ご依頼を下さる前に

スポーツ中継の場合、スタイルは幾つかあります。
先ず、ラジオとテレビ。
更には、現場で喋るのか?モニター画面を見ながらスタジオで喋るのか?
(どれだけ臨場感や迫力のある実況をするのかは個人差があり、実況能力により疲労度も違うと思います。淡々と喋る方は、疲労感もさほど感じないかも知れません)

眼精疲労(長時間のデスクワーク、書き物、パソコン作業などの後に、目の奥や後頭部などに感じる鈍痛や疲労感)の溜まりやすいのは、ラジオ実況と、モニター画面を「凝視」しながらの実況(MAと、業界では呼んでいます)。
(視神経の使い方や焦点の移動距離は違いますが、頭の疲労度という意味で…)
一試合喋ったら、少なくとも翌日丸一日は、
休養が必要です。
疲労回復が不充分な状態で仕事を続けると、
新たな疲労が重なるので過労になります。
これが、1日に2試合、土日の連チャン、
などとなれば、休養には2日間は必要になります。
(これが現在の疲労回復力です。
秋/冬に、あるMAの仕事(一日に二試合の実況)を毎週したことで、確認出来ました)
加えて、海外コンテンツの生中継なら、体内時計の調整も必要ですが、これは日内変動という鬱症状を経験しましたので、基本的にお断りしています。
(毎週、時差ボケのある生活をすると早死にすることが、東大の動物実験で解ったそうです。また、航空業界では、国際線のパイロットは、50代半ばまでにやめないと、寿命が縮むとも言われているそうです。)

更に今は、何かとパソコンを使う時代。
資料を作ったり、サイトや動画を見たりと、
準備でも、モニター画面を凝視します。
となれば、1日辺りの作業量には限度があるから、試合の前日1日で全ての準備を終わらせることは難しい(そんなことをしたら、当日に疲れを持ち越してしまう)ので、何日かに分けて、少しずつ、作業をすることになります。
従って、一試合の実況の為に最低限必要な日数は、当日を含めて前後の4日間、ということになる。

なので、最多でも、2週間に3本以上はお引き受け出来ないのです。(原則的に)
特にMA業務は、本番でもモニター画面を凝視することになるので、お引き受けする場合は、掛け持ちしている仕事との調整を含め、
必要な休養日を確保出来る場合に限らせて
頂いています。

もし、それよりも短いスパンのご依頼を頂いた場合には、前後の予定と併せて、準備の量を勘案のうえで、検討させて頂きます。

仕事の予定を組む際には、その日が空いていたからとか、沢山頼まれたからとかの理由ではなく、一つ一つの仕事をするために必要な労力と疲労度を想像してみて、更には、想定外のことに備えて、ゆとりを持つことが必要です。
たとえ、依頼主から、もっとやってくれと言われても、ロボットではないから、体調管理は必要。

因みに、昔やっていたナレーションの定期収録では、ビデオを見ながら、タイムカウンターやQランプでタイミングをとりながら読むという作業を、20~30分やって20~30分休む?という形で、1日に8時間(ランチを含む)という仕事を週の半ばに2日連チャンでしていた。
これがけっこう疲れるもので、連チャンは無しにしてほしいなどと、思っていた。
その翌日は、もう頭がヘロヘロで使い物にならず、テレビなども見ずに一日中ボーッとしていないと疲れが抜けないほどでした。

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