OWCモノローグ)ゆがんだ真実 by 藤野友祐 原案:鳥海真奈美

【前提】
女性・男性どちらでも可です。一人称(私、僕、俺etc)、途中で出てくる人物の敬称(呼び捨て・さん、くん、ちゃんetc)は必要に応じて自由に読み替えてください。
 
 
 

 
 ユーチューバーが生配信をしている。
マミ「これが今をときめくユーチューバーシンイチの最新動画『ぼったくりバーと正面から戦ってみた』がやらせという証拠の音声。ぜーんぶ役者を使った嘘!本番撮影、ご苦労様。要するに詐欺師が詐欺師を演じてるわけで、草」
 急にカメラ目線になって、決め顔で
マミ「おいシンイチ、このライブ配信見てるんだろ?早く謝罪動画アップして、30万人の登録者に詫び入れろや!」
 真顔に戻って笑顔で締めの挨拶
マミ「以上、『マミの真実丸見えチャンネル』、今日のお裁きコーナー。次回もお楽しみに」
 真顔に戻って
マミ「ではここで、アンチのやつら32人分のアカウントを特定したので、個人情報コメント欄にさらしまーす。あとの処遇はみんなに任せた」
 少し雰囲気を変え(BGM流しても良い)
マミ「では次に恒例の質問コーナー。
まず最初の質問。
『先ほどの証拠音声はどうやって入手されたのですか?』
あー、これは企業秘密。ただ全国に協力者が100人以上いるってことだけ伝えておこう。
次の質問。
『マミさんが今欲しいものは?』
やっぱりあれかな。名前を書いたらその人を殺せるノート。死んだ方がいいやつってゴロゴロいるじゃん。だから簡単で合法的に始末できたら、最高でしょ。でも残念ながら、現実にそんなノートはないのデス!」
じゃあ次で最後の質問。
『なんで暴露系ユーチューバーとして活動しているのですか?悪いことをしているという自覚ないんですか?』
そういう見方もあるよね。でも僕は真実を伝えているだけ、これが僕の正義。人をだましてノウノウと生きてる社会のゴミが許せない、だから掃除をする。それだけさ」
 少し考えるそぶりをして語り始める。
マミ「10年前、中学生のとき。ヒカルっていう好きな人がいたんだ。あるとき急にクラスみんなの前で公開告白されて、付き合うことになって。正直意味不明だったけど、次の日にヒカルから全部嘘だって言われた。クラスメート全員がグルの壮大なドッキリだったのさ。それが僕の最初で最後の初恋」
 怒りをあらわにしながら
マミ「ありえないよね。でも世の中は、こんな嘘と理不尽であふれている」
 ふとコメントに気づいて驚き
マミ「え、ヒカルからコメント?噓でしょ。『あのときはごめんね、言われてやっただけで悪気はなかった』バカ言うなよ。そのせいで僕はどれだけ…」
 次のコメントに気づいて
マミ「え、僕の動画のファンだって?そんなこと信じられるわけ…。『謝りたいから、もし良ければ電話ください。番号は…』分かった、かけるよ」
 スマホを取り出し電話をかけながら
マミ「言っておくけど、これはやらせじゃない。僕はそんな卑怯なことしない」
 しばらくして電話がつながり
マミ「もしもし、ヒカル?」
 相手からの返答(可能なら録音音声で)
電話の相手「誰だよヒカルって。あんま調子に乗んなよ、バーカ」
 (可能なら、電話が切れたツーツー音)
マミ「うそ、番号間違えた?え、なにこのコメント。『マミの電話番号特定したのでさらします』って、もしかして今の電話の相手?だましたな!」
 慌ててPC操作してコメント削除の動作。
 スマホを手に取り焦った様子で
マミ「うそでしょ、着信履歴が100件以上も。まさかネット上でもさらされてる?」
 カメラ目線でにらみつけながら
マミ「お前ら全員、許さないからな!」
 
 
 


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?