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東京(仮)

元日から実家に一週間帰省したのちの、憂鬱な帰路に書いていた脳内の記録です。



家族で温泉旅館に泊まり、高校の同級生と初詣に行き、中学の同窓会に参加し、一週間常に誰かと一緒に過ごした。


おいしいものをこれでもかと食べた。この一週間で2~3キロ増量したんじゃないかな。(現実と向き合いたくないので体重計には乗らない)


心身ともに癒されたとてもいい帰省だったな、いつまでもお正月気分でいたいけど明日は用事があるから帰らないと。




4~5泊用のそこそこ大きいキャリーケースとともに、なるべく人が少ない路線を選んで帰る。



電車の中、左斜め前方に座るド派手なショッキングピンクのダウンを着て赤いフレームのメガネをかけたおばさんが、こちらをものすごい形相で睨んでくる。飲食店のアルバイトで培ったやばい客センサーによると、この風貌のおばさんは9割9分9厘やばい。



私がなにかしたかな。一応足元に何か落としていないか、イヤホンの接続が外れていないか確認して、おばさんと目が合わないように意味もなくドア上のモニターを眺めてみたりする。




東京に戻ってきてしまったなぁと思う。




高校生の頃、私は自分の将来についてこれっぽっちも考えていなかった。



地元にいてもやることがないし、それならなんとなく東京に出てみたいかも、「東京」というタイトルの曲は大抵名曲だし。くらいの理由で都内の大学に進学することにした。兄弟も多いのに私大に進むことを許してくれる親の偉大さも、あまりわかっていなかったな。感謝。



地元から離れて新しい物で溢れている東京にでも行けば、やりたいこと、なりたいものが自ずと見つかるもんだと思っていた。



まあそんなうまくいくはずもなく、結局はどんな土地にいようと自分の行動次第ということをただ痛感しただけになった。


それでも就職先は東京でさがした。まだ東京という地に淡い期待を抱いていたわけではなくて、東京に来た意味を見出すまでは離れられない、という執着だと思う。あほくさ。




お腹が減った。夜ご飯どうしよう、何も考えなくてもごはんが出てくる一週間を過ごしてしまったから、夜ご飯を考えるという行為がとてつもなく面倒に感じる。親に感謝その2。



最寄駅からアパートまでの道のりにある回転寿司に入ることにした。


予想はしていたけどかなりの入店待ちがいる。受付のパネルに40分待ちと書いてある。まわりはみんな家族連れの中、ひとりで大きなキャリーケースを持って待つのは孤独を感じるなあ、と諦めたくもなったけど、既にお寿司を食べる気持ちが作られてしまっているので覚悟を決めた。が、発券してすぐに私の番号が呼ばれた。


ひとりで来ている人がほとんどいないから、カウンター席が空いていたらしい。40分待っている他のお客さんへの引け目と優越感五分五分で入店。



ひとりも、東京も、まあ悪くないかと思う。



2024年は何か新しいことを始めるとか趣味を見つけるとか、行動を起こすことを目標にでもしてみようか。とりあえずnoteを続けてみようか。これを最後に投稿が止まっていたら笑ってあげてください。







こんなことをぼーっと考えながらお寿司を食べていたら、回転寿司の自己新記録を更新した。(恥ずかしいので枚数は内緒)
東京戻ったらダイエットしようと決めていたのに意思が弱すぎる。先行きが不安。

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