見出し画像

ワン・トゥ・ワン マーケティング - 1995年からの手紙

クラフトビールと歴史をこよなく愛するオーバルギアです。

今日はタイトルにあるONE to ONEマーケティング―顧客リレーションシップ戦略という本を紹介しますね!

この本は顧客とのリレーションシップについて書かれています。早速、この表をみてください。

noteブログ

左側の部分は、テレビやラジオ等のいわゆるマス マーケティングでよく目にするキーワード。右側の青色の部分は、この本が訴えている一人ひとりの顧客と向き合うワン・トゥ・ワン マーケティングのキーワード比較です。

マス マーケティング時代から、顧客一人ひとりに向き合うマーケティング(この本でいうとワン・トゥ・ワン)へという流れは、”最近” よく目にしますよね〜。

でも、なんと!この本は1995年に発行。もう20年以上前から訴えていたんですね。

もう一度、重要キーワードをみてみましょう。

・顧客維持
・関係づくり
・顧客中心サービス
・顧客シェア
(←このあたりの概念は後述しますね!)
・ダイヤローグ

Wow ぜんぜん古くないですよね、むしろ「最近のよく聞くよね」とすら思ってしまいます。

・・・というわけで1995年に書かれたONE to ONEマーケティング―顧客リレーションシップ戦略から色々学んでいきましょう。

電報からFAXへ

ぜんぜん古くないですよね・・・と言いながら、いきなり時代を感じる「電報からFAXへ」(笑)ここはタイムスリップしながら聞いてください!

1991年にFAXが出現。およそ150年間、「重要」で「緊急」な情報伝達手段として、君臨し続けていた電報は終焉を迎え、各企業は電報業務から撤退します。

当日のFAXは、ビジネスに非連続的変化をもたらしました。この非連続的変化は「マス マーケティング」から「ワン・トゥ・ワン マーケティング」の文脈にも当てはまります。

大量生産・大量消費、マス広告にとって「規模」は重要な概念でしたが、ワン・トゥ・ワンは、一人の顧客との長期的な関係性から生まれる生涯価値を重視します。

生涯価値・・・特定の顧客が一生の間にもたらしてくれる全利益の価値。LTVって略されたりますね。

この本の中にも何度も記載されていますが、これは単に「これからは顧客一人ひとりに、個別化された広告メッセージを送るのだ」という手法の話ではありません。考え方や捉え方そのものを変えましょうという話です。

市場シェアから顧客シェアへ

マス マーケティングでは市場シェアを重視します。これを書いている私にも身に覚えがあります。

「市場シェアを拡大する!」という号令のもと、できるだけ多くの顧客に、できるだけ多くの商品を売るようにアレコレします。

一方で、顧客シェアの考え方は違います。一人ひとりの顧客が、自社商品に満足していただき、今後も他社商品ではなく、自社商品を選んでもらうことを重視します。

顧客シェア達成のために顧客一人ひとりのことを知る努力をします。逆にいえば、市場シェア重視であれば、顧客一人ひとりのことを知ることは、必ずしも必須ではないともいえますね。

顧客シェアは昔ながらのやり方

そもそも「顧客一人ひとりのことを知る」は、決して新しい概念でなく、昔ながらやり方です。産業革命以前、大量生産やマスメディアが登場するまで、商人・職人は顧客シェア的なやり方をしてきました。逆に市場シェアという概念はまだ存在しない世界です。

店主はAさんがどんな買い物をするかをよく知っていました。Aさんがいつも買うはずの〇〇を買わなくなったら、きっと何かの合図だと察知して、対処方法を考えます。

現代から過去を覗くと、この前近代的な店主さんは顧客一人ひとりと関係性を積み重ねるリレーションシップ・マーケターであり、顧客一人ひとりの情報や知識に基づいて、顧客を個別に扱うデーターベース・マーケティングをしている状態です。

時代は流れ、回り回って、もとに戻ってきたのでしょう。ただし、もといた景色ながら、らせん階段のように一段上がった場所ともえいます。

テクノロジーの進化によって、前近代的な店主さん以上の質量を管理できるようになりました。

歴史を紐解きながら全体像をお伝えしたところで、次回は「顧客管理は手段でなく姿勢である」というテーマで話ししたいと思います。