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【第7回】B・B・キング/ライブ・アット・ザ・リーガル

長い期間王者に君臨するのってスゴい事だよなぁと感心する。1回頂点に立つだけでも相当な事なのにそれをやり続けるというのは、相当にストイックにならないとできない事であろう。
私の頭にパッと思い浮かぶのが、レスリングの吉田沙保里選手、体操の内村航平選手、相撲の横綱白鵬、野球だと森監督時代の西武ライオンズ、Jリーグだと90年代後半からの鹿島アントラーズとジュビロ磐田の2強時代など。
じゃあブルース界の絶対王者は誰かとなるとやはりB・B・キングになるんじゃなかろうか。なにせ愛称が「キング・オブ・ザ・ブルース」だもんね。音を聴いたことはなくても名前だけは知っているという方も多いと思う(私もそうでした)。
ブルースに興味を持ったんだから、B・B・キングは避けて通っちゃいかんだろうということで、名盤と名高いライブ盤「ライブ・アット・ザ・リーガル」を聴いてみた。「最初に聴くのがライブ盤って如何なもんか?」とも思ったけど、なんかライブ盤が名盤ってカッコいいって個人的に思うし、いいかなと。
聴いてまず面白く感じたのが、司会者がいてB・B・キングを紹介するところ。しかもA面とB面で2回も司会者が登場してB・B・キングを紹介する。なぜに2回も登場してくるのか理由は未だによくわからない(A面とB面で違う日のライブだったのか?)。「B・B・キング、もう1回お願いするぜぇ!」とか言ってるのだろうか。
そしてB・B・キングがお客さんに話しかけまくる。歌の途中にもかかわらず話しかけまくる。MCなんて感じじゃなくて、もうお客さんと普通に会話しだしそうな勢いだ。お客さんのほうもスゴい盛り上がりでスゴく楽しんでいる感じが伝わってくる。
終盤に流れる「ウォーク・アップ・ディス・モーニン」という曲はひと昔前のクイズ番組のシンキング・タイムで流れていそうなとても愉快な曲だ。
こんな感じで自分が今まで聴いてきたライブ盤とは結構雰囲気が違ってて非常に興味深かった。なんかライブというよりは、お客さんを巻き込んだショーと言ったほうが近いような感じがした。
これがB・B・キングの魅力なのだとしたら、このLPはそれを伝えることに成功しているんだろうなと思った。そういった意味で最初にこのライブ盤を選んだ私正解。
そして今までB・B・キングと聞くと近寄りがたい王様のようなイメージを抱いていたのだが、このLPを聴いてからはブルースを歌う気さくなおっさんというイメージになった。キングではなく「おっさん・オブ・ザ・ブルース」である。

俺のブルース
聴いてくれるか
おー、サン(おっさん)キュー

季語はブルース。

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