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タートル・トークの客イジり

先日、かなり久しぶりに東京ディズニーシーに行った。前に行ったのが何年前なのかも覚えていないので、たぶん10年ぶりぐらい。

そう言うとディズニーランドに興味がない人なのかと思われるかもしれないが、東京ディズニーランドの方はめちゃくちゃ好きで何回も行っている。ただ、なぜかディズニーシーにはあまり縁がなく、行っている回数も少なかった。

で、久しぶりに行ったら「タートル・トーク、すげえ!」と思った。タートル・トークは言わずと知れた人気アトラクション。シアター形式の海底展望室でウミガメのクラッシュと話ができるというもの。

ここでクラッシュがやっているのは、要するに「客イジり」だ。お客さんを指名して、その人の質問に答えたり、会話をしたりする。そこで観客を笑わせる。その技術がすごかった。

以前に千原ジュニアさんがそのクラッシュの話術を絶賛していたことがあった。それを聞いたときは「それほどのものかな?」と思っていたが、初めてその意味がわかった。

この手の客イジり主体で笑いを取るというのは、いわゆる日本の平均的なお笑い芸人は、それほどやらないことなのではないかと思う。ライブや営業などで多少は客イジりをする流れになることはあっても、それだけを主軸にして5分も10分も話す、というのはあんまり見たことがない。

一方、アメリカのスタンダップコメディでは、この手の客イジりは一般的な手法だ。珍しくも何ともないどころか、ほとんどの人が当たり前のようにやっている。

何が言いたいかというと、タートル・トークのクラッシュの客イジり芸は、それを見慣れていない日本人にとっては特に新鮮に面白く感じられているのではないか、ということだ。そして、ここには日本のお笑い界がまだ掘り下げていない未知の鉱脈があるのではないか、という気もした。