ジェンダー加速主義とは何か 〜男性を絶滅させる思想 〜
皆さんは「ジェンダー加速主義(Gender Acceleration)」をご存知でしょうか?
当然、知らないのも無理はありません。なぜならジェンダー加速主義について日本語で書かれたものは1つも存在しませんし、比較的というか、かなり新しい概念です。まだ1年経つか経たないかといったところでしょうか。
このブログの意義みたいなのは多分そんなところです.......(なぜそんなドマイナーなイデオロギーを紹介するのかというツッコミはやめてください 苦笑)
なので、このnoteでジェンダー加速主義とは何かを紹介しようと思います。
英語圏の掲示板(日本でいうと2ちゃんみたいなもの)であるRedditや4chanで、使用されているミーム(ネット用語)に、レッドピル(Red Pill)というものがあります。
レッドピルを飲むと「真実に目覚める」(=ネットで真実)という意味で使われています。
元ネタは映画のマトリックスで、主人公のネオが青い錠剤(Blue Pill)を飲んで夢を見続けるか、それとも赤い錠剤(Red Pill)を飲んで真実を知るかのどちらかを選ぶことになり、主人公のネオはレッドピルを飲み、コンピュータに人間が支配されている現実を知り.......という皆さんご存知の映画のストーリーからきています。
さらに、そのレッドピルを元ネタにしたブラックピル(Black pill)というミームが使われるようになりました。
Black pill(ブラックピル)を飲むと、①女性は男性の性欲を操ることで、男性をコントロールしている。②女性は男性の容姿と社会的地位を恋愛の基準にしており、恋愛をするかどうかの選択肢は女性にある。③生物学的な根拠がある。という真実()に目覚めるらしいです。
その真実()に目覚めた彼らはMGTOWと呼ばれ、フェミニズムや #Metoo 運動に対する反動から生まれたとされていますが、今回はMGTOWについては割愛します。ggrks
そのブラックピル(Black pill)の真逆の現象を生じさせる錠剤として、ピンクピル(Pink pill)というミームがあります。
ピンクピル(Pink Pill)とは、端的にいってしまえばフェミニズムのイデオロギーに目覚めるお薬ですが、ブラックピル(Black pill)がインセル(非モテの男性)を服用する対象の性別として想定しているように、ピンクピル(Pink pill)は女性を服用の対象として想定しています。すなわち、ブラックピル(Black pill)が男性化(名誉男性)するものであるならば、ピンクピル(Pink pill)は女性化(・女体化)させるものなのです。
加速主義を以前、テクノロジーによって資本主義のプロセスを加速させる思想だと説明しました。(加速主義について知りたい人はググるか、私の過去記事を参照して下さい。)
ジェンダー加速主義はまさにテクノロジーによって性別を乗り越える思想なのです。
それはピンクピル(Pink pill)が象徴しているように、男性を女性にする、性別を超える(トランス)というものです。
さて、ジェンダー加速主義についてのおおよそのイメージを掴んで頂けたでしょうか。
これからジェンダー加速主義に関する重要だと思われる2つの文章を紹介したいと思います。(というか、Gender Accelerationについてググってもこの2つくらいしかめぼしい文章がなかった。)
まず1つ目はVikky Stormの「The Gender Accelerationist Manifesto」です。(⚠️翻訳を掲載する許可は頂いています。)
次に、Gender accelerationismの開祖とされるNyx Landの「Gender Acceleration: A Blackpaper」を載せています。(こちらも本人に許可を頂いております。)
こちらも重要だと思われる箇所のみを載せています。
こっちはめんどくさくなってGoogle翻訳に丸投げしたのも多いので、文章が破綻しています。なので、特にジェンダー加速主義に興味がある人以外は読まないで下さい。
「 Gender accelerationism is the process of accelerating gender to its ultimate conclusions.
ジェンダー加速主義は、性別を最終段階まで加速させるプロセスです。
Capitalism and its coupling with cybernetics, or technocapital, wields gender and picks it up where human evolution leaves off.
サイバネティックス、またはテクノキャピタル(テクノロジー資本主義)が 資本主義と結びつくと、性別の振る舞い、人類が進化をやめる状況でそれを取り上げます。
It emancipates the object, the feminine, from the subject, the masculine, alongside the emancipation of itself from its function to produce a future for humanity.
それは、人類の未来を製造する機能からのそれ自体の解放と並行して、男性と女性からも解放します。
The central figure of G/ACC is the trans woman.
