気になれなかったのである。
中身はピアノ・トリオで、映画やミュージカルなどで流行った曲をジャズっているようだ。結構有名な曲もあるらしいけれど、私は知っている曲はなかった。気取った感じはなくて、ジャケットのようにニコニコ楽しそうにプレイしている感じだ。オスピーさんのことはよく知らないけれど、自分を表現したいというよりは、お客さんが喜ぶことをしたいというような人だったのかもね。
全体的には聴きやすくて優しい曲が多い。その中で最後の「グッドバイ・J・B」はちょっと他と雰囲気が違っていて、疾走感がありカッコよい曲だ。私はこの曲が一番好きなのだけれど、唯一残念なのがフェイド・アウトで終わっちゃうところ。途中でってわけではないのだろうが、最後まで聴きたかったな。
それから「ユー・ルック・グッド・トゥ・ミー」という曲は、聴いていると頭に星空が浮かんでくるような、そんなキレイな曲なのだが、演者さんのウィスパーボイスがそれなりの大きさで聴こえてくる。最初聴いたとき、一瞬私の部屋のどこかで心霊的な何かが起きたのかと思って、心臓がギュッてなった。これからこのLPを聴こうという方はご注意ください。得体のしれない何かがあなたの部屋で苦しんでいるわけではありません。
ところで私はクラシック・ミュージックというものをほとんど聴いたことがないので、感じたままの話になってしまうのだけれど、このLP聴いていてジャズというよりはクラシック・ミュージックのようなイメージを持ったのだけど、実際のとこどうなのだろう。クラシック・ミュージックとはまた全然違うものなのかな。ジャズの次はクラシック・ミュージックに挑戦だな。
このジャズの
ピアノ・どなた?
オスピーさん
ジャズ・ウィー・ダンス?
というわけで「ジャズ・ウィー・ダンス?」のシーズン2でした。今回は何より「ブルー・ミッチェル/ブルース・ムーズ」に出会えたことが何よりの収穫で、少しだけ前に進めたような気がしないでもありません。これからしばらくはシーズン1とシーズン2で聴いた8枚のLPを繰り返し聴いてみようと思います。また機会があればシーズン3でもやってみようかな。それでは次回よりまたブルースの感想文を書いていきます。よろしくお付き合いください。