G / ACCの中心人物はトランス女性です。
⚠️G/ACCはジェンダー加速主義の略語です。Gender ACCelerationism
She is the demon-spawn of the primordial feminine that has manipulated males into serving as a heat sink for evolution and that is now discarding them towards an alien and inhuman machinic future.
彼女は、進化の放熱版としての役割を果たすために男性を操作し、現在、エイリアンと非人道的な未来に向けてそれらを捨てている原始女性の悪魔の卵です。
She mutates from castration, from the creation of the Acéphallus, the phallus perverted into a purposeless desire for desire’s sake.
彼女は去勢とAcéphallus(性器なき身体)の生産から変貌した。ファルス(男性器)は欲望を欲望するあてのない欲望へと悪化した。
In this castration, in this mutation into an Acéphallus, she becomes the Body without Sex Organs: The body in a virtual state, ready to plug its desire into technocapital, becoming fused with technocapital as a molecular cyborg who is made flesh by the pharmaceutical-medical industry.
この去勢は、Acéphallus(性器なき身体)への突然変異で、彼女は性器のない身体になります:Virtual state(仮想状態)の体は、身体の欲求をテクノキャピタルに差し込み拡張する準備ができており、医療・医薬品産業によって肉体化されサイボーグとしてテクノキャピタルと融合します。
She enters into the world as a hyper-sexist backlash at the logic of the gender binary.
彼女は、性別の二元の論理(性別を男性と女性の二つに分ける論理)に対するハイパー性差別主義者の反感として世界に入ります。
She takes gender and accelerates it, transforming into a camouflaged guerrilla.
彼女は性別を選ぶことで加速し(バレないように)周りに溶け込んだゲリラ兵に変身します。
The trans woman is an insurgent against patriarchy who is continually flanking it, introducing an affirmative zero into the gender binary, the affirmative zero which reaches ever more configurations in the downward cascade of gender fragmentation away from the binary and ultimately away from the human itself.
トランス女性は家父長制に対する反乱者であり、絶えず側面から攻め込み、積極的な0(ゼロ)を性別の二元論(男性0と女性1の二進法で性別を表す)に導入します。肯定的な0(ゼロ)は、二元論から離れ、最終的には人間自体から離れて段階的にバラバラになった性別でさらに多くの多様な性別の構成に到達します。
It is a process of gender shredding where the feminine wins out in a cybernetic warfare against the crumbling tower of the masculine, and where therefore human reproduction becomes impossible.
それは、男性の崩壊しつつあるタワーに対するサイバネティックな戦争で女性が勝ち、それゆえ人間の生殖が不可能になる性別(という概念)をズタズタに切り裂くプロセスです。」
という感じになっています。読んでいて特に意味が分からない箇所が1つか2つあると思いますが、めんどくさくなってしまってGoogle翻訳に完全に丸投げした箇所です。(ゴミ)
さて、Nyx Landのいうジェンダー加速主義とは何かを私なりにまとめるとだいたい以下のようになります。
①技術的進歩により人類は性別(セックス)から完全に解放される。既に性転換手術もあり技術的にも性別から自由になる事は可能である。
②性別から女性を解放することで、家父長制(父親が家族の中心になる制度)や生殖プロセス(子供を産む機械)から解放する。
女性は人類の未来のために子孫を残すという責務をヒューマニズムの価値観から強制されています。
実は、ヒューマニズムに基づく生殖・繁殖は常に女性を不利な立場に置き、子供を産むという生物学的義務の名のもとに、女性を原始的にレイプし、男性による植民地状態に置いていたが、これはずっと欺瞞に過ぎなかったということです。
なので、性別から解放された「性器なき身体」(Acéphallus)は、生殖を純粋に選択的な行為にし、性的欲求も身体から切り離します。性的欲求を満たす行為は選択的に行うことが出来ます。
現に、男性の精子は量だけでなく質も急速に減少しており、草食系男子や童貞の割合も増加しています。男性がもはや存在しない未来に向かっている事は確実です。
それにより、将来的には、男らしさの終わりとヒューマニズムが終わります。
フーコーが「波打ち際の砂の上に描いた顔のように、(人間という概念は)消滅するであろう」と述べたのは、ヒューマニズムの終わりだけでなく、男性、性別の終わりも意味していたのかもしれません。
おわり。
参考情報
ハイパー・レイシズムとは、テクノキャピタルが進むことにより人種差別が急速に消滅するという考えで、同時に人々が自分の身体を増強することが可能になるということ。
女性らしさは「コミュニティ主義、流動性、分散、カオス」 (communalism, fluidity, decentralization, chaos) と結び付き、男性らしさは「個人主義、停滞、集中化、秩序」(individualism, stasis, centralization, order)と結びつくとされている。